親が変われば子も変わる 子どもが話さないのは、なぜ?「説教」の意味
赤羽雄二さん『自己満足でない徹底的に聞く技術』で書かれている
アクティブリスニングを実践中の畑中です。
最近、我が子たちは「SEKAI NO OWARI」の歌詞をくちずさんでいます。
「説教するってぶっちゃけ快楽」
韻を踏みながら、独特なメロディーにのせた若者の音楽を聞きながら、子どもたちに説教して、自分が快楽にひたらないように、自分のご機嫌は自分でとっている今日このごろです。
今回は、「説教」から考えたことを書いてみます。
親子のクオリティタイムのルーム
Clubhouseで毎朝 5:30~5:50
『親子のクオリティタイム』
を開催中です。
このルームで、先日、小6長男、小3長女のママさんが、こんなお話をしてくれました。
そのママさんは、すっかり、そのことを忘れていたそうです。
アクティブリスニングしながら、謝り、「またそんなひどいことをしたら教えてね」と伝えると、
「今は、アクティブリスニングを知っているから、大丈夫だよ」
と言われたんだそうです。
子どもは、親が評価もアドバイスもせずに、ただ聞いてくれることがわかれば、安心して色々なことを話し出すのです。
アクティブリスニングを実践していなければ、
子どもが、この話をすることはなかったかもしれません。
仮に、話をしてくれたとしても、
「そんなことあった?鍵をなげたらダメでしょ。わからせるために、お母さんは、怒ったんだよ」とか、
「そんな昔のこと、何を今さら言っているの」と言って、終わっていたかもしれません。
子どもは、いけないことをしたから怒られたことも、昔の話をしていることも、親に言われなくてもわかっています。
言われないでもわかっていることを言われると、気分がよくないので、話す気を失います。
子どもは、話したいことではなく、親に話をしても「説教」されない話題を選ぶようになります。
これは、子どもが話をしているようみえて、心がつながっていない状態をまねく第一歩です。これは、洋服のボタンをとめて洋服を着ているようにみえて、第一ボタンをかけちがえて、きちんと着れていないようなものです。
子どもは、親に言われなくても、多くのことを理解しています。わかっているだけでなく、小3の長女は、親の言ったこと、やったことに対して、
「今は、アクティブリスニングを知っているから、大丈夫だよ」
と、こんなにも優しい言葉をかけるのです。
わかっていて、優しい言葉をかけることができる。
だけど、
心に残った嫌な記憶としてふとよみがえること、それをされて悲しかったこと、怖かったこと、そんな怒られ方をして自分はいけない子って思ったこと、ただふざけて遊んでいただけだったんだよ、、、など、何か伝えたいことがあって、それをわかって欲しいから話をしているのです。
その話から子どもが何を伝えたかったのかは、話を徹底的にアクティブリスニングしないとわかりません。
親の「説教」で、せっかく開いた貝の蓋を刺激して、閉じないように気を付けたいですね。
アクティブリスニングで、
子どもの感じていること、思っていたこと、考えたことを否定も、肯定もせずにそのまま聞くだけで、子どもとの信頼関係を結び直すことができます。それだけで、子どもは元気になっていきます。
とはいっても、
子どもには、ちゃんと反省させないといけない、
子どもには、ちゃんと教えなきゃいけない、
子どものためを思って、何か言ってあげたい。
そんな風に少しでも思われた方は、こちらのブログも参考してください。
誕生日ケーキの作り手
その話をしてくれた日は、小3長女の9歳の誕生日。
でも、そのママさんは、どうにも体調がすぐれず誕生日ケーキを作る意欲が湧かなかったそうです。
そんな様子を見て、なんと、3歳上のお兄ちゃんが、妹のためにシフォンケーキを手作りしてくれたそうなのです。
もちろん、そのママさんに頼まれたからではありません。
自ら進んで、勝手にです。
実は、このママさん。
手作りパンやお菓子作りが趣味で、息を吸うように、やっているんです。
「親の言ったようにはやらないけど、親のやったようにやる」
とよく言われますが、まさにそれですね。
シフォンケーキって、卵白をよ~く泡立てないとこんなにきれいに膨らまないんですよね。きっと、何かのふとした親子の会話で、もしくは、ママさんと一緒に台所でお菓子作りをしたときに、自然とやり方を覚えていたのかもしれません。
そんなことを考えていると、昨年末に見に行った、虐待をテーマにした舞台「ひとくず」の一場面を思い出しました。
親に虐待を受けながら大人になった主人公のセリフです。
「親に誕生日を祝ってもらったことがないから、子どもにどうやって祝ってやったらいいかがわからない」
家庭に、空気のようにあたり前にあるものが、子どもに良くも悪くも、いかに影響を与えるかを考えさせられました。
親が変われば子も変わる
以前、受講した「インストラクター研修」で
「人は自分が扱われたように、人を扱う」
と習ったことがあります。
そう考えると、
親に自分の話をきちんと聞いてもらえた体験を積み重ねた子は、
自分の周りにいる人たちの話をきちんと聞ける人になります。
自分の考えや気持ちを大切にしてもらえれば、
自分の周りにいる人の考えや気持ちも大切にできる人になります。
これが自然とできれば、人間関係のトラブルの多くは未然防止できますし、
問題が起こっても解決できますよね。
世の中の悩みの8割以上が人間関係が原因だとも言われます。
人間関係の悩みの根源ともいえる、
愛着障害からくる自己肯定感の低さ、自信のなさ。
この根源を家庭で断ち切り、
子どもを健やかに自然に育てることができれば、
子どもにとって、それが、生きていく上で最強の力になると思うのです。
そんな子どもたちが活躍する社会は、モラハラ、パワハラも無縁ですよね。
そんな最強の力を子どもにインストールするために、
まずは、自分が子どもの話を徹底的にアクティブリスニングして、家庭を安全基地にしておきたいです。
大きな社会変革は起こせなくても、半径5メートルの大切な人たちにアクティブリスニングをすることで、世の中の好循環が生み出せます。
苦しくつらい子育てから抜け出し、家庭を安全基地にしたい方へ、情報を更新しています。
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