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《BEE by Zoogosit》ミツバチの女王
Zoologist Perfumes "BEE" はミツバチのポートレート、ミクロとマクロを詰め込んだリアリスティックな蜂蜜、明喩的な女王バチの香水です𖦸𖦸
もしほっこりやさしいハニーノートを求めていたら、ちょっと痛い目をみます🐝
担当は、Cristiano Canali氏は薬学士から香水業界へ転向した調香師です。南仏のArgeville社に勤め、Zoologistを含めた他社香水の調香もしています。
本物の蜂蜜から抽出される香料は香水に使用できるグレードにはなりません。BEEのキーノートであるロイヤルゼリーアコードはミツロウを主成分につくられましたが、その本物の成分を使うことが目的ではないので、ビーワックスアブソリュートに花のエキスを加えて”命の輪を包み込むような雰囲気”を再現したそうです。
BEE
TOP 𖡻 こってり喉に絡みつくワイルドな蜂蜜。糖分の結晶をざりざり感じるほど甘く、甘過ぎて辛いような感覚がジンジャーシロップに。香りが味覚や触覚に及ぶリアリティを再現したロイヤルゼリーアコードは、フレーバーに近い迫力。
蜂蜜がたっぷりあるのか、私が小さいのか。肩まで浸かるとこんな感じだろう。
HEART 𖡻みつばちのスケールを理解できてくると、全身はちみつの香りをまとったまま、花の存在にも意識がまわる。どこに咲いているとかではなく、一体化していて、蜂蜜を通して感知するような。香りとしては、この段階でワックスの軟質な固形感が出てきて、とろとろ状態ではなくなる。
パウダリー、アニマリック、ファッティ、シトラス、バルサミック、ミネラル…識別できないが、香料に明記されていない様々な要素が混在しているのがわかる。これがカオス化せず、ハニーワックスの仕切りに収まり、ロイヤルゼリーアコードによって平定されている。
BASE 𖡻 全体を通して蜂蜜の香りだが、これをシングルアコードとは言わない。ドライダウンしても蜂蜜の印象は残るが、この頃にはベタベタした感じは一切ないのでサンダルウッドやウォームウッディな下地がとても丁寧に働いている。
観察しても紐解けず、どう転んでも蜂蜜の中。蜂蜜の汗をかき、蜂蜜の血を流し、蜂蜜の息を吐く、ミツバチ体験ができてしまう香水。
TOP: Orange, Ginger Syrup, Royal Jelly Accord
HEART: Broom, Heliotrope, Mimosa, Orange Flower
BASE: Benzoin, Labdanum, Musks, Sandalwood, Tonka, Vanilla
BEEは2019年に発表され、Art and Olfaction Awards 2020 インディペンデント部門のファイナリストにはSQUIDの2作品がZoologistから選出されました。
ちなみにこの年は、私が愛用している Ganymede by Marc-Antoine Barrois と Post_Hume by Son Venïn もファイナリストでした!
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BEE開発当初、Cristiano Canali氏はZoologistへ「ヒキガエル」の香水を提案したそうです。残念ながらその案は通りませんでしたが、話題に上がったミツロウをテーマに掘り下げる事が決まったそうです。
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