暗闇ウォーキング/朝焼けが消える前に
毎朝日の出前に家を出る。
iPhoneに有線イヤホンをセットして、stand.fmの配信を聴きながら歩くので、寂しくはない。
寂しくはないけど、周囲の音が聞こえにくいから、暗闇から何か現れたりしたら腰を抜かしそうだ。
そう、暗闇を小さな懐中電灯を照らして歩く。
神社の脇を通り抜ける。
うっそうとして不気味だ。
お寺よりはマシ、住んでいるのは神様なのだから。
こんな時刻に住宅地をヒタヒタ歩いては、不審がられるかも知れないので、海に注ぐ川沿いに設えられた自転車専用道路を歩く。
月は反対側にあるから、川は真っ暗な帯だ。
怖い、毎朝肝試しをしているようだ。
でも何が怖い?
早起きして活動するポジティブ志向の不審者はいないだろう。
夏は狸や狐に出くわす心配があったが、冬はない。
同じ暗闇でも夜の方が危険だ。
家に着く頃夜が明ける。
朝焼けがきれいな日もある。
怖いのは転倒かも⁉︎