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米国初の政府系ファンド創設構想 〜13兆ドルの世界を読み解く〜

この記事は5分程度で読むことができます。

主要ポイント

  • 世界の政府系ファンドの総資産は13兆ドル規模

  • 政府系ファンドには3つの基本タイプが存在

  • トランプ大統領が米国初の連邦政府系ファンド創設を提案

  • 成功のカギは政治からの独立性

  • TikTok買収への関与可能性も示唆


投資情報の最先端の学び舎:「本日は、世界経済の重要なトピック、政府系ファンドについて解説します。トランプ大統領が新たに提案した米国版政府系ファンドの構想から、世界の政府系ファンドの実態まで、分かりやすく解説していきましょう」

A君:「先生、ニュースで政府系ファンドって言葉をよく聞くんですけど、よく分からないんです」

先生:「ああ、そうだね。じゃあ、まず身近な例で説明してみよう。政府系ファンドは、国の貯金箱のようなものだと考えてみるといいんだ」

A君:「国の貯金箱ですか?」

先生:「そう。例えば、君が毎月のお小遣いを貯金箱に入れて、将来のために貯めておくでしょう? それと同じように、国も収入の一部を貯めて、投資したりするんだ。世界中で約13兆ドル、日本円で約2000兆円もの資産がこういった形で運用されているんだよ」

A君:「えっ!そんなにたくさんのお金があるんですか? でも、なんのために貯めているんですか?」

先生:「政府系ファンドには大きく分けて3つのタイプがあるんだ。スーパーマーケットに例えて説明してみようか」

A君:「はい、お願いします!」

先生:「1つ目は『現金起点型』。これは、お店が売上金を貯めて、将来の設備投資や緊急時に備えるようなものだね。ノルウェーの政府系ファンドがその代表例で、石油収入を貯めているんだ」

A君:「なるほど。じゃあ2つ目は?」

先生:「2つ目は『資産起点型』。これは、スーパーが持っている店舗や倉庫などの資産を一つの会社にまとめて、それを運用して増やしていくようなものだね。シンガポールのテマセクがその例だよ」

A君:「3つ目はどんなタイプなんですか?」

先生:「3つ目は『戦略投資型』。新しい店舗を出店する時に、外部から投資を募って一緒に事業を展開するようなイメージかな。インドネシアの投資庁がこのタイプだね」

A君:「へぇ、それで今回トランプ大統領が作ろうとしているのは、どのタイプなんですか?」

先生:「実は、まだはっきりとは決まっていないんだ。関税収入を使うと言っているから1つ目のタイプかもしれないし、TikTokの買収に使うかもしれないとも言っているから3つ目のタイプの可能性もある」

A君:「でも、うまくいくんでしょうか?」

先生:「そうだね。専門家たちは、政府系ファンドが成功するためには大切な条件があると言っているんだ。それは、政治家が運営に口を出さないことなんだよ」

A君:「それって、お小遣いの使い方を親が細かく指図してこないようなものですか?」

先生:「その通り! 素晴らしい例えだね。専門家的な判断で投資を決められる独立性が重要なんだ。オーストラリアやニュージーランドのファンドが成功しているのは、そういった独立性が保たれているからなんだよ」

A君:「でも、リスクもありそうですよね?」

先生:「ええ。これも身近な例で説明すると、例えば学級費を管理する係りの人が、勝手に使ってしまったり、悪い使い方をしてしまったりするリスクがあるようなものかな。実際、マレーシアでそういった不正が起きたこともあるんだ」

A君:「なるほど。だから独立性と同時に、しっかりとした管理も必要なんですね」

先生:「その通り! トランプ大統領の提案も、これから1年かけて具体的な計画を作っていくことになるんだ。どんな形になるか、しっかり見ていく必要があるね」

投資情報の最先端の学び舎:「本日の授業はいかがでしたか? 政府系ファンドという複雑な仕組みも、身近な例を使うと分かりやすくなりますね。これからも世界経済の動きに注目していきましょう」

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