【絵本】きつねのホイティ
スリランカの、大好きな絵本。
今朝は三年生の教室で、プロジェクターを使って読んだ。
文中、歌う場面では勝手なメロディをつけて歌うように読む。
いたずら者のきつねのホイティは、物干し綱に吊るしてあった洗濯物を着込んで人間に化ける。
哀れな旅人を装い、村の奥さん三人をだましてごちそうをせしめとったと思いきや、実はきつねの正体はとっくに知られている…
三人の村の奥さんが、ホイティの預かり知らぬところでホイティを嘲笑している。
当時小学生だった次男は釈然としない顔をしていた。
影で笑いものにするなんて…
いやいやいや、だってホイティは人間のふりをして奥さんたちを欺いているのだから、お互い様だろう。
これは私の心の声。
しかしいい気になったホイティが、三人をバカ呼ばわりして歌っているのを聞かれてしまい、形勢は逆転する。
腹を立てた三人は相談して、きつねに一泡吹かせてやろうということになる。
暴力的でないやり方で…
物干し綱に花嫁衣装を吊り下げておいて、それとは知らぬホイティに着させてやる作戦だった。
花嫁衣装は、透き通ったピンク色の柔らかな絹織物にキラキラ光るビーズが縫い付けられたサリー。
ホイティはみごと罠にかかり、サリーをまとい人間に化けたつもりで家を訪ねる。
素晴らしい結婚式のごちそうを、振る舞われた挙げ句のネタバラシ、
三人に囃し立てられさんざからかわれ山に逃げ帰る。
サリーが木々のあちこちの枝に引っかかりまとわりつく。
あっちへよろよろ、こっちへよろよろと足元がおぼつかない。
拭い棄てたい羞恥心に絡め取られ、パニックに陥っている姿は哀れである。
ぐっと胸に染み入るシーンだ。
逃げるきつねを村と山との境界まで追い詰め、奥さんたちは笑いながら叫ぶ。
仕返しをしたのは、お前が私たちをバカ呼ばわりしたから、
バカ呼ばわりさえしなければ、これからだってごちそうしてやる、
世界の中心で叫びたくなる台詞だ。
這々の体でねぐらに帰ったホイティは、してやられたのを思い知る。
ホイティが反省したかどうかはわからない。
狐だって生きなけりゃならないんだし。
ただ、女たちはバカじゃなかったと認める。
そして、三人に振る舞われたごちそうを思う。
あんなおいしいごちそうを
またいつか食べてみたいものだと。
読み終わって教室を出ると、中で児童が数人
マンゴウ、ランゴウ、アンゴウ
と唱えているのが聞こえた。
思わずニヤリとした。
※図書室の画像は わたなべ - 渡辺 健一郎 // VOICE PHOTOGRAPH OFFICEさんよりお借りしています。
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