Native ContactとQ値
タンパク質構造の解析でNative Contactsを使っている文献を見かけます。
この記事では、Native Contact や関連する物理量であるQ値(fraction of Native Contacts)の定義や算出方法について紹介します。
Native Contactとは何か
Native Contactとは、ある構造中での「接触」(contacts)のことです。
「接触」とは何かというと、ある距離より接近していることです。
つまり、異なる残基の原子同士がある距離より接近しているとき、「接触」しているとみなします。
しきい値となる「ある距離」ですが、3より離れた残基ペアかつheavy atoms間の距離を4.5Åとしている文献がありました。
Q値とは何か
Q値とは Fraction of Native Contacts、つまりNative Contactの割合のことです。
例えば、MD計算の初期状態をreference構造としたとき、トラジェクトリー中の構造が、どれだけref構造のNative Contactを保持しているか計算します。
Q値はいくつか計算方法があるようです。
1.Hard Cut
2.Soft Cut
3.Radius Cut
いずれにしてもQ値は0~1の値をとり、reference構造に近いほど1に近い値をとります。
MDTrajを使った算出方法
トラジェクトリーの解析ライブラリであるMDTrajでは、Q値(Soft Cut)を算出してくれるサンプルスクリプトを公開しています。
気になる人は使ってみましょう。