ネコと言えば　其のニ

さて、ネコの話ですが

ボクにとって未知の生物である

『ネコ』

元来、犬派のボクにとっては
あまり縁のない、
と言うよりは

因縁

に近いものがあったり（笑）

古い商店街の長屋で育ったんですが、
家の裏にはそれこそ野良ネコだらけ（笑）

『…。』

細い路地に入ると
向こうからやって来る一匹のネコ。
逃げる様子もなく道を譲るつもりもない。

犬派のこっちだって
ネコに道を譲ってなるものか、と
しばしの睨み合いが続く…

なんて事は日常茶飯事。

ある日など
太々しいネコに遭遇。

はなから下がるつもりなどなく
お前がどけ！とばかりに距離を詰めて来る。

そちらがその気なら
こっちだって道を譲るつもりなど毛頭ない。

相手が詰めればこちらは間合いを外す。
こちらが詰めればヤツも距離を取る。
お互い相手の間合いをはかりながらの
一進一退の攻防が続く。

一歩も譲らぬ長い睨み合いの末
剛を煮やしたのか
その膠着状態を破ったのはネコの方だった！

覚悟を決めたのか目の色が変わる

さぁ！どう来る！

こちらもその殺気を
感じ取ったその瞬間！

ヤツは動いた！

直線に来るかと思いきや
ヤツはなんと
狭い路地の壁を利用して

まずは右の壁にジャンプ！

右かっ！！！

予測が外され一瞬身構えるのが遅れたが
即座に右のガードを上げる！

フッ…

意表を突いてはきたが
焦りのあまり距離を見誤ったか！

その位置で壁を蹴ったとて
ここまでは届かぬぞ！

所詮はネコよ…
人間様に歯向かうなど１０年早い！
そんな攻撃など当たらぬわぁ！

見切ったーーー！

互いのオーラがぶつかり合う！

ぐわぁーーーっ！！！（効果音）

ネコ風情がぁ！甘いわあー！！！

ネコの攻撃を見切ったと思ったその時！

右の壁を蹴ったかと思うと
その攻撃の的はこちらかと思いきや、
そのままヤツは逆の左の壁に飛び移る！！！

な、なにぃいいいい！！！！！

そう！
右への移動はフェイントで
ネコ野郎はすぐさま左の壁へ！

ここで距離感ジャストミート！

完全に虚をつかれ
我を見失ってしまう！

防御の体勢も取れぬまま
それでも体は本能的に危険を察知する！

と！その時！

左の壁を蹴ったネコは
その反動でそのまま

ボクの脳天を蹴り

右側の塀の上に…

そして太々しさを取り戻し
何事も無かったかのような
平然とした後ろ姿を見せ

立ち去って行く。

や、野郎…、

その声にならない声は
ただの負け犬の遠吠えとなる。

路地裏の闘いは

ねゃんこ先生奥義

『キャット空中三段蹴り』

により
その幕を閉じたのだった…。




『…』

的な。

それが因縁の始まりでした…

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