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僕がフジロックに20年通い続ける理由
私自身、3年ぶりのフジロックである。しかも、前夜祭からのフル日程参加だ。
2020年、コロナで中止。2021年は、国内アーティストのみの「特別なフジロック」開催。この年は参加予定だったが、私自身ワクチン接種が出来ていないことが決定打となり、直前でキャンセルした。既に苗場に向けて送ったテント類を、金曜日に自宅で受け取った。自宅で見た配信によるライブは、いつもそこにいるはずの空間に自分がいないことが悔しく、どこか奇妙で、全く楽しむことが出来なかった。
で、今年。早々に参加を決め、早割でチケットを取得した。
7月に入ると、それまで落ち着いていたコロナが再び感染拡大を始めた。開催間近になると、過去最高の感染者数を日々更新し続けたが、今年は参加を強行した。第7波にあたる今回は、どこにいても、誰でも、ワクチン接種していても、感染リスクを伴う。全ては自己責任だ。それに、昨年同様の虚無感を味わう夏は、もう嫌だった。
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木曜日、新幹線で越後湯沢へ。そこからシャトルバスで会場へ。バスを降りて、すぐに深呼吸。ただいま、苗場。
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坂を登らなければ辿り着けないが、空いてる。
設営後、急な雨。間一髪でセーフ。
雨上がりに掛かった虹!
2004年に初めてフジロックに来てから、約20年。当時20代だった私も、当然40代になった。それまでずっと、木曜日の前夜祭から、全日程参加して月曜日に帰宅、を続けて来たが、40代になってからここ数回は、前2日券か後2日券で参加していた。そう、体力的に限界を感じての選択だった。
しかし、今年は久しぶりのフル日程参加である。コロナで蓄積した鬱憤を払拭しようと、45歳の体力低下を勘定に入れず、感情的に即決した。
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若い頃のルーティンがそうさせるのか。
前夜祭が好きだ。本日程は金曜からの3日間だが、毎年、前日の木曜日に前夜祭がおこなわれる。これ、実はチケットが無くても入れる。無料なのだ。私が地元の中学生や高校生だったら、クラスの好きなあの子を誘っての参加を夢見ていたと思う。フジロック最大の飲食エリア「オアシス」は全店営業を始めているし、レッドマーキーステージではライブも開催させる。世界中の料理が出店されるこのエリアは、香辛料や、炭火の匂いが立ち込め、すぐに空腹感を覚える。毎朝5時まで営業している!
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結構人が入っている。
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マメヅカだけでも充分なんです。
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レッドマーキー内の空気もまだ澱んでいない。
クラッシュからブルーハーツの流れで、不覚にも感涙してしまった。
みんな、ライブに、爆音に飢えていたと思う。
私の後ろの男性も、泣いていた。
さて、ここからは、私がなぜフジロックに魅せられ、通い続けているのか、考察してみる。
音楽ファンだから?もちろんYESだが、それだけではない。
ズバリ一言で表すと、「美しい」のだ。これに尽きる。
楽しみ方は人それぞれだと思う。ライブを1日にフルで見続ける人もいると思う。だが私は、1日に見るライブは3本程度だ。それ以外は、会場をブラブラと移動したり、木陰でビールを飲んだり、フジでしか会わない友人と待ち合わせしたり。
その全てが、美しい、と言ったらさすがに言い過ぎか?
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夜は、さらに幻想的なライティングで色気を増す。
こんなトコを女子と2人で歩いたら、自然と恋が始まってしまう。
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たなびく旗の色褪せ方一つ取っても、美しい。
ここでは風が色を帯びで頬を撫でる。
最高に深いリラックスを得られる贅沢な空間。
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アメリカのバンド、Dawesの演奏。
ステージの雰囲気と有機的な音がマッチして、筆者の今年のベストアクト!
今年の感想。
①運営側は、密にならない場所、会話をしない状態であれば、マスクはしなくても良いとアナウンスしていたが、そこはさすが日本人。まじめにマスクをしている人が多かった。全日程を通して、奇跡的にほとんど雨が降らなかった事も影響していると思う。屋外で雨、傘が禁止されている会場でのマスクは想像したくない。筆者も雨の中のマスクを想定して、必要以上の枚数を持参した。すぐ濡れて何度も取り替えられる様にだ。
②久しぶりの全日程参加、予想通り、いやそれ以上に疲れた。iphoneの万歩計を確認すると、1日平均35000歩ほどだ。25kmほど歩いた計算となる!両足の指に大きなマメが出来てしまった。そして何より、飲み過ぎなのよね。分かってる。
③そんな疲れをリセットするために、サウナに入りたかった。周辺のサウナのあるホテルに連絡しても、フジロック中に日帰りで入れてもらえるホテルはなかった。苗プリのお風呂も、なぜかサウナだけは休止中だった。移動式サウナを出店したら、結構人気出ると思う。昔、ピラミッドガーデンにサウナがあって、毎日入っていた。今思い出すと、サウナブームを先取りしすぎていて、やっと時代が追いついた感じか。
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空いている時間帯、ここの露天風呂から見た「狐の嫁入り」の幻想的な美しさこそ、
今年のベストアクト!
④全てに感謝。
木曜日から、休暇の取れる職場。嫌な顔せずに送り出してくれる嫁さんや子供たち。毎日べろべろのなるまで飲んでも、翌日また朝からビールを飲める丈夫な体に産んでくれた両親に。いっつもばか話に付き合ってくれる友人たちに。一切手を抜くことなく、素晴らしい会場を作り上げてくれるスタッフたちに。全ての憂鬱を吹き飛ばしてくれる最高のライブを見せてくれたアーティストに。
太陽に。雲に。風に。
苗場に、感謝。ありがとう。