キリンチャレンジカップ2023 3月シリーズ 日本代表が示した指針
キリンチャレンジカップ2023 3月シリーズ
試合結果 ウルグアイ戦1-1 コロンビア戦1-2
結果だけ見れば1分け1敗
しかし筆者はこれまでの日本代表戦で一番見ごたえのあった2試合だと思いました。
現代サッカーは個人の質だけでは勝てません。(もちろん個人の質も重要)
この練習試合2試合で結果と称賛を犠牲にして、チーム戦術の向上に努めました。
チーム戦術を極めていく上で、価値ある分け、敗戦だったと思います。
筆者がそう思う根拠をここに書いていこうと思います。
ウルグアイ戦
カタールW杯以降最初の試合となったウルグアイ戦。
この試合から日本代表が新たに取り入れたものがありました。
それがポゼッション。
ボール保持をしながら試合を進める、近年いろんなクラブチーム取り入れているサッカーです。
クラブチームですら中々上手くいかないこのサッカー。
しかしだからこそ日本代表がこのサッカーを極めていければ、代表チームに新たな風を巻き起こすことができるかもしれません。
日本、ウルグアイ共にフォーメーションは4-2-3-1。
ウルグアイは守備時トップ下とFWが同列になって2トッププレス。
これに対して日本は遠藤や守田が最終ラインに入って3バックを作り始める。
両サイドバックは中寄りにポジションをとる、いわゆる偽サイドバックだ。
このような形。
理にかなった可変形を見せたと思う。
基本的に相手プレスより一枚多くなるような形は全員が常にパスコースを持つことができる形だ。2トッププレスに対して3バック形成(プラス1理論)
しかし
日本代表のビルドアップはいまいち前進できていない。
ビルドアップは出口を探すゲーム。
そしてそこから前進さえしてしまえば、後はアタックの局面に移る。
ウルグアイの守備は日本の強みであるサイドは徹底的に縦を切ってサイド出口を封じてきた。
ならば日本はボランチやトップ下(中盤)の出口を使った前進をするべきなのだが、
CBが中盤へのパスを伺っていなかったり、中盤につけても
中盤選手がボールを運んで前進しなかったりとセンターレーンからの前進ができていなかった。
結局サイドの三笘に頼ろうとするもそこは相手が徹底的にふさいできた。(いくつか突破は見せた)
ウルグアイ戦の課題は
・CBが中盤へのパスコースを常に伺っていない
・ボランチがボールを運んで前進できない。
・各ポジション選手の立ち位置、タイミングのずれ
といったところだろうか。
コロンビア戦
中3日空けて、ウルグアイ戦の課題がどれだけクリアできたのでしょうか。
結論から言えばコロンビア戦の前半は日本代表が大きな進歩を遂げていました。
では見ていきましょう。
日本代表は変わらず4-2-3-1、一方コロンビアは4-1-4-1のような形だった。
この日ボランチに入ったのは鎌田と守田。
この2人がCBからのパスコースに常に顔を出して、CBも中盤へのパスを常に伺っていた。
ここから何度も前進し、アタック移行がスムーズだった。
コロンビアのプレスは両WGが外を切りながら、中ではめる形。
しかし日本代表の外と中の前進の使い分けによって、混乱を生んでいた。
ウルグアイ戦の課題である中盤経由の前進はこの試合でクリアした。
しかしこの日の課題はその後のアタック局面。
前進したはいいものの、伊東や三笘などサイドに仕掛けるタイプの選手がいるからか、速い攻撃を仕掛けて結局崩せずボールを取られ、後退。またビルドアップからやり直しの循環だった。
サッカーは90分間あり、その多くを相手陣でプレーできれば、ゴールチャンスは増える。
そして何より相手陣でのプレー=自陣以外でのプレーということもできる。
攻撃は最大の防御ともいうが、アタック時間が長いことはブロック時間が短いとも言い換えられるのだ。
日本代表がポゼッションサッカーをしたいのであればなおさら、アタックの時間を増やす=遅攻の判断をしてもいいのではないか。
コロンビア戦の収穫は
・ウルグアイ戦の課題であった中盤経由の前進ができた
・外と中からの前進の使い分けができた
コロンビア戦の課題は
・アタック局面での速攻、遅攻の使い分け
といったところだろう。
最後に
カタールW杯後、最初の活動となった今回でしたが、日本代表の新たな指針が見えました。
それはやはりポゼッション。
今回はその最初の一歩でしたが、筆者の感想としては
最初にしては出来過ぎです。
所属クラブなどの関係もあるでしょうが、それでも急遽集まったメンバーでこれだけできるなら、4年後の姿がどうなっているか楽しみです。
これからも日本代表を追っていきたいと思いました!
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