退職所得~切り上げ?切り捨て?~
今回は、確定申告ソフトや国税庁の確定申告書等作成コーナーを利用すれば
間違えることはないと思いますが、手書きではうっかり間違えてしまう退職所得控除の勤続年数についてまとめます。
1. 退職所得
国税庁ホームページでは
退職所得とは、退職により勤務先から受ける退職手当などの所得をい
い、社会保険制度などにより退職に基因して支給される一時金、適格退
職年金契約に基づいて生命保険会社又は信託会社から受ける退職一時金
なども退職所得とみなされます。
つまり、退職金です。
そして、退職所得の金額の計算は
(収入金額(源泉徴収される前の金額) - 退職所得控除額) × 1 / 2
退職所得控除
勤続年数が20年以下 40万×勤続年数(80万円未満は80万円)
勤続年数が20年超 800万円 + 70万円 × (勤続年数 - 20年)
勤続年数の1年未満端数は切り上げます。
5年3ヶ月➡6年みたいに。
計算すると
5年だと 40万円×5年=200万円
6年だと 40万円×6年=240万円
間違えて5年にすると、40万円×税率の分だけ払わなくて良い税金を
払ってしまいます。
実際、無料相談で手書きで申告書を持ってきた人が間違えていたという
パターンに遭遇したことがあります。
2. 間違えないための対策
私が考えつくのは、次のものくらいです。
① 『退職所得の受給に関する申告書』を退職の際に勤務先に提出す
る。これにより源泉徴収により納税完了となります。
※国税庁ホームページより
「退職所得の受給に関する申告書」を提出している人については、退職金等の支払者が所得税額及び復興特別所得税額を計算し、その退職手当等の支払の際、退職所得の金額に応じた所得税等の額が源泉徴収されるため、原則として確定申告は必要ありません。
② 手書きではなく確定申告書等作成コーナーなどで、申告書を作成
する。
③ 切り上げを忘れない。
税金を多く払った場合に、税務署から『払いすぎですよ。』と連絡をくれ
る可能性は低いと思います。
もちろん、ハートフルな人はいるかもしれませんが払いすぎに気づいてく
れるのだろうかというのもあります。
やはり、自分が申告書を作成する段階で間違えないのが一番でしょう。
この内容は『切り上げ』『退職所得の受給に関する申告書』あたりを覚え
ていれば、わりとなんとかなります。