推しメンがアイドル業界に戻ってきた話し
約1年前、もうアイドルはやらないと言い残して一般女性に戻っていった推しメンがアイドル業界に返り咲いた。”返り咲く”という表現が適切なのかどうかはわからないが、約一年の充電期間を経てとにかく戻ってきた。
2月4日の午後20時過ぎ、僕はO-nestのフロアでその日おこなわれていたMARQUEE祭mini Vol.140でトリをとったStrawberry Girlsのステージを観ていました。
演目中、Twitterの通知を僕の左腕に付けているスマートウォッチが告げたので、おもむろに手首のディスプレイに目を落としました。
そこには”黒木いろ”という名前が浮かび上がっていた。
「お久しぶりです、黒木いろです!ただいま!!!!!」
目を疑うような文字の羅列に、さいしょ全然頭が追いつかなくて、けれどとにかくいち早く詳しいことが知りたくて、ステージの途中なのにポケットから慌てて携帯を取り出して詳細を確かめた。
ピコリモード?
2/26デビュー?
青天の霹靂とはこのことか。
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ライブ中だっていうのに一瞬にして僕のあたまの中は彼女のことでいっぱいになってしまった。
2022年3月17日に自身アイドルとして最期のステージに立ち、翌週3月21日の超特典会で本当の最後のお別れをしてアイドル業界を去っていった彼女。
その後、しっかりと黒木いろロスをしばらく体験した僕は、キリも良いし地下アイドルの現場からこのままフェードアウトするのもいいのかもしれないなんて思ってもいた(実際、もうあまり現場に行くことはないかもといろちゃんにも話した記憶がある)。2022年の春以降、なんとなく興味の惹かれる現場に足を運びながらも2022年の夏頃から居心地の良い楽しい現場や、新たに応援したいグループやアイドルが見つかったりして今日まで充実したドルオタ生活を満喫していました。
2022年の11月27日に1回だけ黒木いろちゃんに会えるトークイベントが原宿のイベントスペースで開催されたのですが、僕にとってそれはもう”アイドルの黒木いろ”ではなく”かつて黒木いろだった名前も知らない一般女性”でしかなく、会うモチベーションを僕の中に見出すことが出来なかったので行きませんでした。その日僕は最近応援している功夫少女(カンフーガールズ)というグループの応援をしにO-nestに行きました。
この日、過去単推しでずっと応援してきた”かつて黒木いろだった名前も知らない一般女性”よりも”今応援している功夫少女”を選んだことで、僕のなかでの価値判断が明確に決まった瞬間でもありました。
◇
3月17日のKT ZeppYokohamaのDVDもようやく手元に届き、当時の初期アンスリュームのグッズやいろちゃんとのチェキを思い出BOXに納め、そうしながら徐々に黒木いろというアイドルを綺麗な思い出の中に封をして大切に大切にしまっておける心の場所がようやく出来上がってきたという矢先でもありました。
この文面から相当悩んだうえでの決断だったんだろうなというのが窺えるので、今後SNSやライブ会場で直接彼女から事の経緯や心情を聞けたらいいなとは思っているけれど、この突然の発表で本当にあたまの中がぐちゃぐちゃになったし、今通っているいくつかの現場との折り合いをどう付けるんだ?という難しい問題にも直面することになった。
Twitterの誕生日風船のように今応援しているアイドルの顔が頭の中に浮かんでは消え浮かんでは消え、かと思えばこれまでのいろちゃんとの思い出もありありと鮮明に蘇ってきてしまい、どうにも収集がつかなくなってしまった。
O-nestを出て道玄坂を自動的に渋谷駅方面にふらふらと向かい電車に乗って最寄り駅で電車から吐き出された僕は、そのままひとりで家に帰ることが出来なくて近場の居酒屋に吸い込まれるように入っていきました。
その夜、居酒屋が閉店するまでしこたま酒を飲んでひさしぶりにどうやって自宅に戻ったのか憶えていないぐらい酩酊した。
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彼女は僕が地下アイドル現場で初めて推したアイドルで、特典会で話したのもチェキを撮ったのも彼女がはじめてでした。自分なりの推し方、アイドルとの距離のとり方みたいなものを徐々に掴んでいったのもアンス現場に通いながらでした。
いろちゃんの生誕祭でライブ中に声が出るぐらい大泣きしてロンTの袖が涙と鼻水でべちょべちょになったのもホント今となっては良い思い出だし(後にも先にもライブで泣いたのはこのときだけ)、
彼女とアンスリュームには本当に色んな思い出があって、一緒になって駆け抜けて駆け抜けて完全燃焼して卒業していったというイメージがあります。
今回新しく立ち上がったピコリモードはまだデビューライブ前だし、メンバーの全容も明かされていない状態。実際にグループの楽曲やステージを観ていないからあまり突っ込んだことに言及することはできないけれど、やっぱり僕自身黒木いろというアイドルのステージパフォーマンスをまた観ることができるのならそれは幸せなことだし、もう一度彼女の歌声を聴けるのなら聴きたい。
それに、上記ツイートから察するにかなりの覚悟を決めてのカムバックなのだろうし、率直に”おかえりなさい”というのが今の正直な気持ちです。
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デビューライブ前に色々書くのは中途半端な記事になってしまうなとは思ったのですが、どうしても気持ちが溢れてしまって書かずにはいられなくなってしまいました。
さいごまでお読みいただきありがとうございます。
ピコリモードのデビューライブの後にまた改めて記事を書こうと思います。
一応アンスリューム関連の記事は下記マガジンにまとめてあります。お時間がありましたら是非。