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医者と不動産・税金・相続の話

最近はグラントと遺書を書いていました。

病んでるとかそういう話ではなくて、友人の弁護士と飲んで色々話をしていた際に、『40を過ぎたら毎年遺書を書くといい』と勧められた次第です。

遺書を書いてみると、自分のライフプランや両親のこと、子どものこと、資産のことなどを見直す良い機会になったと思います。

それもあって、先日のTXP勉強会と横浜HDSのオンライン勉強会(飲み会)では医者のライフプランや不動産・税金・相続の話を簡単にしました。普段は学術的な話をしているのですが、研修医や学生時代にこういうことを聞く機会はあまり無いと思うので、若い人にとっても良いかなと思った次第です。まあ、今の若い人の方が詳しかったりするかもなのですが…

若手向けのマネーリテラシーにおける大体の基本的なことはこの本に書いてあるので、自分は勉強してこなかったなと思う人は買って読むといいと思います(先月第2版が出ました)。

ちなみに、持つべき友人は弁護士と税理士です笑。


1. 医者のマネーリテラシー格差

医者といってもみんなバラバラで、働き方一つとっても、大学病院や三次病院で臨床中心に働いている、ある意味王道の働き方をしている人もいれば、早々に収入とQOLを求める人もいます。日々の収入で十分という人もいれば、親の有り余る資金力を武器にして資産を増やす人、医療法人と展開していく人もいます。ただ、この資産面の属性における世界線は、医者同士の間ではあまり交わらないように思います。

医者同士でお金の話はあまりしないので案外自分がどういう立ち位置にいるのか分かりにくいものですが、お金に興味がない人は全然ないです。マネーリテラシーという視点だと、インデックス投資していたら良い方かもしれません。僕も自信があるわけではないのですが、先日大学の同期と話をしていた時に、投資の話には全くついていけない人から積極的に運用して家を購入していた人まで様々でした。

開業・起業している人はもちろん、身近な勤務医の先生が実はすごいお金や土地・マンションを持っているケースもあるでしょう。

ちなみに、なぜ勤務医にマネリテがないかは下記のnoteに同意です。

少なくとも現状、医者は収入に比較的余裕があるので、生活できていれば別に良いと思う派ですが、今後どうなるかを考えた時に武器を増やしておくのは悪くないし、知識は武器なので若い人に興味を持って欲しいなとは思っています。

もう少し突っ込んだ話をすると、医者であっても労働者的立ち位置と資本家的立ち位置の間には結構な壁があります。お金に困りたくないのであれば、そういうところも見据える必要があるかもしれません。

2. 不動産の知識

マネーリテラシーに含まれるのですが、自分たちがいつも住んでいるところ、不動産に関してもその知識と運用は二極化していると思います。特にこの5年間で医者の収入・与信を生かして都心のタワーマンションなどを買えた方は含み益があるでしょうし、数千万〜儲けた方もそれなりにいるのではないかと思います。

ちなみにこの記事を書いていて、友人がパークコート文京小石川ザ・タワーの一期一次に当たった事を散々自慢されたのを思い出しました。

『先生は今は賃貸?僕はパークコート文京小石川の一期に当たっててさあ〜。すごいマンションなんだよ、文京区ナンバーワン。共用部とかも凄いし、住んでるだけで含み益が増えていくしさあ〜〜』

実話です。
(仲良いです、念の為)

また、沖縄にいた先生が不動産投資をしていて、かつ東京の不動産にも詳しくて驚きました。

今後市況がどうなるかは分かりませんが、少子高齢化では都心とその周辺に人口が集中&建築費の高騰で家を買うのが大変?になり、地方では土地が余るという構造になりそうです。地方都市の空いた土地には海外からの方が増えるのでしょうか。

余談ですが、政治の世界に詳しい?とある人に聞いた話だと、不動産関係(政治や歴史含む)で最も力を持っているのは竹●工務店だとか。圧倒的らしいですね。

勉強会では路線価の使い方を説明しました。自分が住んでいるところの価値も知ることができますし、自分が相続税を払う必要があるかどうかの目安にもなります(ちなみに医療法人は事業報告書が公開されていますから資産を知ることができます)。

3. 持ち家と賃貸

これは僕にはもうよく分からないというか人によるので『色々なYouTubeでも見て自分で考えて』と丸投げしました笑。

その時の必要性や家族構成、収入、ライフスタイルなど様々な要因があるので好きにしたらいいんじゃないでしょうか。個人的には買いたい時が買い時、あと買うなら早い方がいいような気はします。ただ、資産的な側面(いわゆる出口)はちゃんと考えましょう。戸建てだと土地が残るからいいとかそういう単純な話ではなく、下手をすると相続時に子どもが大変なことになります。

また、一般的に言われているのは手取りの1/3までが適正家賃であること、ローンは7-8倍が無理なく組めることなどを踏まえ、医者の一馬力の収入だと実際にどの程度の家に住めて、またどのような家を買えるのかなどを実例を挙げて説明してみました。重要な与信と金利についても触れましたが、この辺は自分に取引経験がないと中々ピンときにくいかもしれません。。

4. ライフイベント

医者のライフイベントもこれまた様々ですが、医者の場合は勤務地を含めて、基本的には自分である程度決めれることの方が多いと思います。もちろん大学病院に属した結果、関連病院の配属になって通うのが大変などはあると思いますが、全国転勤や海外駐在みたいな話はまずありません。

自分の意思以外の要因が大きいのが、子どもに関することと、親に関すること、そして自分の健康状態かなと思います。

特に子どもが生まれる前と後では住まいの持ち方・探し方が全く異なるので、その辺は重点的に話をしました。子どもが生まれるまでは学区とか治安とかの重要性が実感しにくいんですよね。

そして全ては健康あってこそ。

5. 相続

可能であれば、事前にちゃんと話をしておきたいのが相続の話。親に資産の話をしたらとんでもないことになるかも、という方はこの話はスルーしてください。責任は持てませんので。

案外親の資産なんて知らなかったりするし、下手に資産があると親が突然死んで困るのは自分です。特に売れない田舎の広大な土地だったり、兄弟姉妹がいて都心の土地一個にマンションが立ってるとかは地獄を見る可能性があると友人の弁護士に聞きました。『仲の良かった兄弟であっても揉めるのをどれだけ見てきたことか…』とため息混じりに話をしてくれました。

相続税は基礎控除3000万円+法定相続人の人数*600万円があるので、資産がそれを越えなければ基本的には大丈夫です。

大事なのは10ヶ月以内に現金で収める必要があるということ。極端な話、都心に父親所有の10億円の評価の土地建物があり、母親が亡くなっていて、相続が自分一人の場合、4億円程度を現金で用意して収めないといけないということになります。10ヶ月で4億円を準備しろと言われても、カイジですか?って感じですよね(ザワ…ザワザワ…)。

相続税なんか全くわからん!という人は、下記の本はKindle Unlimitedで読めるのでどうでしょう?

6. 医者

最後に、医者は真摯に働くことが必要かつ、勉強し続けられる職業だと思っています。この前の休日にブラックジャックを読み直して(n回目)、また感銘を受けていました。

先月僕の好きな先生方と食事に行った際に「僕は仲間と臨床をしているのが好きだから、家族と日々の生活ができるお金があればそれで十分」って言っていたのがとても印象的でした。

お金の話をしだすとどうしてもそこに能力と時間が取られますし、投資・節税の方に注意が向いてしまいがちです。ひどい場合には投資・節税をしていない人を見下すようになるのですが、医者としてのアイデンティティや、自分の幸福が何か?という軸を大事にして欲しいなと思います。

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