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子どもの話を聞く質問とは?5W1Hの威嚇効果に気づいていますか?

赤羽雄二さん『自己満足でない徹底的に聞く技術』で書かれているアクティブリスニングを実践中の畑中です。

子どもへの質問

子どもの話を聞くために、質問をすることってありますよね?

例えば、
・学校から帰宅したときに「今日、学校どうだった?」
・「給食、食べられた?」
・「宿題は、何時にはじめるの?」

子どもからの返事を聞いていれば、子どもの話を聞いているように思えます。

でもここに、「聞いている風」の落とし穴があることに、あなたは気づいていますか?

アクティブリスニングの第1ステップは、徹底的に、真剣に聞いて、信頼される(余計なことを考えない)です。

アクティブリスニングは、「相手が話したいことを聞く」のが土台です。

先の質問は「あなたが知りたいことを聞く」ものです。会話のはじめから、子どもが話すことを限定しているのです。

さらに厄介なのは、「学校がつまらなかったから、明日は休みたい」「給食、嫌いなものばかりだった」「宿題、やりたくないな~」と、子どもが本当の気持ちや考えを言ったときの、あなたの反応です。

「つまらないからって、学校は休まない方がいいよ」「何でも食べたら大きくなるよ」「やりたくないのはわかるけど、やらなくちゃいけないんだから、さっさとやっちゃいなさい」なんて、会話が続くようなら、ノーアクティブリスニングへまっしぐらです。

気をつけていないと、子どもに質問をしておきながら、自分の期待する返事がないと、子どものために良かれと思って、自分の言いたいことを子どもに話し出してしまいます。子どもをコントロールし、子どもの話したいことは何も聞かないループに陥っていきます。

子どもは自分の考えや気持ちを話すと、親から指示・命令されたり文句を言われたり、心配されたりする経験を積み重ねると、子どもが親に適応していきます。

親に心配をかけないためだったり、面倒なことになりたくないので、「楽しかったよ」とか「宿題、少し休んだらやろうかな」とか、親の期待に応えて一見「いい子」になる子もいるでしょう。

「うるさいなー」と言って、自分のことを親に話さなくなる子もいるでしょう。

子どもの話を「聞いている風の質問」は、子どもの話を聞かない、子どもに話させないきっかけになったりするのです。

5W1Hの威嚇効果


『息子のトリセツ』(著:黒川伊保子)に、「8歳の子を持つ女性の、息子とうまく対話ができない」という相談が紹介されています。

 「学校どう?」のような5W1H型の質問は、要注意なのだ。
 5W1Hとは、Who(だれ)、When(いつ)、Where(どこで)、What(なにを)、Why(なぜ)、how(どのように、どう)で始まる質問のこと。
 「何しているの?」「学校、どう?」「どこ行くの?」「これ、いつ買ったの?」「なんで、ここに置くの?」……これらは、家族の気持ちをとがらせる合図、ボクシングのゴングのようなものである。
 というのも、5W1Hは、スペック確認の質問。ゴールを目指し、結論を急ぐ、ゴール指向問題解決型の王道を行く話法だ。脳は緊張し、心は一切通わない。
 もちろん、スペックを確認したくて尋ねているのならしかたないが、心の通う対話がしなくてこの話法を使ったのなら、まったくの逆効果である。
(中略)
 こんなとき、「どうして?やらないの(できないの)?」の代わりに、「大丈夫?どうしたの?」と尋ねるのだ。
 「どうして、宿題しないの?」は、息子の怠惰を責めているが、「大丈夫?どうしたの?」は外部要因を疑っている。何とか工夫できないか、ともに善後策を測ろうとする優しさを伴っている。
 「どうして、宿題しないの?」に、「忘れちゃうんだよ」と返されたら腹が立つが、「大丈夫?どうしちゃったの?」に「忘れちゃんだよ」と返されたら、「忘れないようにするには、どうしたらいいだろうね」と建設的な対話に持ち込める。

『息子のトリセツ』 P.193-194

親子の会話が、問題解決指向型になる理由も、言及されています。

 女性には本来、共感型回路を優先して、心の対話を展開しようとする本能が備わっている。なのに、今の日本の家庭では、家庭の対話が問題解決型に偏っているのである。
 理由は、日本の子育てが、「ゴール設定」に満ちているからだ。ごはんをさっさと食べさせて、宿題をやらせて、風呂に入れて、翌朝、無事に送り出す……という短期目標。試験に合格させるという中期目標。立派なおとなにするという長期目標。いくつもの目標が、私たち母親の前に立ちはだかる。  
 かくして、「宿題やったの?」「学校どう?」「どうして、プリント出さないの!」という、問題解決型の対話だけで、日々が過ぎ去り、いつの間にか息子は大きくなって、家を出てしまう。
 これ、実は大問題なのだ。おとなになった息子と、楽しい会話ができない。息子の家庭もまた、問題解決型に偏ってしまう。

『息子のトリセツ』 P.195

アクティブリスニングで負のループを断ち切れる

「問題解決型」は、家庭においては負の側面もあるようです。まさに、宿題やらせて、風呂に入れて、翌日、無事に送り出す……。

アクティブリスニングを知る前の私は、こうしないと生活が回わないと思い込み、親が主導でガンガン家庭を回していました。良かれと思って、威嚇効果のある質問もしてました。

でも、アクティブリスニングを知り、実践していく中で、親が指示・命令しなくても、何をしたらいいかは子どもはわかっていることに気づきました。

この気づきによって、小5長男への「早く寝なさい」「宿題やっちゃいなさい」という指示・命令や、習いごとに行くかなどの余計な一言を言わずにすむことが増えて、私の子育ては、格段に楽になりました。

指示・命令、余計な一言の代わりに、ポジティブフィードバックを届けたいです。日々、子どもが耳にするわずかな言葉の違いが、親子の関係の明暗につながります。

アクティブリスングで子どもの話を聞くことは、子どもの体の6~7割を占める水分を新鮮なものにし、心身ともに健やかな成長を促す効果があるような感覚があります。

アクティブリスニングで、『子がすくすく育つ、毎日20分のクオリティタイム』(VoicyInstagram)をするためには、共働きの家庭の共通の「時間がない」も大きな課題です。

この課題を解決するために、『速さは全てを解決する---『ゼロ秒思考』の仕事術』(著:赤羽雄二)で紹介されているやり方を1つ1つ取り入れ、残業ゼロを目指しています。壁はありますが、大切なものを大切にするために、何としても身につけたい技術です。

自分を整えて、子どもの話を評価せずありのままを聞けるようになって、どんどん自分も楽になっていきたいです。

苦しくつらい子育てから抜け出し、家庭を安全基地にしたい方へ、情報を更新しています。

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