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丑寅 裏なんば

昔から好きだけど最近改めてお寿司が好きなことに気づいている。あのツヤっとして小ぶりなお寿司がとても好き。でもお寿司を食べるタイミングっていつもすごく迷う。ゆっくり呑みたいからお米は〆まで取っとくか、もしくは食べれないまま終わるのだけど、できればお寿司は空腹でいきたい。あーお寿司食べたい。よしちょっとつまんでから呑みに繰り出そう。と思ったのが16時。

開いてなかった。
立ち食い寿司の美味しいところをここしか知らないというのもダメだな、と反省しながら一度行ったことがあるけどもう一回行っとこうと思っていた“丑寅“へ行くことにする。
初めて訪れた時の印象がドライすぎて「おぉ。」って感じだったので、本当にまた「おぉ。」と思うのか試してみたかった。誰にでも調子っていうものがある。人にも店にも。一回で決めてはならない。人気店には人気店の理由と辛さがあるものだ。
平日の16時。ほぼ満席。というか立ち呑みには席がないのでほぼ詰め詰め。
ちょうど真ん中あたりの隙間に並び込みとりあえず生ビールを注文する。美味しそうな鉢がカウンターに並んでいるし、メニューもちょっと変わってるし、お酒の種類も多くてすごく楽しい。もうこの時点で以前の「おぉ。」は「お!」に変わっている。わたしの印象なんて大概なものだ。

L字カウンターに12、3人は立てるかな。奥にも立ちテーブルが2、3個。入り口付近にもいざとなったら使うテーブルみたいなのもある。うっすら暗く落ち着いた灯りで、年季の入った天井の木と厨房の深緑のタイルが綺麗だ。店員さんは3、4人。若い男女が3、4人。街で育ったというこのドライさはやっぱ感じるけれど、いつもこれなら、これはこれで過ごしやすくていいな、と思い直す。

注文したのは、ポテサラとおでんとさわらの炙り。一軒目はこのくらいでちびちびと。料理も丁寧でとても美味しい。中でもポテサラは絶品。量も少なめで出してくれるのでありがたい。

入れ替わり立ち替わりお客さんが絶えないがバタバタと忙しなさはなく、こなれ感が嫌だったはずがこなれた店員さんに助けられる。

客層はまちまちだけど、とびっきりの若者はあまりいない。前来た時もそうだったけど、奥様世代の一人客がチラホラ。スッと立ってビールや水割りを呑む姿は素敵だ。これが似合う大人になってゆきたい。

満足したので店を出る。中の暖かいワイワイした空気から、ビニールの扉を開けて出た足早な都会のヒヤッとした空気。確実に酔ってるけど、一回リセットされるこの感じが好きだ。

さ、つぎつぎ。

もうお寿司のタイミングは今日は来ないなー。

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