GROMACSのtopファイルの[defaults]欄は何を意味しているか?
GROMACSのトポロジーファイル(*.top)の[defaults]は普段意識することはありませんが、何を意味しているのでしょうか?
[ defaults ]
; nbfunc comb-rule gen-pairs fudgeLJ fudgeQQ
1 2 yes 0.5 0.8333
GROMACS 公式の説明は下記です。
[ defaults ] :
● nbfunc is the non-bonded function type. Use 1 (Lennard-Jones) or 2 (Buckingham)
● comb-rule is the number of the combination rule (see Non-bonded parameters).
● gen-pairs is for pair generation. The default is ‘no’, i.e. get 1-4 parameters from the pairtypes list. When parameters are not present in the list, stop with a fatal error. Setting ‘yes’ generates 1-4 parameters that are not present in the pair list from normal Lennard-Jones parameters using fudgeLJ
● fudgeLJ is the factor by which to multiply Lennard-Jones 1-4 interactions, default 1
● fudgeQQ is the factor by which to multiply electrostatic 1-4 interactions, default 1
nbfuncはvdW相互作用の関数系の選択。
comb-ruleはLJパラメータの組み合わせルールの番号で、2番はよく見るこちらのルールです。
gen-pairsをyesにすると、1-4 interactionのパラメータを生成します。このとき、LJパラメータにfudgeLJ(次に登場)をかけ合わせます。
ちなみに1-4 interationというのは下図でいうところのiとi+3の位置関係における相互作用のことです。dihedralの端と端の位置ですね。
vdW相互作用や静電相互作用といった非結合相互作用はすべての原子間で働くわけではありません。(i, i+1)、(i, i+2)のペアは量子力学的な相互作用であるため非結合相互作用から除外(Exclusion)されます。(i, i+3)のペアはある種中途半端な位置関係であり、通常の非結合相互作用だとまだ強すぎることがあるため、50%だけ含めるようなことをするわけですね。これが1-4 interationです。
fudgeLJはLJパラメータに掛け合わせる値です。上記の0.5という値によりLJパラメータに0.5をかけていることになります。
fudgeQQは静電相互作用に掛け合わせる値です。
私の経験ですが、ポリマーを緩和をしているときに、どうしても途中でエラーになることがあったのですが、fudgeLJを調整することで切り抜けることができました。もちろん最終的にはもとの値に戻す必要がありますが。