見出し画像

トルティージャ焼いてみました【第一回】

トルティージャを焼くことは、すなわち生きることである。

タコスに欠かせないものは何か?と問われれば、人それぞれ多くの答えが出てくるはずだ。東にサルサだと答えるものがいれば、西に新鮮なオニオンだと答えるものもいるだろう。南や北からも相応の意見が出て来るに違いない。それぞれ好みがあるから、この答えがバラバラになることは容易に想像がつくが、絶対に欠かせないものは間違いなくトルティージャである。
あなたが生きる上で欠かせないものは?と問われれば、愛や情熱、金など様々な答えがでるだろうが、物理的には間違いなく空気であるし、水や食料である。
タコスにとってのトルティージャは、これらの空気や水や食料に近い。これらが上質であればより豊かなタコスや人生になる点でも共通している。
つまり上質なタコスには上質なトルティージャが欠かせないのだ。
様々な人生があるように、様々なトルティージャがあるが、本場のトルティージャはやはりコーンのトルティージャである。
日本でコーントルティージャを手に入れることは難しくは無い。しかし、コスト面においてあまり良いとは言えない。そこで、ぼくはコーントルティージャを自ら焼くことにしたのだが、事前にネットなどで入手した情報からコーンミールだけではうまく焼けないことはわかっていた。日本におけるレシピの総本山であるクックパッド様の情報にもコーンミール100%というのは無い。みな小麦粉を混ぜたり、何なら小麦粉のみで焼いたりしている。

そこで、初回ということもあり、コーンミール50%コーングリッツ25%薄力粉25%の黄金律配合を施した魔法の粉に、ラード10g、塩小さじ1、水200㏄をまぜたのちプレスし伸ばしてニトリのスキレットで焼いたものが以下の画像である。

なかなかの出来だと思うのは親バカだろうか。

初めて粉を混ぜて焼いたトルティージャにしては、凄く丸いし、気泡がちょっと焦げた感じとか、見た目にはかなり良く出来ていると言って良いのではないか。「天才」の二文字が脳裏に浮かんでも無理はあるまい。

しかし、トルティージャに求められてるのは見た目だけではない。トルティージャは「食べてこそ」である。

そこで、試しにトルティージャを少し折り曲げてみる。すると、すぐにボロが出てきた。

バッキバキ。刃牙である。トルティージャはしなやかでなければならないのだ。焼いてしまったトルティージャは男女の関係とは違う。一度出来た溝は二度と埋まらないのだ。ワンチャン!ワンチャンあるっしょ!という懇願は通用しないシビアでハードボイルドな世界をご覧下さい。

実際食べたが、めちゃめちゃ堅くすぐに顎がバカになって半べそをかいてしまった。
また、具材を包んでも割れてしまうため、具材全てを抑え込みながら食べなくてはならない。無駄に緊張感を味わいながら食べる謎ゲー誕生である。ぴえーん。
※ちなみに、都内のタコス屋数店でこの割れちゃう系の謎ゲー(割れゲー)を体験している。どうやら冷凍のコーントルティージャを利用していて具材の油分が多いとこの割れゲーになるようである。

今回のトルティージャ作りではいくつかの事が学べた。

①トルティージャは水の分量が難しい
水分量が多いとくっついて剥がれずらいし、少ないとすぐ割れる。
最適な水分量をキープすることが思いのほか難しい。

②トルティージャは焼き時間が難しい
目安として片面1分、裏返して30秒と言われているが、感覚的にはかなり違う。次項であげる均一に伸ばす事と関係するかもしれない。

③均一に伸ばすのが難しい
これは後にトルティージャプレスを購入した事で解決した。逆にプレス無しで均一に伸ばせている人は即日ピザ職人になれると思う。

このブログを始める前からインスタにkuwatacosというidで投稿を始めている。そこで、親切な方からトルティージャはマサという通常のコーンミールとは違う製法の粉を使わないとダメだと指摘を頂いていた。

それは事前の知識として知ってはいたのだが、マサは日本で買うと500gで1,000円ほどと結構なコストのため、代替え出来ないか方法を模索したかったのである。しかし、この後も数度同様の失敗を繰り返したことで、ついにマサに手を出すことにした。

そのレポートはまたの機会。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?