雨降る紀伊半島・三重県多気町相可(おうか)の町歩き
はじめに、なぜ相可なのかと言いますと、10年ほど前、テレビドラマ「高校生レストラン」のモデルになったのが相可高校であったことを覚えていたからです。また、昔、会社の人事担当だった頃、相可高校生を面接したことがあり、その時の彼、彼女の好印象も記憶に残っておりました。
そんなわけで、多気郷土資料館企画展「立梅用水 ふるさとの農業用水」を観た後、伊勢本街道の要衝であった相可の町歩き、できれば今の相可高校も見たいものだと思いました。
結果から言いますと、散策マップも事前情報もなく出発したことから、相可の町の一部エリアしか歩けていません。街道の町並みを堪能するところまで達せずに切り上げた格好になりました。
ただ思いがけず、ありがたい神様との遭遇がありまして。さらにイチゴ大福とホットコーヒーもいただけるという、大変恵まれた経験がありました。
ありがたい神様とは、「文章上達の神様 天児屋根命(あめのこやねのみこと)」です。
ここは、「延喜式内 相鹿上(おおかがみ)神社」です。主祭神の天児屋根命の御神徳は、文章力の上達、字の上達、演出力の上達、学業成就とか。
こ、これは、ブログの神様ではないですか!
しっかりお願いしなければなりません。なんとしても面白いブログ書きたいから!
というわけで、相鹿上神社にお参りすることにしました。
本殿に近づきますと、拝所の場所にテントが張られていて(雨だから)、その中に7、8名の方がおられます。小さなテーブルを囲んで、みんな椅子に座っておられました。
私は少し遠慮がちに、ちょっと離れた位置から拍手の上、天児屋根命様に文章上達をお願いしました。
もう下がるつもりでしたが、神主さんらしい(いや神主さんです)人から「どこからお参り?」と声をかけられました。私はかくかくしかじかで奈良から来ましたと答えました。
神主さんは「今、月次祭(つきなみさい)が終わり、お茶するところです。よければコーヒーでも飲んでいって下さい」と。
そのお誘いがごく自然で、過度の遠慮もいらない雰囲気を感じましたので、雨で体も冷えておりましたししますことから、ありがたく円座に加わることにしました。
こうしていただいたホットコーヒーは胸に熱くしみて、おいしかったです。おまけに手作りのイチゴ大福までいただきました。おそらく数が二つほど足らなかったと思いますのに、「わたしたちはいつもいただいていますから遠慮なされずにどうぞ」と仰っていただいたのであります。
なんという心根のやさしく温かい相可の町の人たちなのでしょう!
こうして相可の町歩きにおいて、天児屋根命様に文章上達のお願いができたこともうれしかったですが、信仰深い町の人との出会い、そしてイチゴ大福とホットコーヒーの味を、決して忘れることはありません。すっかり体が雨で濡れてしまいましたが、清々しい気持ちで紀伊半島の小旅行を終えたのでした。
おしまい