見出し画像

イマイサキコという人生 第10章-静の時間、音楽との再会、そして新しい挑戦-


静の時間――「大きな仕事」をやらない選択

東南アジアやオーストラリアでの旅から帰国した後、私はしばらくの間、星読みセッションやマインドセッションの活動を続けていた。
お客さんも安定して来てくれており、収入にも困っていなかった。

しかし、何かが引っかかっていた。


「講座をやるのは違う気がする」
「大きなプロジェクトを進めるのも、今はしっくりこない」


そんな感覚が心の中にあり、次第にそれは「今は静かに自分と向き合うべき時だ」という直感に変わっていった。


動くことを止め、じっくりと自分の内面を見つめる時間――この「静の時間」を選択したことで、私は自分の深い部分と対話をすることができた。


動きたいタイプの私には、この期間がとても辛かった事を覚えている。
得体のない不安と焦りに、毎日向き合っていたのだ。
それはもう修行僧のように。
他人のSNSを見るのを辞めたのもこの時期からである。

さっちゃんの合宿での気づきと音楽への再挑戦

静の時間を過ごしていたある日、Happyちゃんことさっちゃんの合宿に参加できることが決まった。

合宿では、自分の内面をさらに深掘りするセッションが行われ、その中で言われた一言が私の心を突き動かした。

「サキコさんのエネルギーはボーカルのエネルギーだよ」

この言葉を聞いた瞬間、稲妻が走った。
どこかで分かっていたのだ。
私の人生に音楽は欠かせないものだという事を。

いとも簡単にその私の魂の望みをさっちゃんは見抜いて居た。
そして覚悟を決め、私は避けてきた音楽と再び向き合う決意を固めた。

音楽の挑戦と先生との出会い

音楽への再挑戦を決めた私は、すぐにバンドメンバーを募集し活動を始めた。
最初はボーカルの私とホルンの元生徒さんから始まった。

2人だけだった所から、あれよあれよと3ヶ月でまさかのメンバー全員が揃ったのである。
その中には元プロミュージシャンも参加をしてくれた。
これは宇宙からも背中を押されているなと感じ、メンバーには本気で心の底から感謝をしている。

更にその過程で、ある歌の先生との出会いが私にさらなる変化をもたらすことになる。

その先生は、ただ歌を教えるだけでなく、
「音楽とは何か」「歌とは何か」
という本質的な問いを私に投げかけ、身体の使い方や声の出し方からマインドまで、すべてを徹底的に叩き込んでくれた。

最初は苦しくて辛い時間もあったが、先生との学びを重ねるうちに、私の中で次第に変化が起き始めた。

歌声に深みが増し、マインドにも新たな視点が加わった。
そして、過去の挫折やトラウマに対して、少しずつ「許す」という感覚が芽生え始めたのだ。

「音楽に向き合うことは、自分自身に向き合うことなんだ」

その気づきが、私のエネルギーを大きく拡大させるきっかけとなり、音楽だけでなく人生全体に新しい風を吹き込んでくれた。

資金ショート――「動き」の再スタート

音楽に夢中になっていたある日、ふと気づいた。資金が底をつき始めていることに。

これまで順調にいっていた収入が、静の時間や音楽活動に集中している間に大きく減ってしまっていたのだ。

最初は不安で仕方なかった。
仕事として新しくイベント打とうにも、もうそのやり方は出来ないやりたくないと、私の身体が言うので動けない。

減っていくお金。
いつも何故か来てくれていたクライアント様の依頼がこない。
だがやりたい事ややるべき事にお金は惜しみなく使いたい。

このままでは本当にまずい---。

けれど、ある所でもう考えても無理なので、宇宙を信頼して手放す事にした。
我ながらこの切り替えの速さは凄かった。
今まで培ってきた努力の賜物であろう。

そしてついに、

「次のページがめくれたら、どうなるのだろう?」

というワクワク感が襲ってきた。
一般から見るとヤバいやつである。
良い子は真似しないで欲しい。

元々社会人時代含めた35年間、お金がカツカツの生活をしてきた。
都度なんとかなってきたし、何とかしてきた実績がある。

「現実がどうであれ、私は絶対に大丈夫」

この状況をきっかけに、私は新しい形でダンスクラスを再開することを決めた。

そしてあんなに

私はおまえの倍稼いでますけど!

と冗談混じりにマウントしてた夫に、正直に自分の現状を伝えざるを得なくなった。

全く持って、因果応報である。
謙虚に生きよ、淑女達!

-続く-

いいなと思ったら応援しよう!