論文作成時のコピペ注意点
論文作成時に最初から最後まで一切コピペをしないという人は、昨今あまりいないような気がしますが、コピペ丸分かりのドラフトを出されると結構萎えます。正直、GPTを使って書いてもらったものを、最後にまとめてそのままコピペした方が綺麗で読みやすかったりします。
こういう原稿が続けて2本来たので思わず書いています。
まず、自分の文章であっても過去に発表された論文の文章を丸々用いるのは自己剽窃といって、問題になります。この自己剽窃の問題は調べるほど難しいなと思うのですが、過去に論文で発表されている場合は著作権の侵害や独創性の観点から問題になりえます。
大学や研究機関が用いるiThenticateなどでのチェックは結構正確に見抜けます。「あ、確かにこの表現使いまわしてるかも」ってところにはちゃんとチェック入るので。
ちなみに決まり文句や、方法の部分における類似性(データベースの説明部分など)は丸ごとコピペでなければ問題にされないことが多いです。が、コピペした結果、今回の研究とは関係ない部分まで残っていることしばし。
提出前に確認すべき原稿
ちょっと過去のレスポンスレターの原稿から持ってきて、一部参考用に改変しました。これを見た瞬間「ああ…」ってなるのですが分かりますでしょうか。よくあるミス?エラー?を多分に含めたナイス文章です(一部コピペ以外も含みますが)。
コピペ丸分かりだし、これをヨシとして提出してくる感覚にも物申したい。GPT全盛期の今でも普通にあります。もはや最終文章をGPTに入れるだけで解決するのに。
何が問題かというと、これを送ってくる人の論文の質が高かったことがまずないという点です。そして疑いの目でTableやFigureを見るとおかしな数字が平気で混ざってたりする。見た目におかしい文章を出す時点で、研究内容を信用できるわけがありません。
あと、誰が言ってたか忘れましたが、そこまでスムーズに読んでた文章の中に突然「おっ?」みたいな感じで急に違和感が出るんですよね。
1. 段落と行間
まず一目で目立つ行間のずれ。これはGoogle Docからダウンロード・コピペしてWORDに貼り付けた時に起こりやすいです。あとはExcelからの貼り付けとか。大体のことは貼り付け時に「テキストのみ保持」を選べば避けられると思うのですが。それか書式のクリア。
英語のWORDに日本語のWORDで作った文章をコピペして、「両方とも行間2.0に揃えたんですけど…なんでですかね?」って言ってくる人がいますが、コピペしたからです。
2. 違うフォントが入っている
これもよくあるんですが、見たら明らかに違います。基本的に普通に文章を書いていたら途中からフォントが変わるなんてことはないので、コピペの可能性大です。Ctrl+Aとかで全体を選んでTimes New Romanにする、というひと手間を入れればこの問題は解決します。
3. フォントサイズがバラバラ
これも一瞬で分かるのですが、「え、気づきませんでした」って言われることも。明らかに小さい。上記同様、Ctrl+Aとかで全体を選んで12Ptにする、というひと手間を入れればこの問題は解決します。
4. ピリオドアンドピリオド
括弧内の文章が独立して成立していればいいですが、普通は例示するだけなので、外側にだけつけるのが一般的でしょう。
5. 重複する半角スペース
WORDの機能で青線引いてくれていますから重複してる部分は消しましょう。読んでて分かります。コピペだったり、修正だったり。
6. 明確な誤字
これはコピペよりむしろ直書きだから生じる部分ですが、WORDの機能で赤線引いてくれていますから修正しましょう。
そろそろGPTが全部書いてくれることを信じてるので、こんな記事も不要になると思いますが。
EXCELからWORDへの貼り付け
これも、行の中央に揃っていないとか問題があるのですが、下記津野先生が記事にしてくださっているのでそちらを見てください。汚い表を貼らないこと。