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イマイサキコという人生 第2章-婚約破棄と引き寄せの法則-

札幌に戻り、仕事に打ち込む日々の中で出会った社長の彼。
25歳以上年齢差のある彼との交際は、まるで別世界のようだった。

私は今までの恋愛で傷ついてきた自分を慰めるように、彼の与えてくれる贅沢を享受していた。
高級なレストラン、豪華な旅行、欲しいものが手に入る生活。

でも、そこに愛はあったのだろうか。

「金では解決できないものがある」

最初は夢のような日々だった。

贅沢な生活は私の心を一時的に満たしてくれた。けれど、彼は結婚をとても急いでいた。

だが周囲は結婚に反対していた。

「彼はあなたにふさわしくない」と何度も忠告を受けたけれど、それでも私は自分を信じたかった。

東京まで足を運び、彼自身と私の親族が話し合いをする事で、ついに結婚の承諾を得る事が出来た。

その為私が彼に合わせる形でひとり暮らしの家を引き払い、同棲を始めた。
そして信じられない現実が顕になった。
彼が交際当時から「入ってほしくない」と言っていた自宅は、なんとゴミ屋敷だったのだ。

最初は「自分が片付ければいい」と思い、部屋をきれいにし、心機一転の生活を始めた。
だけど、次第に彼の本性が見え始めた。

彼は極度のレイシストで、亭主関白。
自分の意見を押し付け、私を対等なパートナーとしては見ていなかった。

「金は渡すから、言ったんだからやっておけよ」

それが彼のスタンスだった。

そんな彼に終ぞ私は爆発した。
自分が感じてる事を伝え、彼がしてることは"モラハラである"と訴えたのだ。

その日から彼は更なるモラハラの王に君臨した。
一切私の目を見ない会話しない、あたかもそこに居ないものとして2ヶ月間扱われた。
話し合いもできない、無視を越えた存在鬼スルーである。

余談であるが、私が付き合った人に数ヶ月単位で無視されるのはこれが初めてではない。
酷い話である。

繰り返してる時点で私にも問題がある事は明白なのだが、その話はここでは割愛させて頂く。

話を戻して、私は一生懸命に努力して美味しいご飯を作り、笑顔を絶やさず、仲直りを試みた私の行動に、彼は無関心だった。

何を言っても無視。どんな問いかけにも返事をしない。これが3ヶ月にも及んだ。

婚約破棄の決断と独り立ち

そして無視を決め込んでから3ヶ月目の彼からの突然の一言。

「やっぱり、婚約辞めて友人に戻ろう」

私は絶句した。結婚の準備も進んでおり、東京での2拠点生活の拠点となる家も決まっていた。
それなのに、突然の心変わり。

「話し合おう」と試みたが、彼は再び無視を続けた。

話し合いは出来ないと感じ、表向き承諾をした。
そうすると彼は人が変わったように、付き合ってた当時のようににこやかで優しくて面白い彼に戻っていつも私を笑わそうとしてくるようになった。

このとき、私の中で何かがプツンと切れた。

バカにするのもいい加減にしろ。
絶対に私は泣き寝入りなんてしない。
やられたらやり返す、倍返しだ!と
半沢直樹もびっくりの激しい怒りに震えていた。

私は母の助けを借り、弁護士を紹介してもらった。そこで弁護士を通じて冷静に対策を練った。
まずは引っ越し先を探し、彼が出張中に新居へ移動する計画を立てた。

そして、最終的な対決の日がやってきた。

「私はもうこの家を出て行く。そして、あなたに引っ越し費用と慰謝料を請求する」

彼は激怒した。
どうせ一筋縄でいかないし、要求金額に納得しないと思ったので、婚約破棄の慰謝料の判事例と引越し費用概算、領収書等全てプリントして持っていった。

そうすると彼は
「これはあの女(私の母)の入れ知恵だろう!」と罵倒してきた。
彼と母は折り合いが悪いなとは思っていたが、私をバカにし、母までバカにしていたのだ。
今思えば彼は女性というものを下に見てバカにしていたように思う。
それでも私は一歩も引かなかった。

「全て私が考えたことです。裁判になっても構いませんが、こんな貴方にとってはした金を、25歳も下の女性に出し渋る社長、という立場で社会的ダメージを負うでしょう。それでもいいならどうぞ。」

その言葉に彼は観念し、最終的に慰謝料と引っ越し代を支払うことで合意した。

「本当に独りになった」

引っ越しを終えた後、私は新しい部屋で一人、全てが終わったことを実感した。

会社にも居づらくなり、友人も疎遠になった。気づけば、私の周りには誰もいなかった。離婚で感じた孤独よりも、さらに深い孤独感に苛まれた。

今考えると、本気で結婚しなくて良かったと思っている。
彼には人生を変えてもらった感謝しか今はない。元気で生きてる事を祈っている。

「幸せの教科書」との出会い

当時の私は瀕死であった。
このままでは本当に死んでしまう――そう感じた私は、本屋に駆け込んだ。そこで手に取ったのが、Happyちゃんことさっちゃんの書いた『幸せの教科書』という本だった。

その本は、「宇宙の法則」や「引き寄せの法則」を、漫画でわかりやすく伝えてくれていた。
それを読んだとき、私は初めて「自分の意識が人生を作る」という概念に触れた。

同時に、星読みというものに興味を持ち、学び始めた。自分のホロスコープを読み解くことで、人生に起こる出来事の意味や、自分の使命に少しずつ気づいていった。

「もう一度人生をやり直したい」

引き寄せの法則や星読みに出会い、私は少しずつ自分の考え方を変え始めた。

「自分の人生は、自分の意識次第で変えられる」

という新しい希望が生まれた。

そんな中、ふと目にしたのが、韓国のアイドルグループ「バンタン(BTS)」のダンスだった。
その姿に感銘を受け、「私も踊りたい!」という望みが生まれたのだ。

望みは生きる根源の源のパワーである。

それが、私の人生を変えるきっかけになるなんて、このときは思いもしなかった――。


-続く-

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