ポタフェス2024冬に行ってきました
どうも太刀風です。
ポタオデ趣味は卒業したいハズなのに、性懲りも無くポタフェスへ行ってきました。今回は試聴したもので印象に残った物を書いてきます。
レビューではなく感想未満のメモ書き故、斜め読み推奨です。
サムネはポタフェス公式から拝借しました。ちなみに前日睡眠薬を飲んだせいで寝坊しました。なんで時間が無く現地での写真が抜けてる機種があります。ごりょうしょうください。
AFUL Performer5+2(7)
AFULの新機種。既に発売している機種ではありますが試聴していませんでしたのでポタフェスで聴いてきました。
ドライバー構成は、2DD+4BA+1MicroPlanar Driver。MicroPlanar DriverはSeeAudioのRinkoでも使われているドライバーです。
音質はAFULの質のいい中低音にプラナードライバーのクリスプ感が加わった音でした。プラナーの使い方が先のRinkoとそっくりで、聴いた直後にRinkoのことを連想しました。Rinkoからのステップアップに丁度いいのでは。
Kiwi Ears x HBB Punch
海外の著名な評論家が開発に加わった機種。低音に自信ありとのこでしたので聴いてきました。
ドライバー構成は、1DD+2BA+2EST。BAはKnowles製でESTはSonion製を採用しています。
音質はDDとは思えない歯切れが良く深く量感のある(BAのような)低音と、それにマスクされない明瞭で透き通る中高域。3way構成は分離の良さに寄与していて、それぞれのドライバーの個性を感じられる音でした。
こんだけ低音が出ているのに女性ボーカルが楽しめるのは希少かもしれない。
普通に「10万円前後かなぁ」なんて思いながら試聴を終えて、後から価格を見たら82500円でちょっとビックリ。
安くはありませんが、女性ボーカルが好きだけど重低音も手放せないって人には良い選択肢になりそう。似た音質バランスのtyp622は高いよって人にもどうでしょうか。
FiiO BTR17
FIIOのフラグシップBTアンプがパワーアップして帰ってきた!
いやマジでパワーアップ(物理)してました。
BTR7からの変更点は、ポータブル機器向けのESS「ES9219C」を2基搭載から、なんと据え置き機器向けの2ch DAC最上位モデル「ES9069Q」をデュアルで搭載。
アンプももちろん強化。BTR7ではモバイル機器向けの「THX AAA-28」のデュアル搭載から、こちらも据え置き機向けに開発された「THX AAA 78+」を左右独立で4基搭載。合計8チャンネルの完全バランス設計に。
ファーストインプレッションで感じたことは、DAPキラーと言われたiBassoのDC-Elite並みの空間の広さです。DC-Eliteはソリッドで硬めな音ですが、BTR17は明るくエネルギッシュなFiiOらしい音でした。
先代同様BT接続でも十分な音質ですが、やはり有線で繋いだ時の音は別格です。BT接続より明瞭さが増し空間も広がります。加えてfiioの十八番であるDC給電も搭載。わかりやすく「パワーが増しました!」といった一歩前に出る音に変化。HD800Sとか重めのヘッドホンを鳴らしてみたい……!
ag COTSUBU for ASMR mk2 とASMR 3D
発売してからだいぶ経ちましたが、今更試聴。理由は初代パトラちゃん様コラボのCOTUSBUの調子が悪く、買い替えの可能性が出てきたからです。
超短時間試聴でしたのでざっと説明。
mk2は先代から、ちゃんと正統進化していました。解像度は先代と比べ明らかに変わっており、より声優の演技を楽しめるようになりました。
問題は3Dの方です。mk2よりかなり遠くに定位し、声優がマイクから離れると音が小さくなり何を言っているのか分かりません。
確かに商品としては非常に面白く良いのですが、通常のイヤホンを想定して作られるバイノーラル音声には意外にも向かないのかなと。私も聴く前は3Dの方を買う気でした。試聴して良かった〜
映画試聴の方が向いてるかもしれません。
また聴く機会があれば試してみます。
これ以降の感想は多分に性癖を含みます。
ご注意ください
MUSE HiFi M5 ULTRA
なしてそげにドスケベエッチばい???
ハイ。こちらは今回のベストポタフェス賞になります。BTR17と同じBTアンプです。
なんとBTアンプでありながら真空管を搭載してしまいました。5万円で。
どうやら採用例の多い真空管であるNutubeでは無く、RAYTHEON JAN6418という真空管を使っています。Nutubeよりこちらが古いようで、より真空管らしい音になるそうです。
スピード感のある曲も聴けるようにトランジスタも搭載していますが、リサーチ不足と時間に追われたせいで聴けませんでした。スンマセン……
では音の感想です。
まず感じたことはBTR17と同様空間の広さです。こちらもDAP並みの広さです。もしかしたら手持ちのR6 IIIより広いかもしれません。
そして何よりも評価したいのは音色の良さです。ドスケベエッチ過ぎます。E500が「えっちなイヤホン」ならM5 ULTRAは「ドスケベエッチなDAC」です。
音色が良いと言いつつ先に弱点を話しちゃうと。
真空管故、BTR17と比べるとやはり高域の情報量、クッキリさは劣ります。スピード感もユーロビートくらいならついていけましたが、ハードトランスとか無理です。低音がもっさりします。
DC給電による高出力化などマルチに活躍出来るのはBTR17だと思います。
真空管はどうしても人を選びます
しかしボーカルや弦楽器といった中音域では無類の強さを発揮します。空間の広さと相まって響きが黄金の輝きに思えます。
めっちゃ明るい。
物凄く良く抜ける。
見晴らしもいい。
コレが5万円で手に入る。すごい。
リファレンス曲として、
スピッツの「美しい鰭」
ヨルシカの「晴れ」
綴の「NAME」
Tani Yuukiの「W/X/Y」
をよく聴くのですが、最高の一言でした。
響きがキモチエエンジャァァ。
個人的な性癖を多分に含んで良いのなら文句無し!
過去最高に好みなアンプでした。
コレが欲しかったんだよ。
RU7にバッテリーが搭載されていたら迷わず売って軍資金にしたでしょう。一瞬R6 IIIも売ってしまおうか考えてしまいました。
今後フラグシップ級ドングルDACはDAPと遜色ない音質となっていくのでしょうか。末恐ろしいですね。
Qobuzが国内でのサービスを開始するなど、サブスクが主流になりつつある今、ドングルDACの方がDAPより都合が良い人は多いでしょう。自分もその1人です。
私は上流より下流にお金をかけたい派で、買い替えなどランニングコストが発生する上流の負担増は避けたいです。
今後DAP並みの音質を持つ製品が増えれば、より低コストで音楽を楽しめる未来への期待が膨らみますね。
BTR17とまた比較試聴しにいきます。これを買うかBTR17も買ってしまうかの2択な気がしています。5千兆円降ってこないかな。
~~余談という追記~~
私の欲しいDAPはCayinのN7というフルディスクリートを搭載したDAPです。真空管とは違いディスクリートはハイテンポな楽曲でも鳴らしきれることが多いです。N7も例に漏れずタイトな低音が出る機種で、万人受けするのもこちらだと思います。欲しいけどバカ高いんだワ。M5 Ultraは手が届くという意味で「過去最高」としています。高額な機材ってそれだけで評価を厳しく見ないといけない。対してコスパに優れる機材は手放しで賞賛しやすいです。
64Audio Solo
やめてください無職なんですお金ないんです。
ハイ。こちらまさかのポタフェスダークホース賞になります。
ちらっと見かけたeイヤの簡易レビューが好みで、64Audioだしどうせ買えないから軽く聴いて退散する気でした。考えが甘かった。
↑元凶。マジで許さん。
私は自身の音の好みを体現していた、VictorのHA-FW10000を一聴惚れし試聴から3週間後に我慢できず買いました。
そのイヤホンは、ポタオデ沼という目的地が定まらない長き旅に終着点を示すものでした。
実際、禁断症状にも近いイヤホン欲はFW10000を買ってから無くなりました。また製品を長時間かけてしっかり試聴することもしません。昔の方が、レビューらしき事をやれそうな気がします。
あとはゆっくり上流を詰めていき、徐々にポタオデ沼から手を引く予定でした。
コイツを聴くまでは。
64Audioはバッチバチに超高級メーカーです。
エントリーどころかミドルすら無く、全て6桁万円スタートになります。
こいつも例外では無くお値段なんと
240000円!!!!!
自分はあまりに高いイヤホンには興味が湧きません。買えないですし、バカみたいに様々なドライバーを山盛りにして高額になるイヤホンを好きになったことが無いからです。
厳密には1本だけ物凄いと認めたイヤホンはある。KEFといったスピーカーが買えるほどの価格です。石油王になったら欲しい。
Soloはプラナーマグネティックドライバーを採用してます。
私のプラナードライバーのイメージは、
粒立ちと分離感が良い
しかし良くも悪くも刺激的で、金物等のピークが刺さる
といったイメージです。
ダイナミックドライバーの1種ではありますが、感覚としてはマルチBAに近い印象を持っています。
ですが、Soloはまるで1DDかのような滑らかな音を鳴らします。音の輪郭は柔らかく耳あたりが優しい。それでいて音の細部は、プラナーの利点である細やかさを生かし情報量を確保します。
FW10000は1DDとしては異次元の分解能を持つものの、あまりに曲の情報量が多いとプラナーやハイブリッドといった機種には敵わない部分が出てきてしまいます。これは1DDの宿命であり限界点です。
加えて、空間がバカ広い。抜けもよく下手な開放型ヘッドホンよりも聴き心地がいいように感じました。
FW10000も相当に音場は広く抜けも良いのですが、Soloは同等かそれ以上の実力です。上位互換とは今は言い切れませんが、また試聴したら覆るかもしれません。それだけのポテンシャルを感じました。
FW10000を超えるイヤホンは過去にも未来にも無いと考えていました。
今それが揺らぎつつあります。
また深淵を覗いてしまいました。助けてください。
この沼から抜け出したいのはホントなんです……
おわりDEATH