もぎたて!ムーンショット型研究開発事業と攻殻機動隊
令和2年1月、内閣府は総合科学技術・イノベーション会議の下、“ムーンショット目標“を発表した。
なんじゃそりゃ? 月にでも行くの? と勘ぐってしまいそうな、どこか怪しげに響くネーミングだけど、内容はそれと同じくらい挑戦的なものだ。その目標とは‥
1.2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現 ムーンショット目標1
2.2050年までに、超早期に疾患の予測・予防をすることができる社会を実現 ムーンショット目標2
3.2050年までに、AIとロボットの共進化により、自ら学習・行動し人と共生するロボットを実現 ムーンショット目標3
4.2050年までに、地球環境再生に向けた持続可能な資源循環を実現 ムーンショット目標4
5.2050年までに、未利用の生物機能等のフル活用により、地球規模でムリ・ムダのない持続的な食料供給産業を創出 ムーンショット目標5
6.2050年までに、経済・産業・安全保障を飛躍的に発展させる誤り耐性型汎用量子コンピュータを実現 ムーンショット目標6
WOW!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
めっちゃ攻めてる!
確かにこれらが実現されれば、多くのSF創作で描かれたような未来の世界の到来だ。ウイルスが蔓延しててもロボットが代わりに仕事いってくれるから大丈夫!
でも、このコロナ危機の状況下で、今だに布マスク二枚しか送られてこないような現状の日本では想像し難い未来だ。
もともとこのムーンショット型研究開発事業は超難題にチャレンジするってのが趣旨みたい。
「ムーンショット型研究開発事業」は、
我が国発の破壊的イノベーションの創出を目指し、
従来技術の延長にない、より大胆な発想に基づく挑戦的な研究開発
(ムーンショット)を推進する新たな事業です。
本事業では、未来社会を展望し、困難だが実現すれば大きなインパクトが
期待される社会課題等を対象として、研究開発を実施します。
破壊的!なイノベーション!!
これら6つの目標のうち、ムーンショット目標1が、かなりインパクトあるので、ちょっと細かく見てみる。
1.2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現
人が身体、脳、空間、時間の制約から解放される‥だと?
死なないよね??
とってもラフにオレの解釈を述べますと、知覚を共有できるようなロボットやアバターを操って、自分の代わりにいろんな事をやってもらうってことかな。しかもその自分の分身となるロボットやアバターは非常にできる奴ら!
んでその準備段階として、2030年までに一人で10体以上のアバターを同じ精度で操れる技術を開発する!?らしい。2030年ってわりと近くね?
アバターってのはサイバー空間で動く自分の分身の事だと思われる。他方、ロボットはフィジカルな世界ね。
誰もが多様な社会活動に参画できるサイバネティック・アバター基盤
サイバネティック・アバターは、身代わりとしてのロボットや 3D 映像等を示すアバターに加えて、
人の身体的能力、認知能力及び知覚能力を拡張する ICT 技術やロボット技術を含む概念。
Society 5.0 時代のサイバー・フィジカル空間で自由自在に活躍するものを目指している。
だから2050年には自分の分身となるロボットを(オレはドラミちゃん型にする)自分のアバターの助けを借りて動かせるってことかな?
でもドラミちゃん指がなかった!(オレの仕事は鍵盤弾き)
それで(ようやく)攻殻機動隊だが、分身ロボットを操るだけでなく、その分身に自分の脳を積む、というさらに一歩すすんだ世界のお話。
分身ロボットだけでは、操作する人間の身体はやがて朽ちてしまうが、ロボットに脳を積めば、身体が壊れても修理できるし、義体(ロボット)を乗り換えることもできる。便利!(単純)
しかし、この新しい生活スタイルにも、必ず何かしらの問題が出てくるわけだ。科学技術が進歩することによって失われてしまうものもあるしね。(JIN見てると江戸時代っていいなって思う)
そういった問題を攻殻機動隊は描いているので後学の為に、ここにピックアップしてみる。(電脳をハッキングしたりする犯罪行為というより、社会的なものに絞る)
1、古くなったロボットの使い捨てが社会問題に
電化製品も10年くらい使ったら新しいのに変えるよね? 新商品も続々と出てくるわけだし。それと同じ論理で、原作漫画にはロボットの保健所みたいなところが出てくる。
だいたい人型だろうし、AI搭載してるので、人間のように行動するわけだから扱いが大変!
2、自分の記憶が勝手に書き換えられていないか心配
これは怖い!
サイボーグなので定期的にメンテナンスが必要で、脳周辺もぱっくり開けて診察される。信頼できるお医者さまを確保しとかないとね!
現在でも飲みすぎてオレどうやって帰ってきたんだっけ?ってこと、けっこうありました。
3、ロボットの規格が変わって修理&アップグレード不可能に
こちらのバージョンはすでにサポートが終了しています。macユーザーならよく聞く話。
部品やソフトを作る企業が規格を変えてしまったら最後、もうメンテしてくれないのだ。
そして生きながら朽ちていく‥こえぇ〜
これは攻殻の新劇場版とかに出てきたはず。
4、原因不明の難病、電脳硬化症
19世紀における結核、20世紀における癌、世紀末におけるエイズの系譜に続き、新世紀初頭において隠喩的に死を意味する病(ソンタグ)として最も深刻な認識を喚起したのは、電脳硬化症であった。
その具体的症例としては、軽度の物忘れなどから始まり、症状が進行すると、言語野機能の低下、外部記憶装置との連携不和、重度の記憶障害などに至り、最終的にはいわゆる脳死状態を迎えるのが一般的であった。適切な治療により、症状の進行を遅らせることは可能ではあったものの、硬化症そのものを完治させることはできないと考えられていたために、その症例がはじめて報告されたときは、電脳を搭載している人口を中心に、一時的ではあるが広範なパニック状態を引き起こした。
鋼の肉体を手に入れてもなお、人間は病魔に悩まされる。いつの時代でもあるよね、きっと。
長くなってしまったのでここらでおしまい。
世界は絶えず変わっていく。良くも悪くも。実際、俺たちは今、コロナショックでライフスタイルの劇的な変化を体験中だ。だからなおさら、こんなSFのような未来も意外と早くやってくるのかもしれない、などと考えてしまう。
変化を受け入れる人にも、受け入れない人にも寛容な社会であって欲しいと思う。肩を並べて住まう場所は、人種とか文化とかじゃなくて、ライフスタイルの一致不一致で決めるような世界になっていったりして。