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イマイサキコという人生 第3章-未経験のダンスが人生を動かす時-

バンタンとの出会い――心に灯った小さな火

ある日、SNSで目にしたバンタン(BTS)のダンス動画。
そのキレのある動き、エネルギー溢れるパフォーマンスに目を奪われた。

「こんなふうに、自分も表現できたらどんなに楽しいだろう」

その瞬間、心の奥底に眠っていた「何かを表現したい」という感情が再び目を覚ました。

私はすぐに札幌でダンス教室を探し、体験レッスンに参加した。
ほぼキッズや若い子達しかいないクラスに混ざるのは少し恥ずかしかったけれど、

「今更どう思われてもいい」

という気持ちが勝っていた。

ダンスと仕事の日々

ダンスを始めた私は、平日は仕事、仕事が終わればその足でダンススタジオへ。
週末も朝から晩までダンスに励む日々を送り始めた。

当時、私はキャリアコンサルタントとして働き、多くの求職者と企業の橋渡しをしていた。

毎日目の前のクライアントや求職者に全力で向き合い、相談に乗り、最適な提案をする仕事はやりがいに溢れていた。

「この人の人生が変わるかもしれない」

そんな想いで動いた結果、私は自社で1位を達成することができた。

「仕事もダンスも、全力でやれば成果はついてくるんだ」

そう信じて走り続けていた。

燃え尽きた先の休職

しかし、全力で走り続ける生活は、やがて私を追い詰めていった。

仕事では結果を出し続けなければならないプレッシャーが重なり、次第に朝起きるのが辛くなった。

「もっと頑張らなきゃ」

という焦りと、

「もうこれ以上は無理だ」

という心の声がぶつかり合い、ついに私は燃え尽きてしまった。

「これ以上続けたら壊れてしまう」

そう思い、私は休職を決断した。


朝から晩までダンス漬けの日々

休職したことで時間ができた私は、再びダンススタジオへと足を運んだ。
そして今度は、朝から晩まで踊る日々が始まった。
キッズや高校生達とも仲良くなって行った。

ダンスは、私のストレスや不安を解放してくれる存在だった。
無心で身体を動かし、汗を流し、音楽に身を委ねることで、心が軽くなっていくのを感じた。

「踊るって、こんなにも楽しいんだ」

仕事で疲れ切った心が、少しずつ癒されていくような気がした。

身体の事も沢山勉強した。

大人から始めているダンスなので、練習すれば良いというものではない。
ここで私は身体の使い方やメンテナンス、柔軟や骨格の大切さを学ぶのであった。


LA留学の夢と叶わなかった現実

ダンスに没頭するうちに、「もっと上手くなりたい」という欲が湧き上がってきた。

「本場LAでダンスを学びたい」

そう思った私は、親に頭を下げて留学資金を援助してもらい、準備を進めた。
一から人生をやり直すつもりだった。

しかし、そのタイミングでコロナ禍が始まり、世界が止まった。
私の夢もまた一時的に立ち止まることを余儀なくされた。

「どうして、こうなるんだろう」。

叶いかけた夢が目の前で遠ざかる。
その無力感は計り知れなかった。

留学が叶わなくなった私は、再び札幌での生活に違和感を抱き始めた。

「このままここにいても、私の人生は何も変わらない」

そう思った私は、再び東京への挑戦を決意した。

無職でお金も無く、その状態で東京に行くのは不安だったがそれ以上に、

「このまま札幌にいること」

の方が怖かった。

「今度こそ、自分の人生を自分の手で変える」

そう誓い、私は再び東京での新しい生活をスタートさせた。

-続く-

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