【ライブレポ】アンスリューム『初福岡に君臨スペシャル!』【福岡遠征】
関東はいよいよ花粉の飛散が観測され始めたようだ。僕はそんな花粉前線から逃げるように西へ西へと向かう。
今回の遠征先は福岡県は博多。九州には観光で何度か降り立ってはいるものの、福岡県に入るのは意外にも今回が初めてだった。
アンスリューム現体制、そして黒木いろちゃんの卒業。今のメンバーでの遠征は今回の福岡を含めて、翌3月にリクアワ公演が開催される大阪の2回だけだ。
僕はあと何回彼女に会えるのだろうか。
眠たい頭でそんなようなことをボンヤリと考えているうちに、いつの間にか空港の保安検査場を通過していた。
搭乗ゲート前の待合ロビーは僕の乗る福岡便だけではなく、北は札幌から南は石垣までの便が名を連ねている。
いまこのロビーですれ違う人たちとはもう二度と会うことがないんだろうな。
無数にいる地下アイドルグループの中から色々な偶然が重なりあって、
いまこうして好きな人に会いに行けていることがとても幸せなことなのだと改めて噛みしめてみる。
この遠方に逢いに行くという行為そのものには僕自身を陶酔させる魅力がぎゅっと凝縮していると思う。
きっと遠距離恋愛を疑似体験しているようなものなのかもしれない。
ちゃんと寝坊しないで起きれたかな、忘れ物(特に衣装!)とかしてないだろうか。滑走路へ向かう機内の窓から想いを馳せてみる。
いろちゃんに会いにいくけん!
と、博多名物『にわかせんべい』のイラストみたいな顔でじっとチェキを見つめる僕。
公演データ
■ 会場 福岡DRUM Be-1
■ 日時 2002年02月18日㈮
■ 時間 OPEN 18:00 / START 18:30
■ 料金 (それぞれ+1D)
・前売 優先:¥3,000 一般:¥1,000
・当日 ¥1,500
■ 公演 アンスリューム単独公演『初福岡に君臨スペシャル!!』
■ 出演 アンスリューム(通常衣装)
(黒木いろ、天神・大天使・閻魔、月埜ヒスイ、ちぎら)
■その他 サイン付きチェキ1000円(通常は2000円)
※福岡遠征期間中はサインなしチェキ券(1000円)がサイン付きチェキ券にクラスアップするというしくみ
開場~開演まで
天神の岩田屋や三越といった百貨店が密集する中心エリアから親不孝通りを北へ10分程歩くと今日の会場Drum B-1にたどり着いた。
それにしても天神という地名なだけあって、道すがらあちらこちらで【天神】という文字をこれでもかというほど目にする。
僕に限らずアンスリューマーの人たちはこれを「てんじん」ではなく「あまがみ」と空見してしまう病を患っているハズなので、非常に忙しくそしてハッピーな街であるのは間違いない。
しかも会場のDrum B-1の目と鼻の先に『天神Style』というメイドカフェもあり、閻魔ちゃんもこれには反応してインスタのストーリーやMCの時にもネタにしていた。
さて、このDrum B-1はフロアに低めの段差が4〜5段あり、どの位置から見てもとても見やすいなという印象です。ステージも横に広くて、人数の多いグループでも窮屈になることがなさそう。
地方遠征の醍醐味というべきかもしれませんが、東京や大阪と比べれば客入りもガチガチにという感じではなく、フロアをとても贅沢にゆったりと使えるといったところ。
さすがに最前や2段目、3段目ぐらいまでの最前は埋まりましたが、それ以外のポジションは全然余裕があり、自分の好きなポジションで見ることができました。
足元の立ち位置用のバミリも等間隔に貼られていましたが、東京の主要な箱のそれと比べると前後左右の間隔がたっぷりと取られていて、左右に人がいても全然圧迫感がありません。特に某O-Westなどのバミリの間隔が狭すぎて行くたびに嫌気が差すのですが、あそこの1.5倍は立ち位置に余裕がありました。
開演
フロアの照明が暗転し、SEが流れただけなのに、ただそれだけなのに感動してしまっている僕。福岡にアンスが本当にやって来たんだな~って、それだけのことなのにもう胸がぎゅっとなってしまった。
そして、やっとライブが見れるという喜びと共に、終わらないで!という気持ちがぐちゃぐちゃまぜまぜなまま右手にペンライトを握り、ステージ上のいろちゃんをぐっと両の眼に捉える。幸せだ。
M1:アンスデーム
1曲目は絶対に『アンスデーム』だろうなと皆が予想していたと思う。なんてったって今日の公演は『初福岡に君臨スペシャル!』なのだから。
くんりんくんりん♪くりりり~ん♪
「あ~~~楽しい~~!!」
移動の疲れを微塵も感じさせないパフォーマンスで、会場のテンションを一気にトップギアへと持っていく。
曲の中盤にメンバーを一人ずつ紹介していくソロパートが続くのだけれど、いろちゃん閻魔ちゃんが抜けて新メンバーが加入したら恐らくこの紹介ソロパートの部分も書き換わってしまうのだろう。
M2:コイテラセ
昨年の黒木いろ生誕祭で発表されてからワンマンでも対バンでもコンスタントに演じられてきていて、アンスオタじゃなくても少しずつ認知がされてきたんじゃないかな~って思っているいろちゃん作詞の良曲。
いろちゃんが卒業したあと、この楽曲はどういう扱いになるんだろうって今から考えてしまう。できれば大事に歌い継いでいって欲しいなと願うばかり。
M3:ミーイズムが止まらない!
赤いライトを帯びた閻魔ちゃんのパフォーマンスには毎回目を奪われてしまう。指先から髪の毛の先に至るまで閻魔ISMがほとばしっているのが見えているかの様で芸術的な煌めきがこの曲にはある。
M4:だだだっ!!!!
前半はこの『だだだっ!!!』で締めてMCへと入る。
当初福岡っぽい恰好が思いついたら特別衣装になるとのことだったので、その流れでMCでは福岡っぽい衣装ってなんだろうという話題に。
野球のユニフォームとか?という案が出るなか、
いろちゃんが「明太子のかぶり物とか!」という案をぶっこむ。
「汗で中びしょびしょになる」と月ちゃん。
そんな相変わらず和気あいあいとしたMCから中盤戦へと流れていく。
M7:さくらブロードウェイ
最近ライブで見る機会が体感増えている。季節的にもそろそろといったところだし、何といっても現体制ラストが近づいている今、メンバーもファンも色々な想いをこの曲に重ねていると思うし僕も例外ではない。
折に触れてしつこい様だが、僕はこの『さくらブロードウェイ』のPVロケ地に実際に赴いてから更にこの曲に対する思い入れが強くなったのは間違いない。
M8:口下手ナイトメール
『メランコリー』から『さくらブロードウェイ』、『口下手ナイトメール』といわゆるエモ曲攻勢が続き、いよいよ終盤戦へ向けて最後のMCタイムへ。
M10:ネバーランド
『コイテラセ』もそうだし、この『ネバーランド』もいろちゃんの気持ちがビシビシ伝わってきて、卒業発表されてしばらくは感情が先だってしまって冷静にステージを見れてなかった期間がありました。
最近は純粋にステージ上のパフォーマンスを楽しめていると思う。
M11:アンスリューム大サーカス
今日の1曲目、『アンスデーム』もそうだがこの曲も現体制終了と同時にソロパートの書き換えが必要になってくる楽曲だ。
Aメロど頭からいろちゃんの「ドキドキワクワク駐輪場~♪」が消えてしまうのか。。。
あのチャリンコを漕ぐ仕草がもう見れないのかと思うとなんだか泣けてきてしまう。
M12:にゅーかおすっ!!!!
『アンスリューム大サーカス』からの『にゅーかおす!!!!』やっぱりこういう曲がアンスらしいし、コンセプトを地でゆく曲だよな~って。
こうしてライブ後に感想なんかを書く身としては、ライブを楽しみつつも頭のどこか一部分は一歩引いて俯瞰してステージ上の演者と自分自身を見つめていられる冷静さを残しておかなければと思うのですが、全然だめですね。
最終的に興奮と高揚の渦に巻き込まれてしまっています。
福岡3連戦の記念すべき第1日目のワンマンは、堂々のステージでまさに今アンスリュームが九州の大地に君臨したぞと言わんばかりでした。
セトリをあらためて見ていると、新旧の楽曲をバランスよく配置していて現体制では完成形の1つになる様なそんなセトリかなという印象を受けました。
現場に行くようになっていつの頃からか誰に頼まれるでもなく勝手にセトリをメモるクセがついて、今こうして記事を書く際に役立っているし、過去のセトリを眺めているとその時その時のテーマや傾向のようなものもボンヤリと見えてくるので楽しいです。
終演後特典会
特典会も終始なごやかな時間が流れていました。のんびりとしたこの雰囲気は地方遠征ならではだと感じましたし、
九州勢の方たちも本当に楽しそうに特典会に参加していて、そういう様子を眺めているこっちまで幸せな気持ちになりました。
途中ちょこちょこ休憩を挟みつつも、特典会終了まで楽しく過ごせました。
いつも思うのですが、60分尺のライブをやり切ったあとに10分~15分ぐらいで支度し直して、それから立ちっぱなし喋りっぱなしで1時間半も特典会やってるのって改めて凄いと思うのです。全然疲れた素振りも見せないし。
そして福岡に来る機会を作ってくれて、連れてきてくれてありがとう。
拙いレポートでしたが、ここまでお読みいただきありがとうございました。
また忘れた頃にポロっとレポートを書かせていただくと思います。
では、今回はこの辺で失礼いたします。
アンスリューム大好きっ!
いろちゃん大好きっ!
あとがき
福岡空港に降り立ってみて感動するのがその立地の良さだ。国内でも随一の市街からのアクセスの良さだと思う。
それに、街の中に滑走路がでで~んと構えていて、海側から進入して着陸するまでのアプローチがドキドキして楽しい。
空港線であっという間に天神に到着し地上に上がってみると、駅は大きいしそこら中に百貨店が立っていて、「ここが博多か~」と当たり前のことを思わず呟いてしまう。
駅やバスターミナルを中心に百貨店やモールがコンパクトに集積形成されている街並みを見ると、東南アジアの中規模都市を彷彿とさせる。だからきっと博多は僕の好きなタイプの街だ。
博多在住の知人がちょうどお昼休みに入るタイミングだったので、三越の目の前にある警固公園で待ち合わせて一緒に昼食を食べに行った。
全く初めての土地を自分の勘と嗅覚だけでフラフラと散策するのが好きで楽しいけれど、地元民が案内してくれるとやはり心強い。
警固公園から5分ほどの場所にあるうどん屋さんに連れて行ってもらった。店内はお昼を食べに来た地元のサラリーマンやOLで大変賑わっていて、地元の人が普段から食べに来ているということはコスパも良くて美味しいんだろうなということが窺える。
僕は『うどんセットかつとじ丼』(700円)と生ビールグラス(250円)を注文。
地下アイドルに全く興味の無い知人の怪訝な視線を横目に、以前の特典会でラーメンを食べたとき用に撮ったチェキを添えて飯チェキを撮る。
かつとじ丼は特別美味しいというわけでもなく、いたって普通の美味しい丼だったけれど、一方のうどんはもちもちしていて薄めのお出汁と良く合っていてとても美味しかった。
しかも丼もうどんもボリュームが凄くてこれで700円なのだからコスパはめちゃくちゃ良いと思う。東京のオフィス街で同じ様なのを食べたら1100円とか1300円ぐらい取られても不思議じゃないはず。
知人はこの後仕事に戻らなくてはいけなかったので一旦ここでお別れ。
僕はライブまでまだだいぶ時間があったので三越まで戻って西鉄で太宰府天満宮まで行ってみることにした。
せっかく初めて福岡に来たのだし、定番中の定番を回収しておこうというわけでいざ一路大宰府へ。
西鉄の構内で見つけたHKT48のポスター。現HKTで知っているメンバーなんていないのに、こういうのを咄嗟に写真に収めてしまうのは性としか言いようがない。
僕は日本の地下アイドル現場に行くようになる前は5年間ぐらいの期間、中国は上海を拠点に活動するアイドルグループ、SNH48のオタクをやっていたので【アルファベット+48】の表記を見つけるといまだに咄嗟に反応してしまう。
花畑ゆきの電車に乗り、数駅先の二日市駅で大宰府ゆきの電車に乗り換える。大宰府ゆきの電車に乗り換えて2駅程で終点の太宰府駅に到着した。
この駅名表示板然り、駅舎の梁に下がっている陣幕然り、そうそうそう!これこれ!観光地来たな~!とワクワクしてしまいます。
インバウンドが隆盛だった時期はこの駅舎もさぞかし賑やかだったのだろうなという面影がそこかしこから窺えます。
駅を出てすぐにもう太宰府天満宮へと続く参道になるのですが、参道の左右に並んでいる売店も少しばかりシャッター店舗が目立っていて、栄枯盛衰ではないけれど、いつまでも今のままだと思うなよと無言で僕に語り掛けてきているようにも思ってしまいました。
きっとそれはいつまでも推しが元気にそこにいていつでも会いに行けると思うなよと換言され僕の耳に届いているかの様です。
境内はちょうど梅の木が開花し始めていて、様々な品種の梅を見ることができました。こんなに一度にたくさんの梅を見たのは水戸の偕楽園に行った時以来かもしれない。
僕が梅の木と社殿を携帯に納めていたら可愛い集団が参拝しに来ていました。恐らく社務所のすぐ隣にある太宰府天満宮幼稚園の園児達だとおもいます。
ちゃんと先生に倣って一列で順番にお参りをしていて思わずほっこりしてしまいます。
そういえば初詣らしい初詣は今日の参拝だったことに気が付いたので、運試しとばかりに境内にあったおみくじを引いてみました。
【運勢:無理なく自然体で過ごすことが更に幸運をもたらします。】
という文言が胸に刺さる。
特典会でいろちゃんとお話ししている自分を振り返ってみるとどうだろうか?毎回毎回舞い上がってしまっていて、幾度と無くすっとんきょうな質問や話題を振ってしまい後になって何度反省したことだろうか。
道真公にたしなめられている気がしてきた。
”無理なく自然体”
頭の中で反芻すればするほど言葉の深みにはまっていってしまって抜け出せなくなる。境内を散歩していながらもずっとこの言葉がぐるぐると廻ってしまう。
特典会のとき自然体で接触できてるだろうか?
無理なく参戦スケジュールを組んでるだろうか?
訳の分からない義務感や虚栄心でチケットを取ってないだろうか?
そういえばいろちゃんの卒業が決まった後に、別グループのオタク友達と話していて言われた言葉を思い出した。
「悔いを残さない様に会いに行った方がいいけれど、くれぐれも無理をしないように。」と。
この「くれぐれも無理をしないように。」という言葉を投げかけられるまでは、とにかくいろちゃんの卒業までは全現場に行かなきゃ!という変な使命感や義務感に駆られていたのは間違いない。
そんな前のめりで今にもつまづいてこけてしまいそうなぐらい掛っていた僕に「くれぐれも無理をしないように。」でかなり助けられた。
会いに行きたいから現場に行ってるんだ。
最後のその瞬間まで余すところなく目に焼き付けるんだ。
それが本心?本当の気持ち?
この気持ちってどこから湧いてくるんだ?
僕はその得体の知れない場所から湧いてくる衝動にただ流されているだけなのでは?
自分の気持ちに素直になるとか、心の声をよく聞くって言うけれど、
その気持ちや心の声って一体全体何者なのだろう。
あたかも自分の意志で決めているかの様に見え、だからそれは自分の自由意志に基づいていると納得させられているだけで、その実ただただ湧き上がってくる衝動に操られているだけなのでは?
”無理なく自然体”ってその得体の知れない衝動や欲求に流されるまま流されている状態が無理のない自然体?
それってこれまでの傾向性に突き動かされているだけの人形みたいじゃん。
とまあ、僕の悪い癖で一度こういう事を考え始めてしまうと止まらなくなってしまう。
◇
如何せん一人で遠征に来ていると移動中の時間も含め考える時間がたっぷりあるので、こういう答えの出ない事を考えたり、ひたすらいろちゃんの事を考えてしまう。
いかんいかんというわけで、少しばかり甘いものを補給したくなったので、参道まで戻って太宰府天満宮名物の『梅が枝餅』というお菓子を食べてみる事にした。
参道の売店では至るところでこの『梅が枝餅』の作り立てが実演販売されていて、みんな店先で買ってその場で美味しそうに頬張っている。そういった光景があちこちの店先で繰り広げられていた。
僕はさっきの思考迷路から抜け出せないまま境内を2時間近くウロウロウロウロ歩いていたので少し座って休憩したかった。
どこか座って茶でもすすりながらゆっくり梅が枝餅を供していただけるお店はないものかと探していると1件のギャラリー件喫茶が目に留まった。
早速お邪魔して席につき、『梅が枝餅と野立てコーヒーのセット』というのを頼んでみた。
梅が枝餅は出来立てで、半紙越しに触るとかじかんだ指先をほんのりと温めてくれる。外側のお餅は口触りがとても良く、中には程よい甘さの粒あんが入っていてとても上品な味がした。
粒あんの余韻が口の中に残っているうちに、点てられたコーヒーをぐいっと流し込む。
点ててあるからなのか変な雑味や苦みがまったく無くて飲みやすい。ホッとする。まるでいろちゃんだ。
この梅が枝餅と野立てコーヒーのセットはいろちゃんだ。
こんな単純なことになぜ気が付かなかったのだろう。
僕だけのイマジナリーいろちゃんのスタイルはこれだったんだ。
無理なく自然体で楽しむ。そういうことか。
別に誰かのスタイルに寄せたり合わせたり真似したりそういうことじゃない。
きっと今みたいに目の前に出された梅が枝餅とコーヒーを丁寧に自分のスタイルで楽しみ、堪能することが出来ればそれでいいのではないだろうか。
無理矢理かもしれないけれど、一応の糸口みたいなものを見つけて胸のつっかえと頭のモヤモヤが少し晴れた気がした。
◇
天神に戻ってきた。日が落ち始めて日中とはまた違った顔を街が見せ始める。目抜き通り沿いには飲食店のキャッチが立ち始めていて、俗っぽい一面が見え隠れし始めてきた。ライブの前に軽くガソリンを注入するのもいいかもなと、道沿いのスタンドバーに後ろ髪を引かれつつ歩みをライブ会場方面へと進めた。
天神は繁華な場所だけれど、東京や大阪と比べると歩いている人も多くなく、人混みが苦手な僕でも歩きやすいし人酔いもしない。街行く人たちの歩くスピードも東京に比べれば幾分かゆったりしているようにも感じられた。
天神の周辺に大体の施設が揃っているし、案外住みやすいのかもしれない。
Drum B-1はD代が500円なことにまず感動した。東京じゃまずもう見ないワンコイン設定。
それにしてもこの状況下、アルコールを提供していない箱がまだ多いなかで、しれっと600円に据え置いたままっていうのは少しうーんと思ってしまう。ワンコイン500円でいいよもう。
それと、レポートの部分でも書いたが観客の立ち位置のバミリの間隔がゆとりがあるし、入場時の検温と手指消毒も徹底していてとても好感がもてる箱だった。営業時間も厳格に守っているようで、21時キッカリに観客は全員撤収だった。21時になる直前からスタッフが率先して声掛けもしていて関心する。
福岡の箱といえばこのB-1も含めたDrum系列が代表的な箱といって間違いないだろう。だからこそここから感染者を出すまいという矜持が垣間見れる。
ライブの後は、お昼を一緒に食べた知人と再度合流して居酒屋に連れて行ってもらった。福岡はとにかく飯が美味いという印象だったので楽しみ。
知人はもともとは生まれも育ちも東京の人間なのだが、心機一転全く縁もゆかりもないこの福岡の地に単身乗り込み職を得てはや2年が経とうとしている。
生まれ育ちが大阪のいろちゃんも単身東京に移りこうして3年近くアンスリュームでアイドル活動をしている。
福岡に移り住む前は東南アジアを単身渡り歩きながら現地採用枠で何年も生活していた知人。
こんなに逞しく生き抜いてきたのに、コロナ禍の影響で生活圏を日本に戻した途端、ホームシックの様になり折りに際して「寂しい」と口にするようになった。
「歳を取ったせいかもね」と僕は曖昧な返答をすることしかできない。
『寂しい』という感情を解消するために外部に癒しを求めたり承認を求めれば、一時的には寂しさの穴は埋まるのかもしれない。
けれどそれは決して根本的な解決にはならいと僕は思う。
いろちゃんも時折SNSで寂しさを滲ませていることがあり、
知人といろちゃんの境遇を少しばかり重ね合わせてしまう。
こういうとき、ファンとしてどういう言葉を投げかけてあげればよいのだろう?
僕は真夜中にいろちゃんのそういった呟きを見つける度にいつも逡巡してしまう。
供された刺身の盛り合わせは見た感じ普通の盛り合わせなのだが、やはり美味しかったし安い!
それと、こっちではすべからく醤油がトロッとしていて関東の醤油と比べるとだいぶ甘いのだが、僕はこの九州の醤油の味が結構好きだ。刺身にもちゃんと合う。地のものには地のものということなのだろう。
この鯖の5点盛りもリーズナブルでどれも全部美味しかった。
特に画像手前から2つ目のスモークした鯖と、一番奥で見辛いけれどゴマ鯖が絶品だった。
このゴマ鯖に合わせて茨城県のSABA de SHU(サバデシュ)という鯖専用の日本酒を頂いた。
このSABA de SHUは、単体で飲むとキリっとした辛口が好きな僕の舌にはスッキリし過ぎていて物足りなさを感じてしまうのだけれど、
ゴマ鯖をお供にして頂くと鯖のうま味を邪魔せずにむしろ引き立ててくれる。
それでいてちゃんとお酒の香りも後から追いかけてくるのでよくできたお酒だなと感じた。総じてクセが無くて飲みやすい部類の日本酒だ。
久しぶりに知人と話もできてあっというまにお開きの時間になってしまった。お店の外に出ると福岡の夜はまだまだこれからだと言わんばかりに賑わっているお店がちらほらと明かりを灯していた。
さあ帰ろう。
◇
東京に戻ってきて、福岡で撮った写真や現地で走り書きした覚え書きやメモを整理しながら今こうしてnoteの記事を書いています。
デスクトップPCのメインディスプレイで記事を書きながら、サブディスプレイでGoogleフォトに集積されている過去の写真や、チェキを取り込んだ画像を眺めていると、まるで走馬灯を見ているかの様な錯覚を受ける。
一番最初にいろちゃんと撮ったチェキの画像を見ると、二人ともどことなくぎこちなくて、よそよそしくて、今見返してみても少し照れてしまう。
アンスリュームの現場に通うようになってまだ1年にも満たない。
けれども、大阪、名古屋、札幌、そして福岡。こんなにもたくさんの景色を見せてくれたことに本当に感謝している。
まだやっぱり”無理なく自然体”でが分からないけれど、現体制終了まで僕なりのやり方でこの感謝をメンバーに伝えていければいいなと思っている。
もちろんこうして時々思い出したかのようにアンスリュームの記事を書きなぐっているのも、僕なりの感謝のスタイルだと受け取ってもらえたら嬉しいな。
◇
あとがきとは名ばかりで、実のところこちらがメインなのかもしれない。
圧倒的にあとがきの方が文章量が多いし。
”自然体で無理をしない”
あとがきの途中から出現したこの一言。
色々な事に通じているなあと思いまして、今回の記事に通底するテーマにならないかなと思いながら記事を書いてまいりました。
ライブレポと銘打っておきながら、あとがき部分が長いというスタイルも
それはそれで僕の自然体であり、余計な型に嵌まらず無理をしないスタイルなのかなとも思うのです。
今回も最後まで当記事にお付き合いいただきありがとうございました。