カストリメディアとしてのインターネット
頭が混乱していたり、悶々としている時、どうしてもネットに逃げるようになってしまった。
逃げること自体は悪いことだとは思わないんだけれど、逃げるかわりにそこに没入し過ぎてしまうのは、考えものだと時々思います。
ゆっくりまとめ動画の効能
この数ヶ月のアレコレで、頭の中が色々とゴチャゴチャしているのですが、そういう時に考えるのを放棄して、イヤホンで耳を塞いで、タブレットなんかで毒にも薬にもならない、もっというも大して内容のない動画なんかを観つつ寝てしまうことが多いんですが、そうでもしないと悶々と考え続けてしまうんですよねぇ。
で、そういう「毒にも薬にもならない」内容の動画って、大体はいわゆる「ゆっくりまとめ」系の動画で、あのゆっくりボイスで2ちゃんねるなんかに投稿された修羅場のまとめだったり、実際に投稿されたがどうかも怪しいまとめ風の出来すぎなストーリーだったり、知らなくても何にも影響しない超絶ニッチな雑学だったり……。
そんな内容の動画です。
で、でね、ふと、「昔のおっさんも、こういうモノで現実逃避してたのかな」とか思って、そういえば「カストリ雑誌」なんてのもあったなーって思い出したりしました。
カストリ雑誌とは
一応、Wikipediaのリンクを貼りましたが、ざっくりいうとエロやグロよ方面に偏った大衆向け娯楽雑誌で、今でいうと……、実話系とか風俗系の雑誌とかなんですかねぇ。エロっぽい方面の雑誌やオカルト系の雑誌とかも、含まれるのかもしれません。
YouTubeもインターネットもない1990年代にはいろんな雑誌がありまして、その頃に読んだ「GON(今でいう「実話ナックルズ」なのかな?)」なんかが僕のイメージとしてはぴったり一致なんですが、他にも「誰が読むんやこんなヤバい雑誌をっ!!」って思うようなのが何冊かあった気がします。
当時は出版業界は華やかで、書店には様々な本が溢れてて、中でも雑誌と大判の本の中間のムックもたくさん出ていましたね。
そんなムックの中にも、内容のヤバいものが多くて、そういうのを結構購入して、酒を呑みながら読み漁っていましたが、内容はほぼ忘れてしまいました……。
動画というメディアの特徴
で、再び現在ですが、出版業界は徐々に衰退して、賑やかだったコンビニの書籍販売コーナーも寂しくなって、PTAやフェミニストなんかの批判を恐れてか、エロい方面の本も、本当に少なくなりました。
かつての「これ全部見るのにどんだけ時間かかるのか!あ、1000分かw」みたいな超絶ボリュームのDVD付きエロ雑誌なんかがコンビニにも売られてて、これええんか?みたいに思ってたんですけど、やっぱりニーズはあっても世間体的にはアウトだったってことなんでしょうね。
時代が進むにつれて、エロがどんどん身近に、衆目にさらされるものになっていって、今ではインターネットでいつでも好きに観ることができ、場所さえ見つけりゃ無料で延々と観られます。
動画の特徴であり、悪いところは、音声が付いていることなんでしょう。
音声のないエロ動画なんて、単に動いている絵ですから、臨場感もあったもんじゃないですから、淫らな内容であっても本当に興醒めしてしまうでしょう。
逆に画がなくても、音があればイマジネーションを膨らませてしまって、逆に悶々としてしまうでしょう。
昔は音声だけのエロメディアも通販で売ってましたからね(カセットで)。
で、元の話に戻るんですけど、「大した内容の動画」をひたすら視聴してるのは、耳を塞ぐことで情報遮断することで、余計なことを考えなくても済むようにするためなので、特に画面観てなくてもいいんですよね。
まあ、画面の方も「いれすとや」の素材使い回しで内容はないですからね。
当時のカストリ雑誌も、刺激的な内容でインパクトを与えて、現実的な悩みをかき消す程度の機能があったんでしょう。
今は、そうしたものの助けを得て、なんとかかんとか乗り切ろうと思います……。