《MACAQUE by Zoologist》猿

Zoologist Perfumes "MACAQUE"は猿（ニホンザル）のポートレート、平和な山奥の幻想風景、無心になれるグリーンウッディで心が整っていく香水です𖦸𖦸

調香はSarah McCartney氏、2015年に彼女がZoologistにコラボレーションを持ちかけてマカクの調香が始まりました。

古代の森にある厳粛な寺院や瞑想的な香りをイメージしているそうです。
和装をしたニホンザルの姿、香料には乳香や杉が使われていますが日本らしさを表現するものではなく、生態や生息地に着目した香りです。日本を含めたアジア圏の寺院文化や山奥の環境に、理想郷を投影したようなマカク仙人の隠居を空想します。

MACAQUE 2016

TOP 𖡻 かたく搾られたレッドマンダリンとグリーンアップは皮の渋みや青さをふくんだ、果肉よりも剥いた皮の方のフルーティなグリーン。

HEART 𖡻 静かで軽いグリーンノートがシダーやフランキンセンスで行儀よく整えられ、そこにジャスミンティーを思わせる少し渋さやクリーミーな要素と、すこし酸っぱいようなウッディが漂う。花の要素はあれど、全体像はアロマティックでしっとりした薄緑色。丁寧に刈り込まれたガルバナムの葉の香りがキーになっているそうなのできっとそれ。
連想するのは、風通しのいい小間と中庭。いわゆる和の香りの印象は持たない。ほどよく明るく、人がいない茶室にすこし暖かい季節の気配が入り込んだような。
ハニーが分からない程度にジャスミンティーやグリーンティーを後押ししている。

BASE 𖡻 ガルバナムにグリーンティーが重なって、居心地がいい印象。軽量のモスとウードとムスクがあわさると、アニマリックノートとまでは言わないが、粉を叩いたさらさらの毛並みを思わせる。うっすら酸っぱい香りが長く続くのが印象的。
酸っぱさやフレッシュグリーンが引いた後のベースノートは、甘さ控えめ宇治抹茶アイスクリームのような余韻。おいしかった、の持続性が長い。

TOP: Cedar, Green Apple, Red Mandarin
HEART: Frankincense, Galbanum, Honey, Rosewood, Ylang Ylang, Jasmine Tea
BASE: Cedarmoss, Green Tea, White Oud, Musk

🍏🐒

調香師Sarah McCartney氏は、普段は彼女の香水店 4160tuesdays (2013〜)を経営していて、自社ブランドやコラボレーションで多数の香水を手掛けています。フルーティーなシプレやグルマンが得意なようです。

彼女は大学では霊長類学を専攻していたそうで、多くの人が抱いている「いらずら好きで活発なカートゥーンモンキー」ではない本当の猿を表現できるような、知的で社会的な印象を与える香水を作ろうとしました。

日本の猿に着目し、例えば、バナナが自生していない日本ではニホンザルは人里で盗めるユズやリンゴが好きだとか、よく毛繕いをした清潔な身体からはすこしフルーティーな猫の香りがする、という具合に香料やアコードを決めていったそうです。

An Interview with Sarah McCartney, the perfumer of Zoologist's Macaque

マカクは聞き慣れないかもしれませんが、絵を見ればサルだとわかります。
日本の猿といえばニホンザルです。マカク属は、主にアジアの森林や山にひろく分布し、環境適応力や社会性が高いので人の生活圏にも現れます。亜種や交雑種も多く、日本にはニホンザルだけでなく外来種のアカゲザルやカニクイザルが野生化、交雑しています。顔だけで同定するのはとても難しいです。
ニホンザルは、顔と尻が裸で赤く、白灰色で寒さや湿気に強い体毛、とても短い尻尾が特徴です。

余談でした𖦸𖦸