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蒼天に鳩を放て!-怨霊たちの宴⑧-


 後醍醐天皇も安倍泰成も、天皇家(北朝)を狙っていた。
動機は別でも、その目的は一致している。
時代考証を鑑みれば、安倍泰成が先に怨霊化し、生前の後醍醐天皇に憑依したのだろう。
そして、後醍醐天皇が怨霊化した後も、息を潜めて潜伏していたに違いない。
怨霊や悪霊が人にとり憑く時、その人の心には隙がある。
その隙の形が似ていたり、利用できそうだったりするから、怨霊・悪霊は人にとり憑くのだ。
安倍泰成の目に、後醍醐天皇の隙は利用しやすく、かつ自分と似ていると思えただろう。
天皇家(北朝)滅亡を掲げ、人の想いも愛も受け入れられず、居場所を求め、他人を害することに躊躇がない。
そういう後醍醐天皇の心の弱さ(隙)が、安倍泰成の計画の実行可能性を上げた。
そして、平成・令和になって、安倍泰成が憑依した後醍醐天皇は、Sという人材を見つけてしまう。
時代を超えた最悪のマッチングが、怨霊達の怨嗟と呪詛を日本中に広めてしまったのだろう。

最悪のマッチング…

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