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ふらっと立ち寄りたいアットホームな立ち飲みワインスタンド

小田原おしゃれ横丁。駅からまっすぐ進んだ突き当たり。左手にその店はある。
「kiori」
きおりと読む。
2023年12月にオープンしたばかりの、ワインの立ち飲みバーだ。女性が一人でやっているお店で、店内は客が6人入ればいっぱいの、本当に小さい店だ。

Instagramより

僕が訪れたその日は、週末だということもあり、店内にはすでに5人の先客がいた。僅かに空いているスペースに、体を滑り込ませた。

1杯目は白ワイン

泡、白、赤、ロゼ、オレンジ。
それに甘い、軽い、など好みを言えば、それにあったワインをグラスで提供してくれる。僕は甘くない白ワインをオーダーした。キリリとよく冷えたワインが、冬の乾燥した空気で乾いた僕の喉を、スッと潤す。この店で飲むことのできるワインは、全てナチュラルワインだ。
日本語では「自然派ワイン」、フランス語では「ヴァン・ナチュール」。最近よく聞くこのワインの呼び方だが、明確な定義が定まっているものではない。作り手側の、自然に対する尊重の姿勢を指すものだと、僕は理解している。添加物や保存料を使わず、極力人の手を使わずに自然の力を借りて醸造する。その地域の特徴を、より明確な風味となって感じることができるワインである。

Instagramより

店内は、皆知り合いなのだろうか、と感じるほど、全員が仲良く話している。その中心で、絶妙の合いの手を挟むのが、この店の店主、山田啓子さんだ。聞けば、この店に来るお客さん同士、たいていすぐに皆打ち解けてしまうのだそうだ。
この適度な狭さが演出する距離感が、きっとそうさせるのではないか、そう感じた。それに加えて、山田さんの人柄が、ここに立ち寄る人たちの、心の紐をほどいてくれる。気づけば、僕も自然とその話の輪の中に入っていた。このお店自体が、一つの空間となり、みな心地よく同じ方向を向く。来店する客の目的はみな違えど、ここに来て「楽しい」と感じることは、全員に共通している。
僕が入店した後、2人が帰り、その後すぐに1人で入ってきた女性がいた。仕事で嫌なことがあったと暗い顔をして話し始めた彼女。でも、帰る時には笑顔だったのが印象的だった。

この日のメニュー

美味しいワインのお供になるのは、山田さんが作るオリジナルの料理だ。王道から変わり種まで、どれもリーズナブルに提供してくれる。僕はポテサラと、ウフマヨをオーダーした。

ポテトサラダをクラッカーに乗せて食べる

ポテトサラダの中に、なんとみじん切りされた「いぶりがっこ」が散りばめられた一品。「いぶりがっこ」とは秋田の伝統的な漬物で、干し大根を燻製にしたもの。クリーミーなポテサラに、燻された香りと歯応えのある食感がアクセントとして際立つ。ワインがすすむ。

フランスのビストロに欠かせない「ウフマヨ」。ゆで卵にマヨネーズをかけたシンプルな料理だが、お店の数だけレシピが存在すると言われるほど、特にマヨネーズソースのオリジナリティが問われる一品。そのゆで卵をなんとピータンに変えて、皿に敷き詰められたきゅうりと一緒に頂くスタイル。発酵した卵の独特な香りを、ソースが優しく包む。気づくと赤ワインのグラスが次々と空になった。(ウフマヨ、写真の撮り忘れです、ごめんなさい)

二品とも「あ、これ、今度家でも作ってみよっ」と思える面白いアイディア溢れる料理だった。
他にも、気になるメニューがたくさん。それはまた次回のお楽しみ。

kioriは季織と書くらしい

ふらりと寄るのに最適なお店。でも、店内に入ったら、美味しくて楽しくて、ふっと帰れなくなってしまうかも。
結局僕も、閉店まで過ごしてしまった。
16時から開店しているので、0次会としての利用もできるな、と次の来店をすでに楽しみにしている僕がいた。

↓kioriのInstagram
https://www.instagram.com/kiori_wine_stand?igsh=MWFtMHk4eDRndzVneg==

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