自分を紐解いてみる(お笑い編)
私の母は、お笑い全般が苦手な人だ。
その中でもウッチャンナンチャンの番組はわりと見ることが許されていて(いや禁止されていたわけではないけど、心情的に)、ウリナリや炎のチャレンジャー、特ホウ王国あたりはよくみていた。今我が子達が大好きな突破ファイルもウッチャンなので、こうしてナン十年もトップクラスにいるってすごいことだよなぁとしみじみ思う。
そんなこんなで、私が中3を迎えたとき。
新しく友人になった子が、NHKの爆笑オンエアバトルが面白いんだよと教えてくれたことが小さなきっかけだった。
おかげでまんまとハマった私は、何度もビデオで録画をみてはその子と盛り上がった。初めて「漫才」を見てワクワクした番組だった。コントももちろん面白かったけど、ただセンターマイクに向かって立って喋ってるだけでこんなにも面白い人たちがいる、という世界が衝撃で、いいなぁすごいなぁと感激したのを覚えている。もともと本を読むことが好きで、文字で頭を埋め尽くしていたいタイプの人間なので、言葉が多ければ多いほど喜んじゃうんですよね。しかもそれが「人を笑わせるために練りに練られた表現」で、なおかつ「普段だったら流してしまう当たり前のこと、こまかいことを、再発見させて笑わせてくれる」。こんな世界があったのかと、オンエアバトルを見ていて中学生の私は心震えたわけです。もうリスペクトしかない。
この番組への後々の評価が賛否両論のようだけど、少なくともお笑いライブを見に行く環境にない層に対してのインパクトは大きかったんじゃないかなぁと素人目には思う。
ルート33、チャイルドマシーン、ビッキーズはオンバトの記憶を引っ張り出すに当たって即頭に浮かぶ人たちだ。すごく好きだと思って、ネタを覚えた。ますだおかだ、江戸むらさき、飛石連休、ハリガネロック、ホームチーム…他にも名前を挙げようとしてオンバトのwikiをみたら、あまりにも多すぎたので割愛。
そうしてオンエアバトルを見ながら高校受験を乗り越えた私でしたが、意気揚々と入学した学校ではお笑い好きな友人を見つけることができず。私にオンエアバトルを教えてくれたあの子は進学しなかったので、進路が違えば連絡もとらなくなる。もちろん最初のうちこそ気にせず番組をみていたけれど、電車通学に高校生活のあれやこれやで家にいる時間がシンプルに少なくなったこともあって、そもそもテレビ自体をほとんど見なくなり。自分の部屋にテレビもないし、ガラケーのワンセグも使わないタイプだったし。使えなかったのかな?よく覚えてないや。
ふと気がつくとあの頃オンエアバトルで見ていた芸人さんたちがちらほら、バラエティ番組に出るのを見かけるようになった。「うわぁ、こんなふうにテレビに出るようになったんだ。すごいな。オンバト懐かしいな、面白かったな。」そう思いつつ、いったん離れたところから引き戻されるほどの力を感じられずに気がつくと大人になっていたわけです。
大学、就職、結婚、そのうち2人目のこどもも生まれ、目が離せなかった上の子ももうすぐ小学生、そんなタイミングで何の拍子かYouTubeでネタを見ることにハマりました。YouTubeの台頭は本当にありがたい。手軽に見たいものが見れる。その頃はこどもたちの趣味に合わせることにいい加減疲れてしまって、つかの間でいいから自分の時間が欲しかった時期だった。サンドウィッチマンと中川家を見ているとすごくホッとした。私が面白いと思うものを私だけで楽しめばいい、という感覚。こどもが生まれてからすべてこどものペースでやってきた自分だったけど、あのときやっと呼吸ができたような気がした。
そして2020年2月、転機が訪れました。
三拍子との再会でした。
長いなぁー、これは次回に持ち越しで!笑