たち呑みしゃーぷ 京都祇園四条

京都だったらここによく行くよって前々から友人に聞いていた立ち呑み屋さん。
この日は17時から“井倉木材“で呑み始めようと決めていて、たぶんここで結構食べるから2軒目は軽くつまんで呑める“サンバディ“にして、その後“しゃーぷ“に行って、行けたら四富会館の“日常“でお寿司を食べて呑もうか、なんて話して浮かれてたのは行きの電車だけで、途中途中すぐ鴨川で休んでしまい、時間切れ。
“井倉木材“をあとにしフラフラフラフラ“たち呑みしゃーぷ“へ。

8人も並べばいっぱいの小さな店内は満員で、立ってるお客さんの背中がめちゃめちゃ楽しそうだなぁ、羨ましいなぁと思いながらまたまた鴨川でぼーっと空くのを待ち、しばらくして2人出たところに滑り込んだ。優しい大学生アルバイトのような男の子がササっと片付けてカウンターの真ん中あたりに通してくれた。
とりあえず瓶ビールをもらい、何食べようかなぁと壁に貼られたメニューを見てたら、さっき井倉木材で隣の人が食べてて気になってた“焼きヤングコーン“があったので、迷わずそれにする。きっと旬なのだ。あとはポテサラと温奴、クジラの刺身を頼んでニヤニヤ待つ。「どちらから?」と大将が話しかけてくれた。よく来るとはいえ知らない町の初めての店で、ぽそっと話しかけてくれるって本当にありがたい。
「三重からです。」というと、「三重のお酒、おいしいよね。ほらいろいろうちも置いてるよ。」と逆に三重のお酒や酒屋さんの話を聞かせてくれた。ビールかサワーしか呑めない私は全然日本酒を知らず、それでも大将が話す話のなんとなくわかることに「あーどこどこの!知ってます!」というと「ちゃんと知ってるじゃん。」と言ってくれて、食べる前からもうこの店のファンになった。

どの料理も酒飲みのことをよくわかってくれてる量ですごくおいしく、旬のヤングコーンはヒゲも皮もいけるところまで食べれると教わり、パクパク食べた。料理が美味しいとお酒もガブガブ呑める。ビールの後はガリチューハイ、そのあとはトマトチューハイにした。一緒に行ったハネはまた今日も日本酒をグイグイいっている。隣の人が頼むと、「じゃあ僕もそれで。」と乾杯していた。美味しく呑めて羨ましい。
常連のお客さんが大将に、箱からマイダーツの矢を出し嬉しそうに見せていると、「持ってるよ。」と大将もマイダーツの矢を箱から出してきた。マイダーツの矢ってそんなに主流だっけな。呑み屋の大将って物知りで多趣味な人が多い。
しばらくしてダーツの人が帰り、少し並びに余裕ができると、私は初めて私の隣でずっと呑んでたというオデコに眼鏡をかけたイケメンに挨拶をした。ずっと窮屈そうだったので悪くて顔を見れなかったが、背が高くすごく近いので、話す時首がとても痛かった。「ずっと二人羽織で呑んでましたね。」と言われ、笑った。三重に仕事でご縁があるらしく、大将も残ったお客さんも交えてみんなで喋りながら呑んだ。
閉店間際の店内は穏やかで、人気店の内側に入れた気がしてとても楽しかった。すごく狭いというのは、みんな優しくなれる気がする。
しっかり酔っ払ったので、隣で立って呑んだ一期一会に別れを告げ、こんな時間でもやってそうな灯りを求めてフラフラフラフラまた歩き出すのだった。


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