プロポーズは祭りの夜に
The Pogues(ポーグス)のシェインが亡くなった。65歳と聞くと、若いと思うが、シェインの場合は、長く生きた方か。長くドラッグ中毒、アルコール依存症だったと聞く。
劇的な復活からフジロック2005に出演した際には、観客には多くのアーティストが、ポーグス見たさにレッドマーキーのステージに集まったそうだ。
僕には、ポーグスの忘れられない曲と、夜がある。
2006年10月7日、朝霧JAM。僕は、そこで妻にプロポーズした。あの曲が流れたら、プロポーズしようと初めから決めていた。
その曲は、fiesta。
アイリッシュパンク、ケルトパンクと呼ばれる彼らのスタイルは、自発的なダンスを生む。その中でも代表的なお祭りソングだ。ポルカのリズム。
冷たい秋の風が吹く夜、観客はみな薄手のダウンを着ていた。
ステージのシェインは呂律の回らぬボロボロの発音で楽しそうに歌っていた。彼は、半袖のシャツ一枚でヨボヨボのダンスを見せた。
僕も、半袖のポロシャツ一枚だった。寒くなんかなかった。
fiestaは、僕の人生の、祝祭の始まりを告げる曲だ。僕の記憶の中で、それはこれからも鳴り続ける。
https://youtu.be/KZFhVGkIeCc?si=QS3-VTzI4V9elm6q