【整数問題】2009年JJMO予選-8 を解いてみる
初投稿です。
慣れないところなどあると思いますが生暖かい目でみてください。
(注. JJMOは中学生向けですが、解説には高校数学の知識も用いています。)
問題文
整数問題、しかも1行題。
こういう問題って良問率高いですよね...(Youtubeで誰かが使ってそう)
では、早速解説をしていきます。
解説
① 取っ掛かりを見つける
この積をP、Pの下三桁をa、とおく。
下三桁 = 1000で割った余り
なのでまず1000という数字について考えてみる。
素因数分解してみると、1000=2³×5³
見た感じ2と5について考えてみるのが良さそう。
② 5について
1から99までの奇数の中には、5の倍数は10個は含まれる。
なので、少なくともPは5³の倍数である。(注1)
ここで下のような等式を考える。
P = ( P - a ) + a
先ほど述べた用に、Pは5³の倍数である。(☆)
また、P - a の下三桁は000であるから、
P - a は1000の倍数、つまり5³の倍数でもある。(★)
(☆)、(★)より、aも5³の倍数であると分かる。
注1 ここで5³としたのは、5⁴以上にすると(★)と同じことが言えなくなるためです。
③ 2について
Pは1から99までの奇数の積。
奇数どうしの積は奇数なので、Pも奇数。
Pが奇数 ⇔ Pの1の位が奇数
これだけだとなんか不十分な気がするな…
1000は2の素因数を3個持つわけだし、
2³=8について考えてみよう。
まず、1×3×5×7 ≡ 105 ≡ 1 (mod 8)
また、
1×3×5×7 ≡ 9×11×13×15 ≡…… ≡89×91×93×95 (mod 8)
なので、
P ≡ 1×1×…×1×97×99 ≡ 1×1×3 ≡ 3 (mod 8)
②の時と同じような議論をすれば、
a ≡ 3 (mod 8) とわかる。
②は1/125、そしてこれは1/8に答えを絞っているように見えるから、この2つを合わせれば1通りに定まりそうな気がする。一回まとめてみよう。
④ まとめてみる
②、③の両方を満たすようなaは、875のみ。
ということで、答えは875。
感想など
整数問題に慣れている人なら割とすぐ解けそうな問題でした。(僕はmod 8 に辿り着くまで結構時間掛かりました...)
この年の予選通過ボーダーは8問なので、予選通過のためにはこれは必答問題なのでしょう…
当面はこのように、数学オリンピックなどの問題の解説記事を書いていこうと思います。
普通はあまり載っていないような思考の過程なども書いていくつもりですので、是非次回以降もお読み下さい!
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