さんぴん茶の話
自動販売機でさんぴん茶を見つけた。
どこのメーカーの自動販売機か分からないタイプの自動販売機だ。
私は自動販売機でさんぴん茶を見たのはこれが初めてである。
他のラインナップは、
ケミカルな炭酸飲料や見たことのないジュース。
この自動販売機は実にワクワクする。
そして問題はさんぴん茶である。
ペットボトルにはシーサーのイラストがあり、
全体的に陽気であったかいようなデザインである。
まさに沖縄というようなデザインだ。
ところで、一見問題なさそうだが何が問題なのか。
それは、
さんぴん茶って、何茶?
という、大きな問題である。
さんぴん茶が何茶なのか答えられるであろうか。
答えは否だろう。
少なくとも私にはその知識がなかったのだ。
一般常識なのだろうか?
沖縄に生まれたら
当然のように答えられるのだろうか?
沖縄に由来するものなのであろうことはわかる。
自販機の話とお茶の話しかしないじゃあないか。
そう思われてしまっても仕方がない。
しかし気になってしまったので調べてみる。
基本的にインターネットに転がる情報を断片的に拾ってくるだけの付け焼き刃で知識とも言えない知識、情報なのだが、、。
自ら気になって調べることもしないだろう。
だから私が調べるのだ。
そして少しでも人生に良い影響を与えることを信じている。
私自身と、
それを読んでいただいたそこのあなたに。
誰かとの雑談の足しにでもしていただければ、
きっと私の素朴な疑問や本来どこにも行き着くはずのなかったこの感情も報われよう。
そうなれば幸いだ。
報われているのかどうかは確認のしようがない。
だから、信じて掃溜めるのだ。
私のために。
ついでに、誰かのために。
あとがきのようになってしまった。
危うく何の話をしているのか忘れるところだ。
話を戻そう。
さんぴん茶さんぴん茶さんぴん茶さんぴん茶。
そうさんぴん茶だ。
調べてみる。
そして、私は驚愕することになる。
というか、驚愕した。
結論からいうと、
さんぴん茶は、
ジャスミン茶だったのだ。
さんぴん茶というのは、
ただ、沖縄の方言だったのだ。
なんてことだ。
知らないと散々騒ぎ立てたのに、だ。
ジャスミン茶だったのだ。
一度も飲んだことないと、言ったか言わないか忘れてしまったがジャスミン茶だったのだ。
恥ずかしくて、ここまで書いてはみたが、
全部消して書き直すことも考えた。
しかし、その恥ずかしさもこの感情の掃溜めに置いておこうと苦渋の決断をした。
そして知ることができたのだ。
これは紛れもない成長、進化である。
このような小さな疑問も成長に繋がっているのだ。
生かすも殺すも自分次第なのだ。
ジャスミン茶はおもに緑茶などの茶葉にジャスミンの花を混ぜて香りをつけて作られる。
さんぴん茶は厳密にはジャスミン茶の一種であるらしい。
一般的には上記の製法だが、さんぴん茶は半醗酵茶にジャスミンの花を混ぜて作られるようだ。
半発酵茶とはあまり聞き馴染みがないが、
ウーロン茶がその代表的なお茶らしい。
以前、緑茶の話で不発酵茶の話に触れたのだが
ここで少し話が繋がってきて面白い。
やはり知識が増えることは生活が少し豊かになる。
そんな気がする。
ちなみ、さんぴん茶の名前だが
中国語でジャスミン茶を指す
香片茶(シャンピェンチャー)が
訛って、さんぴん茶になったそうだ。
そして、もう一つ驚愕した。
ネットの情報なので鵜呑みには出来ないが、
さんぴん茶は沖縄県内では生産されていない。
ほんと?
中国福建省や台湾で生産されたものが輸入されているらしい。
ほんと?
つまり、整理すると。
日本のどこかにジャスミン茶が伝わり、
それが各地に広がる。(経緯は調べていない)
沖縄ではそれがさんぴん茶と呼ばれる。
他の地域ではジャスミンと呼ばれる。
つまり、沖縄県特有のものではない。
そういうこと?
いままで沖縄の特産品みたいな、
そんなイメージだったけども?
ただ勝手にそんなイメージを持っていただけで、
名前がキャッチーでかわいいだけで、
勝手に沖縄のものみたいに思い込んでいただけ?
普通にコンビニに売ってるよジャスミン茶。
今回のことから得るべき教訓は、
知らないだけで、
知っていることもある。
だろう。
とはいえ、沖縄県内で生産されていないということも知ることができた。
知らないことは知っているふりをしない。
知っていることを知らないふりはしない。
意外とやりがちかも分からないが、やめよう。
そう心に誓う。
そして小さな疑問も小さな知識の成長をもたらす。
その楽しさ、気づき始めた今日この頃。
ジャスミン茶は飲んだことがあるが
さんぴん茶は飲んだことがない。
そう言っていいのかわからないが、
さんぴん茶という心持ちでは飲んだことがない。
少なくともさんぴん茶と思って飲んだことは。
今度飲んでみようと思う。
さんぴん茶とジャスミン茶も
飲み比べてみるのも面白いかも知れない。
そして、
さんぴん茶の心持ちでジャスミン茶を、
ジャスミン茶の心持ちでさんぴん茶を、
飲んでみるのも面白い。
その時には報告をしよう。
きっとこのことを思い出すだろう。
どちらも違うもののように話してしまったので、
結局どちらなのか私も分からなくなってきた。
知識は実に面白い。
実は知っていた、
知らないと思っていただけの、
さんぴん茶の話。
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