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《RHINOCEROS by Zoogosit》サイ

Zoologist Perfumes "RHINOCEROS"はサイのポートレート、乾いた熱風にさらされる、気骨のあるハーバル&スモーキーウッディ香水です𖦸𖦸

2014年11月にZoologist Perfumesが発表した最初の香水が、このRHINOCEROSと、PANDA、BEAVERの3種類でした。
2020年冬にニューフォーミュラが発表され、2014年版の在庫がなくなるまでは2020年版のライノセラスと両方が取り扱われるそうです。

RHINOCEROS 2014

TOP 𖡻 ミストサウナのように熱を帯びたハーバルなウッディノート、繊細だが骨太な香り立ちに心底うっとりする。エレミやアーモイズマグワートの冴えたニュアンスを絡めながら、セージやコニファーのからりとドライな木質の香りに。そこへ、ラムやベルガモットを吸った大地が蒸発するように甘い風味が出始める。
体温が高いと、滴るような甘さが増します。

HEART 𖡻 くすぶるような煙たさが突き上げてくる。スモーキーだが、バルサミックウッディの存在を追い越すことはなく、更に低層から持ち上がってくるアガウッドやタバコノートと合流してドライな辛みが増す。
鼻を寄せると細やかな香りを嗅ぎ取れるが、全体像はしっかりスモーキー。拡散力も定着力もあるのでつけ過ぎ注意です。

BASE 𖡻 スモーキーノートは続き、拡散される勢いこそ弱まるものの、続々追い重なっていく。ベチバーやレザーによく馴染んだ煙たさから、吸殻のような辛さが引くと、サンダルウッドを介して木樽のようなウッディに。

TOP: Rum, Bergamot, Lavender, Elemi, Sage, Armoise, Conifer Needles
HEART: Tabaco, Chinese Cedar Wood, Geranium, Pinewood, Agawood,  Immortelle
BASE: Sandalwood, Amber, Smoke, Vetiver, Leather, Musks

Armoiseはヨモギ属の一種(Artemisia alba?)で、アーモイズ、ホワイトワームウッドと呼ばれます。フレッシュでほろ苦い樟脳のような強い香りから、あまい草本や茶のようなドライダウンをするそうです。ライノセラスの調香ではまさにハーバルウッディなトップノートからスモーキウッディなハートノートへ横たわり、橋渡しになっている印象です。
ちなみに、ニガヨモギ(ワームウッド)やタラゴンなどアルテミシア属の薬草をマグワート (Mugwort)と総称するようです。


RHINOCEROS 2020

2020冬発売の告知がありました。

ダークなタバコノート、照る太陽やダスティな風が吹き荒ぶイメージはそのままのようです。
ウイスキーやコーヒーの香りが加わります。これまでゼラニウムやイモーテルといったグリーンフローラルが彩りになっていましたが、新調香のフローラルノートはイランイランのようです。

TOP: Pink Pepper, Whiskey, Coffee, Rum, Basil
HEART: Leather, Incense, Tobacco Absolute, Flouve, Ylang Ylang
BASE: Laos Oud, Patchouli, Nargamotha, Oakmoss, Amber

Flouveはハルガヤのなかまで、芝草や牧草にも用いられますが、占有力の強い雑草でもあります。乾燥させると香りが高まり、クマリン、配糖体、安息香酸を含む甘い香りがするそうで、根はクマリン濃度がより高いそうです。

Nargamotha(ナルガヤタ)はシプリオールの根から抽出する精油で、樹脂感や土臭さのあるダークなウッディ、アーシーノートだそうです。


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ラベルに描かれたサイをよくみると、口元は幅広の台形をしています。これは地面に生えた草を食べるシロサイ(Square-lipped rhinoceros)特徴です。頭骨上部にくぼみがなく角の根元がぐっと太く描かれているのでキタシロサイのように見えます。

現在、ケニアのオルペジェタ自然保護区に2頭のメスのキタシロサイがいます。
2018年3月に最後のオスが亡くって絶滅を待つしかないと思われましたが、体外受精卵を培養して近縁種ミナミシロサイに胚を移植する試みは続いています。

日本でサイをみたら、口先のかたちを見てみてください。台形ならミナミシロサイ、三角に尖っていたらクロサイのなかまです。

余談でした𖦸𖦸

いただいたサポートはすべて香水にそそぎます𖦸𖦸‼︎