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なぜ「質問」は、「質問じゃない」ことが多いのか?

赤羽雄二さん『自己満足でない「徹底的に聞く」技術』で書かれている
アクティブリスニングを実践中の畑中です。

アクティブリスニングの実践から得た気づきや疑問を共有し、お読みくださっているあなたが、自分の大切な人たちに、アクティブリスニングができるようになるために、情報配信しています。


前回のブログへのフィードバック

前回のブログ:「アクティブリスニング活用例:妻の「晩ごはん、何がいい?」に、どう答える?」

このブログでは、読者から寄せられた相談に対するアクティブリスニングの実践例を紹介しました。

  • 妻に「晩ごはん、何がいい?」と聞かれた際の対応

  • 自分が食べたいメニューを答えても、NGが出た場合の対処法

    このブログを読んでくださった赤羽雄二さんから、興味深いフィードバックをいただきました。

ぜひもう一つブログを書いてください。「なぜ女性は、質問ではないのに質問の形式を取るのか」です。男性の100%がこれに引っかかり、地雷を踏んでいて、かつ理不尽だと思っていますので、明快に解き明かしていただけると非常に嬉しいです。

今回は、これを考えてみたいと思います。

ドラマ『GOLD』に見る女性の質問の意図

2010年に放送された天海祐希主演のドラマ『GOLD』。
このドラマの脚本は野島伸司さんで、テーマは独自の教育論や家族愛。
全11話で展開されます。そのドラマにこんなワンシーンがあります。

母親(天海祐希)が、「自分が経営している会社の社員を解雇するか」を息子(松坂桃李)に相談すると、息子からこんな返答が返ってきます。

「お母さんの考えるようにするのがいいと思う」

ドラマ『GOLD』

続けて、

お母さんは女性が買いものをして、「どちらの服がいいか?」と問われたら、「どちらも似合う」と答え、「あなたはどちらがいいと思うのか?」と聞き返し、「私は、こっちの方がいいと思う」といった方に、「僕もそう思うよ」といってあげるのが正解と教えてくれた。

ドラマ『GOLD』

なるほど。こうやって、話を聞けばいいのかと気づかされます。

男性と女性では、質問に対する反応が違うのです。
男性は、質問を受けると、すぐ「正解」だと思う答えを返そうとします。でも、女性が、質問をするときは、単に答えを求めているわけではないのです。女性は、相手の「正解」を聞くために質問をしているのではなく、悩んでいること、困っていることを共有しながら、相手からの関与や承認を求めて質問をしているんです。

だから質問に対して、ぱっと端的な答えだけが返ってくると、自分への無関心さを感じたり、もう少し関わってくれればいいのにといった不満を抱くのです。

女性が質問する際の真意

  • 単なる答えを求めているわけではない

  • 悩みや困りごとの共有を望んでいる

  • 相手からの関与や承認を求めている

アクティブリスニングをすると、この真意にたどりつけます。

女性が関与や承認を求めて質問する理由

女性が質問を通じて関与や承認を求める理由には、歴史的な背景や脳の特性が関わっています。女性たちは長い間、周りとの強い絆を築きながら生活してきました。たとえば、男性が狩りに出ている間、女性たちは集まって子どもたちの面倒を見たり、家事をしたりしていました。こうやって、みんなで協力することで、安全に暮らすための基盤を作ってきたんですね。周囲との良好な関係を築くためには、共感を得ることが大切だったのかもしれません。

さらに女性の脳には細かいことに気づきやすく、人の気持ちを察する能力が高いという特徴があります。研究によると、女性は細部に注意を払うのが得意で、感情を理解する力にも優れているそうです。これによって、母親は言葉を話せない赤ちゃんが泣いているとき、その理由をなんとなく察することができます。たとえば、赤ちゃんが空腹で泣いているのか、オムツを替えてほしいのか、ただ抱っこしてほしいのか、体調が悪いのかなど、いろんな要求を理解できるわけです。

こうした背景から、女性は「言わなくても察してほしい」と思うことが多く、他の人とのコミュニケーションで感情を共有したいという気持ちが強いんです。誰かに話を聞いてもらったり、気持ちを共有したりするのは、女性にとってはとても自然なことなのです。

一方で、男性は問題解決を重視する傾向があり、具体的な解決策を提案しようとするあまり、質問している女性の気持ちや意図をあまり考えないことがあります

この男女のコミュニケーションスタイルの違いを理解することで、相手が何を求めているのかを把握しやすくなります。そうすることで、すれ違いを減らし、より自然にアクティブリスニングを実践でき、深い理解とスムーズなコミュニケーションができるようになります。

女性だけではなく、誰でも、関与や承認を求めて質問する

ここまで女性の傾向について話をしてきましたが、実際には人それぞれ違いがあります。たとえば、女性でも、立場がかわり、子どもの話を聞く側になると、問題解決型のコミュニケーションをとることが多くなります。

よくある子どもからの質問を考えてみましょう。

  • 「習い事、休んでもいい?」

  • 「部活、野球部と卓球部、どっちに入ろうかなぁ?」

  • 「夏休みの自由研究、何やったらいいかなぁ?」

  • 「このおやつ、食べていい?」

こんな質問を受けたとき、すぐに「Yes」や「No」と答えたり、あなたが思う「正解」を即座に言ったりしていませんか?
実は、子どもたちは単に親の判断を聞きたいわけではありません。

日常のこうした「質問」に対して、まずはアクティブリスニングを試してみましょう。相手の話をじっくり聞き、気持ちを理解しようとすることで、質問の背景にある本当の思いが見えてくるかもしれません。

大切なのは、アクティブリスニングが性別や年齢に関係なく、すべての人間関係を良くする可能性があるということです。誰でも、関心を持って聞いてもらい、自分の気持ちを認めてもらうことで元気になれます

日々の何気ない会話の中でアクティブリスニングを実践することで、相手との理解を深め、より強い絆を築くことができるのです。
小さな質問一つから、大切な人との関係をより豊かにする機会が生まれるかもしれません。

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