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イマイサキコという人生 プロローグ-運命の始まり-



私は家族4人妹が1人居る。
東京で産まれ北海道で育っている。
父親は当時の大手企業。母親はフリーで働いていた。

広い土地に一軒家に犬を1匹飼っていて、姉妹以外は本当に家族仲良く、平凡で普通のありふれた家庭であった。

だがそれは17歳の高校生の確かテスト前。
私の人生が大きく反転する事になる。

「あなたの血液型はA型ですね」

献血会場で、私は何気ない声でそう告げられた。その瞬間、頭の中に疑問が渦巻いた。家族全員O型だと聞いていたのに、どうして私だけA型?


家に帰ると、何気ない風を装って母に聞いた。
「ねぇ、家族って全員O型なんだよね?」

「そうよ」と母は即答した。


だけど、どこか引っかかる。私はしばらくしてから、両親と自分の血液型をもう一度確認することにした。
父も私も確かにO型だと信じていたし、母もそれを疑っていなかったはずだ。


それでも、献血でA型だと告げられた事実は変わらない。

私の疑念が確信に変わるのは、血液型のエビデンスを目の当たりにしたときだった。

医師から「O型同士の親からA型の子どもは絶対に生まれない」という説明を受け、手にしたそのエビデンスを母に突きつけた。

最初は否定していた母も、逃げ場を失い、ついに真実を吐き出した。

「……あなたは不倫相手との子どもかもしれない」

あまりにも衝撃的な事実に、言葉を失った。さらに母は続けた。

「本当のところ、相手が誰なのかわからなかった。でも、お父さんの子どもじゃない可能性があるって気づいたとき、何度も自然流産させようとしたの」

その言葉は、私の心に深い傷を残した。
母は“自分を守るため”に私をこの世に送り出さない選択を何度も試みた。

でも、私は生まれた。どんな力が働いたのかわからないけれど、私はこの世界に「どうしても生まれたかった」のだ。

なんとまぁ、産まれる前から自己主張が激しい子である。私のエネルギーの強さは、もしかしたら産まれる前から始まっていたのかもしれない。


この告白を聞いたとき、私は家を飛び出していた。1ヶ月間、帰ることができなかった。

家出先でも頭から離れなかったのは、父の言葉と母の態度だった。

父も私と同じタイミングでこの事実を知ったのに、彼はこう言ったのだ。


「お前のことは愛している。でも、私は母さんを深く愛しているんだ」

その言葉が理解できなかった。
誠実さのかけらもない行為をしながらも、それを許され、愛される母。

そして、そんな母を愛していると言える父。
私はその両方に強い嫌悪感を抱いた。

母に対しては、完全に見下すようになった。
「親ぶっていたくせに、やっていることは社会通念上最低の行為」
そんな人間を愛し、許す父に対しても、「何が愛だ」と悔しさと辛さが湧き上がってきた。

家族というものが、私にとってどれほど不条理で、理不尽なものだったか。

その経験が、この先の人生において私の大きな軸となっていく。

「家族なんて幻だ」「一番近くの他人」

その感情が根を張り、私の人生観に大きな影響を与えることになるのだ。

-続く-

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