私の考える球数制限③
前回はキューバにおける小学生低学年の様々な投球に関するルールをご紹介しました。もちろん、このルールがキューバ全土に行き渡っているのかはわかりませんが、少なくとも、ご紹介したルールは子供の成長を熟知した指導者が作っていることは確かでしょう。
さて、このルールでは小学生高学年になると、ようやくキャッチャーは本来の位置に座り、ピッチャーも速いボールを投げ出します。バットが届くところなら全てストライクだったあの低学年ストライクゾーンに比べたらやや狭くなるものの、それでも日本での常識よりはるかに広いゾーンを用います。
投手交代に関しても毎イニングではなく、2?3イニングで交代していた記憶があります。中学生くらいの年齢になると4?5イニング以下と言っていました。そしてこの頃になると投げ終わった投手には、クーリングダウンとしてジョギングを義務づけていました。
これらは実に素晴らしい育成方法で、日本の野球界も大いに参考にすべきではないかと思います。何よりここで重要なのは、大人がやる野球のルールにこだわらず、その時期の子供に合わせているということです。
杓子定規に大人と同じストライクゾーンを採用せず、低学年用、高学年用、中学生用と少しずつ本来のゾーンに近づけて、高校生から大人のゾーンに合わせていく。
また、低学年ではほぼ全員ピッチャーをするということもお伝えしました。これが高学年になれば1試合4人くらいに絞られ、中学生になれば3人にという具合に投手の数は少なくして、イニング数を増やしていきます。
こうした国際的なトレンドを踏まえてかどうかはわかりませんが、昨今、ようやく各少年野球リーグで、球数制限導入が始まっています。ここで細かい球数については述べませんが、もし私が子供から大人になるまでの球数制限を決められるのであれば、次のようなルールを作りたいと思います。
まず大前提として、反発係数が木製と同じくらいの金属バットのみの使用とします。
1・幼児・・・ティーボールで徹底的に遊ばせる。
2・小学低学年・・・キャッチャーの位置を下げて、ゆるいボールでワンバウンドで投げる。本来のストライゾーンを排除し、バットの届くところは全てストライク。盗塁禁止。1イニングで交代。4イニング制。あくまで遊び、という考えを重視する。
3・小学生高学年・・・キャッチャーを通常の位置に。低学年より、少しストライクゾーンを本来のゾーンよりはかなり広めで若干狭くする。盗塁禁止。まだ自分のタイミングで身体全体をしっかり使って投げることを優先したい。クイックモーションで投げること自体は負担がかかってしまう。またキャッチャーのセカンドへのスローイングもこの時期は負担が大きく、同様に控えさせたい。2イニングで交代。試合は5イニング制。
4・中学生・・・さらに本来のストライクゾーンに近づけるが、際どいボールは全てストライク。盗塁は解禁し、クイックモーションや牽制をマスターさせる。(捕手の2塁送球も)3イニングで交代。試合は6イニング制。
5・高校生・・・ここに関しては既に高校野球連盟から正式な球数制限に関する発表がありました。しかし、個人的にはこれにプラスして欲しいことがあります。それは、高校1年生のほとんどは、前回お伝えした骨端線が閉じられていないと考えられるので2年生になるまでは、より厳しい制限を設ける必要が不可欠だということです。さらに試合は7イニング制(8回からタイブレーク)を採用して欲しいのです。
現状、夏の甲子園大会では1日4試合組まれています。これが仮に7イニング制となれば、通常より2イニング少なくなり、1日ほぼ1試合分の8イニング減らせるのです。つまり、一日5試合できる可能性が高く、試合日程に余裕が生まれ、試合間隔も取れることになります。ご存知でしょうか?既にアメリカの高校野球は、7イニング制を採用しているのです。
夏の大会の予選は、都道府県によって違いますが、現行よりもっと早く6月から土日に予選を始めるのが望ましいと思います。そのことにより、予選の日程も余裕が生まれ連戦もしなくてすみます。引退が早くなっても早く受験勉強に専念したい人にも良い影響をもたらすでしょう。
各カテゴリーの登板間隔については、もう少し研究が進んでから私個人の意見を述べたいと思います。もっと細かく掘り下げたいのですが、基本的にはこのような改革はできないものか、考えています。みなさんはどう思われます?