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最高の勝利

10月27日日本時間午前4時にキックオフとなったFCバルセロナ対レアル・マドリ―、今季公式戦初のエル・クラシコ。会場はエスタディオ・サンティアゴ・ベルナベウ(マドリーの本拠地)。結果はまさかのバルセロナが4ー0で完全勝利。アウェーで最大のライバルを完膚なきまで叩き潰しました。色々語りたいことが多すぎるのでこの後に書いていきますが、まずは感想としてすごく嬉しいです。昨季は全て負け越していた中でこの勝利ですから、クレは狂喜乱舞であったこと間違いないでしょう。逆にマドリディスタは完全に頭を抱える試合となってしまいました。

スタメンはこちら。

前半は正直言って非常に厳しい展開となりました。というのもフリック・バルサのハイラインをぶち抜くであろうヴィニシウスとエンバぺという「2台のフェラーリ」(UNEXTの解説林さんより)に対して何か対策を打つ(少しライン設定を低くするとかWGのプレスバックを徹底化するとか)かと思っていたら今までと同じやり方を貫いてきましたね。結局はそれが功を奏して90分間で12本のオフサイドを取らせた(そのうちエンバぺは8回。聞いたことないよ1試合で8回もオフサイドになる選手なんて。)訳ですが、やはりアジリティとスピード面に不安があるイニゴとクバルシでしたからずっとひやひやしていました。いくらクンデがいるとはいえね。
前半は劣勢の中何とか0ー0で抑えたと言っていいでしょうが、ここでフリックが動きます。トップ下のフェルミンを下げ、ビルド職人(GOATさんより)フレンキー・デ・ヨングを後半頭から投入します。これによりペドリを一列前に置いてカサドとフレンキーのドブレピボーテとなりました。この交代があまりにも効果的でしたね。彼の投入によってボールがバルセロナのもとに収まるようになり、サリダ・デ・バロン(ビルドアップ)にも良いテンポが生まれました。少ないタッチでの捌きと広い視野、高い技術と選択の正しさ、そしてボールの運び出し。様々な点で「これがフレンキー」と思わせてくれるようなプレーぶりでした。やはりしっかりしたピボーテがいて、その相方としてのフレンキーは無類の力を発揮しますね。
54分、遂に試合が動きます。低い位置でリスタートのボールを受けたカサドが、相手のDFラインの不揃いを見て完璧なスルーパスをレヴァンドフスキに供給すると、一気に抜け出して冷静に右隅にフィニッシュ。今季ここまでリーグ戦10戦12発と絶好調のエースがここでも結果を出しました。更にその2分後、またしても低い位置でフレンキーがボールを持つと、降りてきたハフィーニャにボールを預け、落としてもらいダイレクトで大外フリーのバルデへ。バルデのアーリークロスにCB2枚の間に上手く入り込んだレヴァンドフスキが頭でドンピシャに合わせてドブレーテ達成。ちょこちょこつなぐだけでなく、ダイナミックな展開からアーリークロスでCFが仕留めるというまさにフリック・バイエルンでやっていたような形が見れて嬉しかったですよ。
バルデもこのビッグマッチに連戦でとても頑張っていましたし、アシストという数字も残せたので自信を持てたことでしょう。
マドリーは得点を決めに行こうとハイラインになりますが、バックスの位置がバラバラ過ぎてまともに対応できない状態が続きます。77分にはペーニャのロングキックをレヴァンドフスキがフリックし、ここでもミリトンがつられた後ろのスペースにハフィーニャがお得意のダイアゴナルランで侵入。数的同数となると、メンディがヤマルを視界から外した瞬間にハフィーニャから優しいパスが届き、最後はヤマルが逆足で右隅ニアハイにぶち込んで3ー0。

そしてそしてクリスティアーノ・ロナウドがカンプ・ノウで得点した際に行ったパフォーマンスと同じものをやり、背番号を指すポーズ。

恐るべき17歳。クラシコ初ゴールおめでとう。
84分にはイニゴのロングキックにまたしてもルーカスが残っていたのを見逃さずハフィーニャがトップスピードでラインブレイクし、頭でコントロールから最後はルニンの頭上をふわりと浮かす完璧なループでダメ押しの4点目。ベルナベウは沈黙に包まれました。これでハフィーニャは11試合6G6A。最高のシーズンを送っています。彼の活躍はクレの誰もが望んでいたこと。このまま優勝を掻っ攫おう。

結果的なスタッツ

ということで4ー0完勝したわけですが、点差ほどの実力差があったかというと紙一重の部分が大きいかなというのが直観で、エンバぺのオフサイドがどれか一つでもオンサイドだったらと考えると怖いですが、勝利は勝利です。

勝手に採点(10点満点・及第点6)
ペーニャ:9(パラドーン連発、ブッフォンのよう)
クンデ:7(ヴィニ相手によく頑張った)
クバルシ:7.5(抜群のラインコントロール)
イニゴ🅰:8(我らが兄貴、最高です)
バルデ🅰:8(この2試合で大きく成長したね)
カサド🅰:8.5(本当に初クラシコ?凄すぎ)
ペドリ:8(魔術師、感嘆しかない)
ヤマル⚽:8(逆足であれ蹴れるの?)
フェルミン:6(今日は不発、でも頑張った)
ハフィーニャ⚽🅰:9(久々のブラジル産スーパーWG)
レヴァンドフスキ⚽⚽:9(流石のスーパーストライカー)

フレンキー:8(ビルドアップの鬼、流れを引き寄せた)
オルモ:7(切り札オルモ、お帰り)
ガビ:ー(君がいるとクラシコが盛り上がるよ)

ということで、10月の5試合全勝21得点2失点、全試合3得点以上記録というウイニングイレブン並みの記録で圧倒的な一か月を送ったわけですが、次はバルセロナダービー(対エスパニョール)、CLレッドスター戦、ラ・レアル、セルタ、CLブレスト戦と続きます。過密日程でコンディションは不安ですが、クラシコの後フリックはチームに3日間のオフを与えた模様。流石すぎます。ここから先も突っ走っていきましょう。怪我には気を付けて。また面白いフットボールを見せてください!

¡Visca Barca! ¡Visca el Catarunya!

fin.

追記
ヤマルとバルデに対するマドリディスタによる誹謗中傷、差別発言には徹底的に弾劾する姿勢を私は取りたいと思います。具体的には「クソム○ア人」「この黒人が!」という言葉を発してるのが現地の動画で確認できます。勿論マドリーにもヴィニやカマヴィンガ、べリンガム、メンディ、チュアメニ、リュディガーなど肌が黒い選手が所属しており、モロッコ代表のブラヒム・ディアスもいるのにもかかわらずこういう発言をするのは本当に人として軽蔑しますし、絶対に許してはなりません。ヴィニが差別に苦しんでいる中、自分たちはやってもいいという思考になるのが理解できません。ヴィニ、この問題について声をあげてくれてありがとう。ともに悪の差別主義者(マドリディスタに限らずどこのサポーターにもこういう人たちは少なからずいます)たちと闘っていきましょう。フットボールに肌の色など全く持って関係ありません。子供も大人も、プロもアマチュアも、一つのボールを追いかけて、ゴールに向かって一致団結する。それがフットボールの美しさであり、そこに門地や社会的身分、性別、肌の色、人種は一切関係ありません。私たちは永遠になくならないこの問題に立ち向かう必要があります。
1人でも多くの選手が、このような悲惨な事件に遭わないようにするために、私達もやれることをやらなければなりません。ともに進んでいきましょう。改めてヴィニシウス、このようなタイミングにもかかわらず声をあげてくれてありがとう。

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