徒事
此を天災と呼ぶのか。
その二文字からこぼれるほどのおおきさなのだ。
かつて人類の遭った天災に、似たようなものがあった。あれは噴火であったが、それがこの地球を覆うようなことはなかった。これは、おおった。全てを流し、なかったことにしてしまった。こうやって死を免れているものが居るので、少しは感謝すべきか。一体、なにに感謝すればよいのか。
このような事をとおした目で生きていると、妙にあたまが空想がかってしまって、また、あの日のような事が起きるのではないかと。
こんどは、大海が干上がるなどして、その大地のうえに、人魚達の死体が転がっているのではないかと。
そして人類は、ふたたびその栄華の道を歩み始める…。
それは彼らにとって、天災であるのだろうか。