【ライブレポ】『ポスタルジア ラストワンマンライブ 〜 Last Shot 〜 』@下北沢シャングリラ 2022.09.23
一本のパトローネに収まるフィルムの長さにはやっぱり終わりがあって、最後の1コマまで届いてしまったらいつかはそれを巻き戻さないといけない。
これまでポスタルジアとしての歴史を1コマ1コマをフィルムに焼き付けてきて、今日はそのフィルムをじりじりと巻き取りながらこれまでの思い出を振り返ってフィルムケースに収める、そんなステージなのかもしれない。
僕が初めてポスタルジアのライブを観たのは、2021年の12月でした。だからちょうど10ヶ月ほどのお付き合いで、大体月に1~2回ぐらいのペースでライブを観てきました。
最初にポスタルジアというグループ名を認識したのは、アンスリュームがきっかけでした。アンスリュームの楽曲を多数手がけているRYO-P氏がポスタルジアの楽曲も制作しているということを知って、ポスタルジアに興味を持ち、サブスクに上がっていた楽曲を聴くようになりました。
他にも、アンスリュームが2021年の秋に発表した曲で『アンデッド♡ギャザリン』というハロウィン楽曲があるのですが、そのジャケット絵をポスタルジアの天南六花ちゃんが描いてくれたり、アンスリュームのプロデューサーがポスタルジアの運営に参画したりと、なにかと親しい間柄でもありました。
そしてラスト公演を行う下北沢シャングリラ、今日の昼帯に同じくシャングリラで公演を行っていたのがアンスリュームだったのは偶然といえば偶然かもしれませんが、僕は運命的なものを感じずにはいられませんでした。
ライブデータ
■日時 2022年9月23日金曜日㈷
■会場 下北沢シャングリラ
■時間 OPEN 17:45 / START 18:30
■料金 ・優先¥5,000 ・前売¥2,000・当日券 ¥2500 ※それぞれ+1D
■公演 『ポスタルジア ラストワンマンライブ 〜 Last Shot 〜 』
■出演 ポスタルジア(松村美和、天南立花、三野あみ乃、道弐まよい)
■その他 優先チケットは囲みチェキ付
公演
僕は前述の昼帯に行われていたアンスリュームの公演にも参加していたので、今日2回目のシャングリラでした。
開場時間前にシャングリラが入居しているビルの地下2階部分にある、駐輪スペースのような場所まで誘導されて、そこであらかじめ整列が行われました。この場所は携帯の電波の入りが悪く、僕はいちど地下1階までもどってチケット画面を表示させてから集合スペースにもどりました。キャリアによっては大丈夫なのかもしれませんが、前もってチケット画面を表示させた状態で地下2階に降りたほうが安心だと思います。
地下2階から地下1階部分のシャングリラ入り口まで係りの方に誘導され入場しました。シャングリラは後方に段差が切ってあって、段差部分の柵も見やすそうで迷ったのですが、運良く上手側のそこそこ前方のスペースに滑り込むことができました。ありがたい。
程なくして会場アナウンスで注意事項などが流れ、いよいよポスタルジアラストワンマン~Last Shot~の開幕です。
M0:SE
SEが流れ会場じゅうから手拍子が始まりました。もうこのSEを会場で聴くこともないし、このSEに合わせて登場するポスタルジアのメンバーを観るのもこれが最後。
しかもメンバーが現衣装ではなく、セカンド衣装で登場しました。僕はこのセカンド衣装からポスタルジアを知ったので、馴染みのあるこのセカンド衣装をまた見ることができ、それが嬉しく、けれども同時に卒業していったメンバーのことも思い出しました。
M1:アルストロメリア
僕の左隣には、よく現場で見かける立花ちゃんのファンであろう方がいて、その方が全身で魂の咆哮のようなMIXを打つのを真横で見ていて、少しでもこの方の想いが立花ちゃんに届けとばかりに加勢したいなという気持ちになり、僕ももう今日喉が潰れてもいいやという気持ちで左隣のその方とシンクロするように魂のMIXをユニゾンしました。
たぶんポスタルジアの曲のなかでも古い部類に入ると思うんだけれど、それでもいまだに現場でかからない日は無いぐらいのアンセムで、恐らく僕が一番最初に振りコピを覚えたのがこの『アルストロメリア』という曲でした。
初期衣装で映っているこの公式映像、今見返すととってもいいです。
M2~3
2曲目『LIGHTROOM』、3曲目は対バンではなかなかお目にかからない『君色ソーダ』2曲を続けて披露。この2曲はそれこそポスタルジアのグループコンセプトである【ポストノスタルジア】を地で行くようなどこか懐かしく甘酸っぱい良曲。なんとなく、昔のアルバムを1ページ1ページめくりながらじっくり耳を傾けたくなる、そんな楽曲で自宅でも良く聴いていました。
MC1
メンバーそれぞれが最後の自己紹介をしました。話題は衣装の話に移り、今着ているセカンド衣装はポスタルジアの衣装のなかで一番長く着ていた衣装ということでした。そして、道弐まよいちゃんが着ているセカンド衣装は先日卒業された元メンバーの鳥羽みれいちゃんが着用していたものということでした。
まよいちゃんめちゃくちゃ似合っていたし、可愛かったです。
M4:おいてかないで
僕はこの『おいてかないで』が『アルストロメリア』の次ぐらいに振りコピ出来るようになった楽曲で、特に両手を前に出しながら「おいてかないで、おいてかないで」という仕草をする振り付けがあるのですが、そのときの立花ちゃんがとても可愛くてお気に入りでした。
この曲も『アルストロメリア』に負けず劣らず、いつもみんな振りコピをノリノリでやっている印象が強かったです。
「君に続く恋の片道切符握って」というサビ前の歌詞が、疾走感と恋の甘酸っぱさが合わさって好きでした。この楽曲の作詞をしたあみ乃ちゃんの世界観好きでした。もう聴けないと思うとやっぱり・・・寂しいです。四十肩になりかけている腕を思いっきり前に伸ばして、まさに「おいてかないで、おいてかないで」と振りコピしました。
M5~6
5曲目は比較的新しいナンバー『FUNNY』、そして6曲目は『MOVIE』と続きます。この2つはポスタルジアの楽曲の中では結構ロック色が強い楽曲で、作曲者のRYO-Pさんの色が比較的強く出ているんじゃないかなと思います。
MC2
今やった『MOVIE』はまよいちゃんが加入して新体制になってから初めて披露したとのことでした(もしかしたら『FUNNY』もそうだったのかも・・・)。そして、MC明け次の楽曲も新体制になってから今日が初披露ということで曲振りは『状況変化ジェネレーション』!
M7~9
この『状況変化ジェネレーション』は確かに全然披露していなくて、僕が最後に見たのが4月に代官山UNITでおこなわれた、ワンマンライブ『ホログラムストーリー ~拝啓、未来の私~』のときに倍速Verかなんかの『状況変化ジェネレーション』を観て以来。
サビ部分の振り付けがたしかにへんてこというか、魔法の粉を振りかけるような振りで珍妙ではあるんだけれど、所見ですぐに真似出来るしライブでは盛り上がる楽曲。それが証拠に、今日は声出しOKということもあってサビ部分の振りをしながらコール(フッフー!フワフワ!のやつ)も盛んに入っていてすごく盛り上がっていました。
8曲目『パピヨン』から9曲目『逆境バズーカ』と続いて、どんどん会場の熱狂が加速していくのを感じていました。
『逆境バズーカ』も凄い好きで、もうイントロからカッコいいんですよ。あとサビの振り付けで、両手を組んだまま顔の左右に振って(逆境中♪)から片手を高くかざす(バズーカー♪)振りがあるんですけど、あれ好きです。
4月の代官山UNITのワンマンライブのときの『逆境バズーカ』は楽しかった記憶が今も残っています。この日のライブ楽しかったんだよな~。
M10:エビデイあけおめ!
10曲目の『エビデイあけおめ!』は声出しOKの現場が増えてきて真価を発揮したポスタルジア曲の1つ。この曲を2023年の正月に観ることができないというのがやはり残念で仕方がない。
2023年の分も24年、25年ぐらいまでの正月もひっくるめて前借りするつもりで今日は踊り狂ったし、ちょっともうこの時点で喉がカスカスだったけれど、半分トランス状態みたいな感じに突入していたので(きっと周りもそう)、この中盤締めの 『エビデイあけおめ!』はヤバいぐらいに楽しかったし、フロアの一体感が凄かったです。
MC3
ここではこれまで印象に残っていることが話題に。Zepp(『ROAD TO @ JAM EXPO 2022 LIVE 』@ZeppDiverCity 2022.05.28)の話しや、上述した4月の代官山UNITでのワンマンのことが話されました。
続いて、前々日の9月21日に公開されたばかりのサブスク『ホログラムストーリー』の話になり、ポスタルジアとしてまよいちゃんの声が入った最初のサブスク音源とのことでした。まよいちゃん本人もポスタルジアにいた記録が残って良かったと話していました。そして次曲の振りへ、
『ホログラムストーリー』
M11:ホログラムストーリー
歌詞が素敵だし、立花ちゃんが描いたこのジャケット絵が好きで、六花ちゃんもこんな風に窓辺から見える星空に寄り添うように家で音楽を聴いているのかなっていう想像を掻き立てられました。
とても良い曲だし、上述のとおり道弐まよいちゃんの声が入った貴重な音源なので聴いて欲しいです。
まよいちゃんはポスタルジアに加入してきてホントに凄いスピードでグループに順応していって、曲を覚えるスピードが物凄いし、堂々とパフォーマンスするし本当にポスタルジアに来てくれて感謝しています。MCのときにポスタルジアに入ってくれて、まよいちゃんに感謝しているということをメンバーも話していました。
凄いスピードでグループに馴染んでいったのは、まよいちゃんの順応性の高さや、技術や努力の賜だけれども、終わりの予兆が見え隠れしているグループに入ろうと決心したその覚悟がやはり大きな原動力になっていたんだろうなと想像します。
M12:フィルム
続いて12曲目は『フィルム』、僕は最初の頃サビのところの「思い出一つ、二つ、三つ、四つ」とか「シャッターを一回、二回とんで十回」のところの振りが上手くできなくて(特段難しい動きじゃないんですけどね)、自宅で公式のMVを見ながら練習したなあとか、そんなことを思い出しながら今日の『フィルム』を観ていました。
サビ部分の最後、「瞬間瞬間に君が写っている ほら」のところで、両手でフォーカスを当てる仕草をするのですが、このとき僕の親指と人差指で囲んだファインダーの中ではいつものように天南立花ちゃんがキラキラと輝きを放っていました。そのまま切り出して額装にして玄関脇の壁に飾っておきたくなるぐらいとびっきりに綺麗でした。
M13~14
13曲目『BIRD』→14曲目『SHINING STAR』へ。
4月の代官山UNITでのワンマンライブでの『SHINING STAR』が僕はすごく印象的で、ライブ後の感想Tweetでもその感動をつぶやいていました。
今日落ちサビのところで声をつまらせながらあみ乃ちゃんが想いを乗せた言葉が会場じゅうに響き、僕だけじゃなくみんなの胸にそれは届いたとおもいます。
ENDMC~ENCORE
ここで全14曲のステージが終了しました。さいごに、
という挨拶がありメンバーが下手袖へ捌けていきました。
続いて、ステージ前方の天井から大型スクリーンが降りてきて、スクリーンにはこれまでのメンバーのオフショットや、ライブの記念撮影が次々と映し出されました。そこには、以前在籍していたメンバーの写真もあり、暖かい、そう思いました。旧メンが映った瞬間、会場のあちこちから声が上がっていたのが印象的でした。
なにかこう、古い卒業アルバムを眺めているようなそんなノスタルジックな気分にさせてくれるひとときでした。
そしてアンコールへ続きます。
SE~M15~16
アンコールで再びメンバーがステージへ。このとき会場に流れたSEを僕は聴いたことが無かったのですが、もしかしたら以前使用されていたSEだったんでしょうか。ピアノのメロディが綺麗だなという印象でした。
15曲目『LIGHTROOM』、今日セットリストの2曲目でも披露されたこの曲は元メンバーの尾休うにさん作詞による楽曲です。僕がポスタルジアを知った時点でもうすでにうにさんの姿を見ることは叶わなかったのですが、この『LIGHTROOM』の歌詞すごいです。
冒頭の歌詞が
こんな二度見してしまうような言葉から始まり、サビではさらに
と続きます。
最初歌詞を見たときに、8度5分ってなんだ?と、それが体温だということを理解するのにしばらく時間がかかりました。38度5分や、もしくは38.5℃と書けば表現が明晰になるところをわざと削り、そこに引き算の美学が宿る。
とにかくうにさんのワードセンスが凄くて、アイドルさんがこんな大人びた表現ができるのかとびっくりしたんです。是非音源聴いてみてください。
今はグループを去ってしまっているかもしれないけれど、こうして歌い継がれそこにちゃんと息吹をのこしている。
グループって今の状態だけじゃ決して成り立っていなくてこれまでに関わったすべての人のDNAを脈々とポスタルジアという1本のフィルムのどこかのコマに焼き付けたまま続いているんだなって、そう感じさせられました。
最後は『フィルム』でした。ここまで本当にあっという間に時間が過ぎてしまって、途中途中携帯を取り出してメモを打ち込むその一瞬一瞬すら勿体ないと何度も考えました。
今日ここに来場しているファンそれぞれの記憶のフィルムにそれぞれの形で思い出が残ればいいような気もするし、けれどこうしてテキストに書き起こしたい。今日ここに来ることが叶わなかった人にもしかしたら何かが届くんじゃないかなという想いで書いています。
MC4
16曲を歌い上げたあと今日4回目のMCに入り、まず初めに記念の撮影をおこないました。
そして僕の今日のハイライトは、記念撮影に続いてメンバーが一人一人気持ちを話していったこの時間でした。
MCの内容をかなりの部分メモに残してありますが、事細かにここでテキストにすることはさすがに憚られるし、それこそ今日この会場にいたメンバーとファンだけが心のフィルムに焼き付けておけばいいと思う。
なので、概要だけをざっくりと僕のことばで置き換えて書き残しておくことにします。少しでも雰囲気が伝わればと思います。
道弐まよいちゃん:
加入したときにみんなが温かく迎えてくれた事を感謝している、そしてポスタルジアの事を忘れないで欲しいということと、記憶は徐々に薄れていくけれどこれを人生の宝物にして欲しいということをお話ししてくれました。
松村美和ちゃん:
美和ちゃんもまよいちゃんと同じく、途中加入したときに暖かく迎えてくれたことを感謝していると話していました。
時間は掛かっちゃうかもしれないけれど、いつかみんなに良い報告ができるように頑張るので、わたしのことを忘れないでくださいとも語ってくれました。
天南六花ちゃん:
立て続けに起こったメンバーの脱退やマネージャーの失踪など、どうしてこんなに上手くいかないんだろう、どうして私たちは運が悪いんだろうと思っていたと回想してお話ししてくれました。
そして途中加入してきてくれた美和ちゃんとまよいちゃんへ、当時の思い出と共に感謝の言葉を述べていました。次にグループへ誘ってくれたあみ乃ちゃんへの感謝の言葉が送られました。
そのあとポスタルジアの楽曲に対する六花ちゃんの想いを語ってくれたのですが、このときずっと堪えていたであろう六花ちゃんの悔し涙を見て、ああ、これがグループが終わるときなんだというのを実感しました。涙を流す六花ちゃんを僕はなかなか直視でなくて、しばらく携帯の画面を見つめてしまいました。
さいごに、アイドル天南六花という存在とポスタルジアを忘れないでいてくれたら嬉しいとも語っていました。
三野あみ乃ちゃん:
これまで応援してくれたことへの感謝とお礼をお話ししてくれました。そして、最後のお願いとしてポスタルジアの最後はこの曲をやりたいと思っている、それをやってもいいですか?と。本当に最後の1曲になるので目に焼き付けて下さいと続け曲振りへ。
「聴いてください、アルストロメリア」
M17:アルストロメリア
最後の最後17曲目『アルストロメリア』でポスタルジアというグループに幕が下りました。
この時僕はステージ上のメンバーを目に焼き付けておこうと必死で、周りのことが全然見れてなかったのですが、この画像を見てああやっぱりこのとき沢山のアルストロメリアが咲いていたんだなと。僕もその一輪としてメンバーの記憶の片隅に残っていたら嬉しいなと思いました。
セットリスト
あとがき
楽曲も良いしメンバーも頑張っていてステージもいつも楽しくて、正直なところどうしてこんなに素敵なグループがこうも早く終わってしまうのか残念で仕方がないです。
けれども、そこに至る理由があるからその結果として解散に辿り着くわけだし、ファンとしてその結果を見届けられることはやはり幸せなことなんじゃないかなとも思える。
デビューしてからアクシデント続きで、いつ解散してもきっとおかしくない状態を堪えて堪えて踏ん張ってここまで1年10ヵ月続けてこれたのは、メンバーの不屈の気持ちと努力が為せたことだと思います。
ポスタルジアというフィルムは最後のコマまで巻き終わってしまったけれど、これは大事にフィルムケースにしまって、またそれぞれが新しいパトローネを装填し直して素敵な思い出をまた作り始めればいい。
ポスタルジアのメンバーのみなさん本当にお疲れ様でした。
またいつかどこかで会えたらいいですね。
当日会場に駆けつけていらした方々をTwitterから拾ってきました。
元翡翠キセキの初期メンバー白松ゆりさん
衛星とカラテアの若葉ののさん
ポスタルジア楽曲を一手に手掛けていたRYO-P氏
かなり記事が長くなってしまいましたが、さいごまでお読み頂きありがとうございました。とても良いラストライブだったと思います。