信号待ち

先日の買い出し帰りの出来事…。

車を持たない自分とって
買い出しはいつも自転車です。

両ハンドルに荷物を
いっぱい引っ掛けての帰り道、

の
信号待ち…。

どこからともなく、

なんて、
生易しいものではない程の
おそらく子供、の歌声が
後方から聞こえて来ました。

振り返ると思った通り
小学三年生くらい？
の男の子が、自分と同じく
自転車で信号待ちをしている。

そして

一点の曇りも無い
純粋無垢な
ピュアを絵に描いたような

『ド熱唱』

をしているではないか！

完全に入り込んでる…！

陶酔しきったその表情には
ここが公共道路だ、なんて遠慮は

そもそも無い！

彼にとって地球そのものが
ひとつのステージなんだ！

そう思わせてくれる程の熱唱！

誰かに聴かせてやる！

そんな承認欲求なんて微塵も感じさせない！


とにかく

『自分』

から放たられる抑えきれない
溢れるソウルを
全身全霊で曝け出しているんだ！

歌っているのはきっと
鬼滅系の何かっぽい曲（笑）

何となく聴いたことはあるけど
何の曲かはわからない、
でも、そんな事すらどうだっていい！

もうそれは

『彼の自身世界』

なのだ！

一瞬で惹き込まれてしまっている
自分に気付く…。

やつの熱唱は続く！

サビに向かう彼はまるで
今まさに滑走路から飛び立つ
ジェットエンジンの如く
どんどんそのテンションを加速して行く！

そのあまりの存在感に
めちゃくちゃ、めちゃくちゃ！
良い！意味で！


笑いが込み上げて来る！

でも、

ここでどれだけ良い意味で笑ったのだとしても
まるで彼を

『小馬鹿』

にしての笑い、
と、周りには映ってしまうかもしれないし、
それよりも何よりも
彼の可能性を、彼自身が

否定された

なんて取られようものなら
やつの将来の可能性を
途絶えさせてしまうかもしれない！

『…。』

まぁ、多分そんな事なんて
全く気にも留めてないだろうけど（笑）

それでも万が一、
があってはいけない！

グッと笑いを堪えて



いたのに…、

『…。』



彼が最高潮に達したサビの


死角から飛んで来る本域の

『ファルセット』

に、
カウンターを合わせられ

ノックアウト

な、なんて破壊力なんだ💦
我慢していた笑いが込み上げる

が

そこで、信号が青になり
その場を回避！

危なかった…、

なんとかかんとか彼の将来、
そして世界が待ち望む
未来のスターを、潰さずに済んだ…。

もっと聴きたい気持ちもありつつ
後ろ髪を引かれる気持ちを抑えて
店に向かう。

そしてまた信号待ちで
立ち止まっていた別方向の死角から

やつがまた現れた！

爆走する自転車！
そして軽く空を見上げて
首を左右にゆすり

さっきよりも更に入り込んでやがる！

そしてやつは
あっという間に横切り立ち去って行った

が

さっきとは違う…

歌が…

無い…

な、何だ？！
新しいパターンか？！

こちら方向の信号が青になる。

そうして進みだし
過ぎ去ったやつを目で追ったその時

歌い出した…

『…。』

『間奏』

な👍

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