点棒硬貨の衝撃
この二つの記事の続きみたいな話なんですけど、多分これで終わりなので、お付き合いくだされば幸いです。
「『ナーロッパ』な作品ってどれもこれも同じになっちゃったね」という、既に何万人の人が感じているであろう感想を今更ながらに実感し、「やっぱり世界観を掘り下げたり人物を掘り下げたりして、物語の独自性を強くしないと差別化できないよねぇ」みたいなことをしたり顔で語ろうときたわけなんですが、これを一番強く感じたのは「王立宇宙軍 オネアミスの翼」を観た時に受けた衝撃だったりします。
今から考えたら、あの作品は単にアニメという枠だけではなくて、物語の世界観としてもとても独自性が強くて、元々が僕らが生きている世界をモチーフにしている物であったとしても、そのオリジナリティが全く別の何かに感じさせてしまうような気がするのです。
恐らくモチーフになった何かは存在するのでしょうが、食べ物や飲み物の容器から、バイクや飛行機の形まで、さまざまなものがこの世界と違っているのは本当に興味深くて、考えている側はとても盛り上がった(少なくとも楽しいのレベルは超えていると気がする)んだと思います。
ふと「映像研には手を出すな」の浅草氏はまさにそんな視点で物語を作ることがすきそうだから、あの作品を観たらすごく楽しかっただろうな……、と、思わず横道に外れてしまうんですけど、そんなことも思ったりしてね。
で、僕があの作品の中で一番衝撃を受けたのは、硬貨の形状でした。
シロツグが電車に乗るために券売機で乗車券を購入するシーンが劇中で二度ほどあるんですが、硬貨の形が麻雀の点棒のような形をしていたんです。
シロツグはそれを手慣れた手つきで券売機に入れて、操作法が想像つかない券売機を器用に操作して、独特な形状の乗車券を買うわけなんですけど、そのシーンを観て僕は「こんなことまで考えてるのかぁ」とメチャメチャ感動したんですよ。
※なお、リイクニの靴の中からあの硬貨が出てきたシーンは、当時は何故靴から出てきたのか理解できなかったんですけど、後々から「そういう意味なのかなぁ?」と更にびっくりしたりしてね。
とまあ、おっさんのしょーもない昔話が長くなりそうなのでこの辺で終わろうと思いますが、同じような世界観で独自性をもたせようとするなら、やはり様々ものに目を向けて独自性を考えていく必要があるんだろうな、なんてことを思ったりしたんですよね。
「無職転生(僕はアニメしか観てないのでアレなんですが)」はその点、異世界の雰囲気を盛り上げるために様々な工夫をしている気がするんですよねぇ。
それが、元々の物語にうまく作用している気がしたわけで。
僕が何かを作ることは、まあないだろうけど、その際は何かの参考にしたいと。
いいなと思ったら応援しよう!
![ただのいそじ](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/165774977/profile_daaa2aa31e7e768bc59f321673ce58ff.png?width=600&crop=1:1,smart)