2022年シーズン 6位中日ドラゴンズ (予想3位)

いい誤算
若手の台頭(岡林、高橋宏、土田、上田)
配置転換の成功(清水、ジャリエル)

悪い誤算
怪我人続出
想像以上に弱い得点圏
京田の不振(守備含む)
周平の不振
対横浜戦

いい予想通り
投手陣の安定
延長12回制復活による中継ぎの重要性アップ

悪い予想通り
屋外での弱さ(甲子園、ハマスタ)
貧弱打線

昨季攻撃力不足(特に外野手)が課題となり、就任した立浪監督。「打つ方はなんとかします」そう言って始まった新政権。
ドラフトでは大卒外野手の3人を獲得。現有戦力でも阿部、アリエル、郡司を外野にコンバートし、徹底的に弱点克服へ動いた。
そんな外野は不動の主力大島、若手枠として岡林は固定し、残る1枠はアリエルや阿部、鵜飼などの中から好調な選手を使うという方針であった。
内野ではビシエド、京田、高橋周平はレギュラーとして固定し、サードに若手枠として石川を我慢するという方針であった。
しかし、開幕からこの方針は崩れていくこととなる。まず高橋周平が怪我で開幕二軍。そのため空いたセカンドに阿部、レフトに鵜飼(開幕戦は福留)を起用という形になった。
さらに京田は極度の打撃不振で2割すら切る結果になり、守備面でも本来の能力からすると考えられないようなプレーも生まれてしまい、「戦う顔をしていない」と二軍へ。コロナや怪我もあったが結果的にほとんど戦力になることができなかった。
怪我から復帰の高橋周平も厳しい成績となった。セカンドや慣れないショートを守った試合もあったとはいえ、この打撃成績では厳しい。
その他にもアリエル、石川、鵜飼の怪我は非常に痛かった。これらをカバーしきれるほどの層の厚さはない。

しかし、岡林は1年間試合に出続け最多安打のタイトルを獲得。ゴールデングラブも有力候補だろう。
不振の京田に代わって多く出場した土田も来季以降使いたくなるような成績を残した。

投手陣では先発は大野、柳、小笠原を軸にその他は勝野、高橋宏、松葉、岡野、福谷、岡田あたりを上手く使っていく変則的なローテで始まった。
これが当初ハマった。柳が任された日曜日は開幕から5連勝で5月1週目まで勝ち続けた。
高橋宏も想像をはるかに超える成長ぶりで一気に日本代表入りを果たした。
小笠原はコロナ離脱がありながらも、2年連続の規定投球回と自身初の二桁勝利を達成した。
しかし、岡野福谷岡田といった渋い活躍を期待された選手たちがあまりにも渋すぎる結果となってしまった。勝野の故障離脱も痛かった。

中継ぎは又吉がFA流出でその人的補償岩嵜と中継ぎ転向のロドリゲス、守護神マルティネスが勝ちパターンで始まった。
しかし、開幕早々岩嵜が故障。代わりに清水が7回を任された。すると清水、ロドリゲス、マルティネスという勝利の方程式が確立され、後ろ二人は見事タイトル獲得となった。
谷元、藤嶋、森、開幕出遅れた祖父江、シーズン途中から投手転向の根尾も含め中継ぎの力は阪神と同等かそれ以上でリーグトップレベルであった。
またその中継ぎの強さから延長戦で強さを発揮。延長戦の成績は大きく勝ち越しとなった。

全体でみるとやはり攻撃力不足が顕著。昨年と比べて打率や出塁率はやや良化したが、得点がこのようになってしまったのは得点圏打率と本塁打であろう。
また、対横浜戦と甲子園での圧倒的弱さも大きな敗因である。特に甲子園球場は2020年辺りからずっと苦手にしている。(19年甲子園最終戦大野の最優秀防御率と阪神CSの竜虎同盟事件が発端と考えているが)
甲子園の苦手克服は最重要課題の一つである。

来季は2014年以来となる本拠地での開幕戦となる。多くの戦力外通告が出たように立浪監督就任1年目の今季は見極めや育成といった勝敗以外の部分にも重きが置かれていたシーズンであったのではないか。
そうであればこのオフは来季に向けて血の入れ替えを行い、戦力を整備し、優勝を本気で狙える状況を作らなくてはいけない。

具体的な補強ポイントとしては
先発右腕(枠の都合上、外国人補強で行うべき)
左の中継ぎ(理想はFA補強)
二遊間(特にセカンドが必要、理想はFA、ドラフトでもOK)
このあたりだろう。

まずはロドリゲスの残留は絶対。その上でアリエル、松葉の残留も最善を尽くしてほしい。

新打撃コーチとして和田一浩氏の招聘が決定。打力改善へ一つ手を打った。あとはヘッドコーチの人事がどうなるか、注目していきたい。

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