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放浪の旅をしたい


#どこでも住めるとしたら

ずばり、放浪の旅に出るでしょう。(丸男くん風に)
昔、もう少し若い頃、生活に特に不満があったわけじゃなかったが、単身どこか九州の方の温泉町で、旅館に住み込み仲居さんになるのを夢想したことがあった。
寒いのは嫌なので九州、夫も子どももいない一人きりで、明日は明日の風が吹く…なんて暮らしをしてみたかった。

実家から嫁ぎ先に住み替えたので、一人暮らしに憧れもあった。
今は何も憧れなくても、遠くもない将来、三分の一の確率で独居老人になるんだしさ。

だけど、もしどこでも住めるとしたら、世界中の町の片隅を住み渡り(住み渡るなんて言葉あるかしら)たい。
名所じゃなくて、ごく普通の、街ではなく、町がいいな。

いつも旅に出ると、その町の住人のような顔をして、地元の店で買い物をする。
だけど、長居はしたくない。
一ヶ月くらいで去っていくのだ。
誰の記憶にも残らないように。

まあ、こんな夢想をするのは棲む家があって家族もいて、多少煩わしい日常があるからなのだろう。

どこでも住めるとしたら。
ここではない、どこかで。

※ヘッダー画像は、うみたまご水族館の駐車場からのぞむ別府湾。

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