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キャリアコンサルティング事例「心が乾いた60代男性」
役職に就いていた人は、それなりのポストでの再就職が理想ですね。知り合いから紹介を受けるとかならプライドも守れるのでしょうが、伝手もなく1から自力で再就職をするには、身についたプライドや風格が邪魔をするケースもあります。
彼は60代半ばも近い年齢ですが、書類選考で落ち、面接で落ち、半ば諦めの境地で、再就職支援の教室に入校されました。
なにかにつけ反発され、女性軽視の発言もあり、とてもやり難い方でした。
どうせ大した仕事は見つからないと職業を差別し、真面目に就職活動もされません。
周囲をそそのかし、空気を悪くします。
自分が中心に居たい方で、なにやら、心が乾いているようですね。
キャリアコンサルティングに入っても、乾いた心のまま、ぶつかってきます。
それでも、再就職できる手立てをアドバイスします。
そこで申し上げたのが、
65まで雇用するよう動かしているのは国です。だったら、国や県の求人に積極的に応募されたら如何でしょう。64までは、採用される筈です。
1月中旬から2月に掛けて、国や県の求人が並びます。しかし、1週間程度で採否が決まっていくので、その時期だけはしっかり求人を見て、直ぐに応募してください。
それから、役職経験者は扱い難いと思われるので、応募者という立場を忘れず、年下の上司の指示にも従うことをアピールして、謙虚に素直に面接を受けてくださいね。
……
その後暫くして、彼はやってきました。
国の任期付職員に採用が決まったとの、ご報告とアドバイスへのお礼でした。
そして同時に、バツが悪そうに彼は、今までの反発した態度や失礼な行いの数々を謝罪されました。
……
謝ったからといって、されたこと言われたことはチャラには出来ませんよね。
私は、立場に沿って、出来ることはしましたが、彼が修了し再就職が決まった後は、もう関わる必要もありません。
わたしも人間ですし、された事に対し、涙したこともあります。心が狭いかもしれませんが、そのことを察していただきました。
しょんぼりされていましたが、人に対し、馬鹿にしたり横暴な態度で接する事は、自分の信用を失う事だと、60代半ば前で、改めてわかっていただけたと思います。