寡婦(夫)控除 (所得控除)
確定申告の時期が近づいてきたということもあり、私が今まで税務相談を
してきてよく忘れがち又は控除自体を知らない人が多い寡婦(夫)控除をまとめていきたいと思います。
※ 生死不明の場合については省略しております。
1. 寡婦(夫)控除の概要
納税者自身が一般の寡婦(夫)であるときに一定の金額の所得控除を受ける
ことができます。
2. 寡婦控除
まずは、女性の場合です。
女性の場合は、状況によって控除額が変わります。
ざっくりいうと、シングルマザーは控除額が多いというイメージです。
<一般寡婦>
(1) 要件
① 夫と死別・離婚した後、再婚していないこと
② 合計所得金額が500万円以下であること
(2) 控除額
27万円
<特別の寡婦>
(1) 要件
① 夫と死別・離婚した後、再婚していないこと
② 合計所得金額が500万円以下であること
③ 扶養親族である子がいること
(2) 控除額
35万円
3. 寡夫控除
次は、男性の場合です。
こちらは要件、控除額がシンプルになります。
ざっくりいうと、寡婦控除と違って死別・離婚だけでは受けられない。
シングルファーザーが対象というイメージです。
(1) 要件
① 妻と死別・離婚した後、再婚していないこと
② 合計所得金額が500万円以下であること
③ 生計を一にする子がいること
子については、総所得金額等が38万円以下、他の人の扶養親族に
なっていないこと等の要件があります。
(2) 控除額
27万円
4. 所得控除を確認してみて!
寡婦(夫)控除については、税務相談をしていて家族について聞いていく
と寡婦(夫)控除が受けられるのに受けていない人がよくいます。
理由としては、寡婦(夫)控除という所得控除の存在自体知らない、男性
側にも寡夫控除があることを知らないなどが多いです。
一般の寡婦と特別の寡婦の違いが分からないという人もいます。
また、寡婦(夫)控除からは離れてしまいますが、所得の低い人が医療費
を受けられるのに医療費が10万円もないからと医療費控除が受けれられ
のに受けなかった人、家族の収入を知らずに扶養にできる家族を扶養に
していなかった人もよくいます。
このような払わなくてよい税金を払っている人は多くいると思います。
確定申告時期になったら税務署の手引きの控除関係だけでもしっかり
確認して、自分の家族構成・収入状況などを把握してみてはどうでしょ
うか。
情報の整理、共有から始めていきます。 後々、節税や経費削減などの戦術的な情報を提供できたらと思います。