今を生きる者、甘えるなって言われるか
近年、デジタルの世界では発展が著しい。
AIがこれだけ発展してくれば、凡人の思いつくことなど、
ほぼ、AIが判断、提案をしてくれるだろう。
そんなAIだって、昔は夢物語だったはず。
未来を見据え、開発目標を設定し、予算が裁可され一歩ずつ進化してきたのであろう。そしてこれはまだまだ成長分野である。ゴールも無限に設定できるだろう。
対して、アナログの世界に私たちは生きているのだが、先週から、埼玉県でインフラの老朽化を起因とする道路陥没事故が起こってしまった。
重大な案件で、要救助者が1週間以上も救助されておらず、また同時に、道路の復旧のめども立っていない。
これは、下水道管の腐食による道路陥没なのだが、下水管を埋設するというインフラ事業も、予算がついたころには、最先端で必要性がある有望な事業だったに違いない。
ここまで下水管を引こうとか、ゴールを設定し予算が裁可され、目標に一歩ずつ近づいて行ったのだろう。が、目標に達したとき、工事の完成をもって、成長分野と別れを告げたのだろう。
一度成長分野から別れを告げれば、周りからは、あって当然のもので、存在を意識しながら使うことも少ないだろう。
例えば、ものすごい夢の技術FFFができたとする。
FFFを使えば、人間事故なく空を飛ぶことができます。しかも無料で。
そんな画期的な技術ができたとしても、皆さんがFFFを当たり前に使って空を安全に飛べば、FFFという技術は、名前などどうでもよく、
なんだかわからないけど、空を安全に飛べていいね!
と、この段階に落ち着くはずである。
つまり、なんだかわからないけど、あるのが当然、なかったら困る。
名前なんてどうでもいい。
そう、この段階が、今回の成長分野と別れを告げた下水管だったわけである。
今後、デジタル社会においてもやぶさかではない。
最先端の一部のAI以外は、今回の成長分野と別れを告げた下水管と同じものになるのだと思う。
常に学習し同時に、デジタル社会に存在するため、アナログ世界の地面に急に穴が開く・・・なんてことはないだろうが、システムを使い倒す現代人は、
そのシステム障害でアナログ世界に多大な被害を被り、大混乱になる可能性を残していると考えることは、容易に想像がつくと思う。
また、同時に、AIが今まで自分たちで作ったシステムを自分で破壊することができるという点も懸念材料ではある。
したがって、成長産業だの、成熟産業だの、どうのこうのいう気はないが、
原点というのはこういったもので、いろいろ注意しながら生きないといけない。技術進歩に甘えすぎるな。本質は見失うなよ。こういった警鐘を鳴らしているのかも知れない。
知らないよ。未来がどうなっているかは。
誰かの逆算で、世の中ができているのは間違いがない。