【オンライン立ち飲み】石川隆児さんと「器」の話
4月4日(土)、proshiroutでは、「TACHINOMI余市ととなりの席の○○さん」のインスタライブを行いました。
TORU ARAIが、ゲストにうつわ作家の石川隆児さんをお迎えし、オンラインの立ち飲みで貴重なお話をたくさん伺うことができた・・・と思いきや。
2人の熱気を帯びたトークは、酔いが回るにつれて加速して行き、1時間の予定だったライブは、ついに4時間へ・・・。
そんな、ものづくりの熱い心意気とアルコールの熱気で充満した、貴重なライブをレポートします。
20時、対談がはじまる
20時。proshiroutのインスタライブ動画にて、TORUがキッチンに「余市」の提灯を吊り下げ、立ち飲みスタイルの画角で待ち構えていたところに、石川さんが、こちらもご自宅のダイニングに座り、ちょっと照れくさそうな顔で登場した。
突然決まったという今回のインスタライブ。ゲストが突然決まったのではなくて、企画自体が、突然決まったのである。この前夜、石川さんとオンラインで話をしていたTORUは「これは良い企画になる!」と思いついてしまった。こうなると止まらない彼は、石川さんの了承をとり、すかさず翌日にやってしまうことにする。
「架空の立ち飲み屋『余市』にて、隣の席で立ち飲んでいた素敵なお客さんに話を聞く」というコンセプトの新企画。もちろんオンラインだ。(このご時世だから、というわけでもなくて、なんせ我々は物理的に飲み屋を持っていない。)
しかし、この日、奇しくも同じ時間に本田翼やサカナクション山口一郎がインスタライブをしているではないか。また、渡辺直美のYouTubeには、星野源が登場とのこと。非常に激戦区。
そんなことは何も知らない2人は、まずは1杯目のビールで乾杯。石川さんがうつわ作りを始めた背景や、ものづくりの価値観をうまいこと聞き出すTORU。石川さんが学生時代に作った作品の写真まで見せてもらった。ただうつわを作るだけではなくて、それを展示するための小屋まで自分で建ててしまったというから、これは驚きである。
高校の頃には学年でトップになるほど学業の成績が良かった石川さんが、なぜ大学の美術学科に進み、普通のサラリーマンになることなく、独学で陶芸作家をすることになったのか。そこには、理解者であった母親や、信念のあるお兄ちゃんの存在がいた。そんな秘話をたくさん教えてくれた。
21時、延長しはじめる
21時。60分経過すると自動的に接続が切れるインスタライブだけれど、ちっとも話し足りない2人は、1時間延長をすることにした。「改めて入ってきてくださいね」と約束をしてもう一度配信を始めたTORUだが、
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あれ・・いつまでたっても石川さんが入ってこない・・。**
なんと、石川さんはその裏側で、自分のアカウントから別のライブ動画を開き、自らのファンを集めて「これ・・ARAIさん困っているだろうな(笑)」と、にやにやしながら一人語りをしてるではないか。「そろそろあっちの部屋に行こうかな、どうしようかな」と石川ルーム側は盛り上がっている。遅れること5分、満をじしてようやくTORUの待つ部屋に戻ってきた石川さんだった。でも、これはおそらく、proshiroutの認知度を上げるための、石川さんの気遣いである。ただの悪戯なんです、と本人は言うけれど。
延長戦、うつわやアンティークの話をしていると、石川さんが何やら大きなガラス製の丸底フラスコを持ってきた。理科の実験が始まるのかと思いきや、「これに日本酒を入れたら綺麗だと思ったんですよ」ということだ。じゃあここからは日本酒にしましょうか、ということに。フラスコに注いだ日本酒が球体の中で繊細にゆらぐ。つまみは、石川さんは薫製ミックスナッツで、TORUはホタルイカをライターで炙る。
ぐい飲みを酌み交わして、話は多岐にわたっていく。中学のころにはまったスケートボード、Hi-STANDARDの「ダサかっこ良さ」について、蒼井優の魅力について、金継ぎではなくて銀継ぎ、について。飲み進めれば進むほど、石川さんの話は、あまりにも果てしなく広がり発散して止まらない。一方でその茫洋とした鋭い感性に追いつき整理整頓して、さらに深く潜り進めるTORU。
石川さんが素敵なガラスの小瓶を持ってきたもんだから、今度はこれにはウィスキーを入れたら格好良い、ということになる。石川家にあった『スーパーニッカ』は43度、TORU家にあった『シングルモルト余市』は45度。そんなアルコール度数を戦闘力に例えながら、さらに飲み進める2人。酒とうつわと人の縁の力によって、2人は一段と深酒が進む。大丈夫かな。クールで都会的だけど機能的な食器を発表している石川さんは、いちど、薫製ミックスナッツを、ナチュラルに大々的に、皿からばらばらとこぼした。
ついに23時である
なんどか延長して、すでに23時台である。いつの間にかTORUは椅子に座っていて、もはや何がTACHINOMIなんだろうかということになってきた。こんな深い時間まで、数多くの方が視聴してくださり、コメントから新たな出会いもあったりして、新しい企画ができる予感が感じられる中、ようやく、大団円で24時にライブは終了。
まとめ
なぜ、2人の話は、いつまでも聞いていられるのだろうか。
彼らに共通しているのは、とにかく人の縁に熱くて、いつも「面白いことを」見据えていること。けれど、そこには決して尖った攻撃性はなくて、どこか真っ当な人間性を、言葉の端端から感じることができる。
だからこそ、内面は中学二年生の、髭面の30半ばのおじさん2人が、いちゃいちゃとオンライン上でハイタッチをする様子をみていても、ぜんぜん気持ち悪くはないのじゃなかろうか。
第二回が待たれます。
リンク
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文責:TSUYOSHI HIRATSUKA
proshiroutの幽霊部員。幽霊すぎて、「よいち」と打つと「与一」の方が先に予測変換される。
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