心を掴まれた瞬間[賢い医師生活]
※前のレビューを消してしまったので、再投稿
ドラマのレビューって難しい。
各場面でいろいろ思うことはたくさんあるけど、それをいちいち書いてたら、ドラマに集中できない。
でも、見てたら書きたくなる。
その無限ループ笑
で、結局、このドラマに心を掴まれた瞬間を書くことにした。
このドラマの好きなところは、仲間同士のわちゃわちゃとか、胸キュンの恋愛とか、患者さんとの心温まるエピソードとかいろいろある。
だけど今回は、「このドラマ、面白い!」と、心をわしづかみにされた瞬間を書きたい。
※本作未視聴で1ミリもネタバレされたくない方は、ブラウザバックを
twitterにも書いたりしたけれど、その瞬間はかなり早くて、1話の前半でガッツリつかまれ、そのままノンストップで最終話まで辿り着いた。
救急車に同乗したソッキョンが「寒いんです」と答えた瞬間
申し訳ないけど、ソッキョンのキャラと風貌で「医者」ということに、ちょっと意外性を感じながら見ていた。
(この時点で、ステレオタイプな医者の描写じゃないことに、既に期待値は高まってたように思う)
感電した作業員を搬送する救急車に同乗したソッキョン。
血圧と脈が戻ったというのに、まだ震えている同僚を見たもうひとりの作業員が、
「なぜ震えているんですか?」と聞き、
その答えが、
「寒いんですよ」
フフッ^^となった。
私の予想では、見た目は、“デキる医者”という風貌ではないソッキョンが、ここで、普通の医者では気づかないような目利きの診断をして、周りが「おお!!」となる展開だと思っていたのだ。
それを見事に裏切られ、「あぁ、このドラマは何でもないことに焦点を当てて、それを温かく、ちょっと可笑しく描くドラマなんだ」とわかり、一気に興味がわいた。
研究室で仮眠するソンファが取った電話
私が思う、このドラマの魅力のひとつは、「気持ちのいいミスリード」。
この後もたくさん出てくるが、「このあと、こう展開するかも?」と思うと、全く違う答えが用意されていることが多々ある。
(私がその辺に鈍感というのもあるが…笑 おかげで楽しめているので、良しとしたいと思う^^)
物語は、冒頭、大病院会長の危篤というところから話が始まる。
(ここでもまだ、「あーこれで次期会長の座を巡る権力争いが起きるわけね。ハイハイ」と、疑っていた笑)
そして物語の中盤、研究室で仮眠を取っているソンファに電話がかかってくる。
電話の主は、「亡くなったよ」と話し始める。
そころが、その前段で、ダースベイダーのヘルメットが頭から取れなくなったという、イクチュンの衝撃的な登場と、待ちに待った肝移植が突然できなくなった患者さんの絶望と、その移植手術にピンチヒッターとして、イクチュンがヘルメットを被ったまま執刀するというコミカルな展開で、物語の冒頭に出てきた「会長の危篤」なんて話題は頭から吹っ飛んでいた。
だから当然、「亡くなった」というのは移植手術に臨んだ患者さんのことだと思った。
(ソンファも、同様に思っていたよう)
ところが、電話の主は「会長が亡くなった」と続ける。
ソンファと共に「あ…そっちね!」という気になった。
最高に気持ちよかった!
何かをクローズアップして、「これが物語のキーになりますよ」と示したり、誰かの表情を長く映してその心情を印象付けたり、という演出をしていたわけじゃないのに、見事に制作側の意図通りに気持ちを操られ、その反対を突かれたことが。
ここで、このドラマはこういう爽快な裏切りを提供してくれるドラマなんだ、とわくわくした。
(そのとおり、最後まで何度も気持ちよく騙された笑)
ジョンウォン父(会長)の葬儀会場での会話
私の思う、もう一つの魅力が、「会話劇の面白さ」。
それを最初に感じたのがこの↓シーン。
ジョンウォンの携帯がけたたましく鳴る(救急車のサイレン音)。
びっくりしたジョンワン(心臓外科医)が
「子供が落ちる(=流産する)かと思った(애 떨어지는 줄 알았네)」
と言い、同じく驚いたソッキョン(産婦人科医)が、
「心臓が破裂するかと思った」
と言う。
お互いの専門分野に絡む表現だったので、心臓外科のジュンワンが「心臓が破裂するなんて、軽々しく言うな」と言い、産婦人科医のソッキョンが「子供を失うことがどれほど悲しいことかわかってるのか」と言い合いになる笑
更に、それを見たジョンウォンが
「いい加減にしろ。頭が割れそうだ」
と言うと、脳神経外科医のソンファが「頭が割れる?そうなったら、あんた死ぬわよ」と畳み掛ける。
「驚いた」ということを表現するだけなのに、韓国語の慣用句と彼らの専門分野をうまく絡めてこうも面白く展開するのか!と、全私がスタンディングオベーションだった。
(ここにイクチュンがいたら、「肝が落ちる(간 떨어지다)」も追加されたかもしれない笑)
とまぁ、こんな感じで1話で完全に心を掴まれ、普段は、30分のアニメか、一話完結型のドラマしか見られない私に90分✕24話という連ドラが襲いかかり、寝不足の日々が訪れるのであった…
編集後記? 2022-03-30
このレビューを書いたのは、2021年の年末頃。
しかし、2022年3月30日現在も、まだその熱は冷めてなくて、四六時中医師生活の動画を漁ったりしているw
最近に至っては、欧米ドラマ派の妹もドハマリしていて、2人でライン電話をしながら同時上映したりして楽しんでいる。
ディレクターズカット版のBlu-rayも出るということだし、まだまだ私の「医師生活」生活は冷めそうにない。