tAchiの大会参戦記 「(ドリ)プロツアーinVみなとみらい」
はじめに
お久しぶりです。初めましての方は初めまして。tAchi(タチ)です。
今回は1/18に開催された益若ニコル(@Nicole_Masuwaka)さん主催の「(ドリ)プロツアー in Vみなとみらい」に参加してきたので、その調整録を書きつつ、現在のパイオニア・エクスプローラー環境に触れていこうと思います。
本大会は毎月開催される「ドリプロVオープン」の優勝者を集めた招待制大会ということで、調整にかなりの時間を費やしたので、ぜひ読んでくださるとありがたいです。
環境を考える
現在のパイオニア・エクスプローラー環境は、《不浄な別室/祭儀室》という強力なリソース源を用いて戦う【ラクドスデーモン】と、圧倒的な速度でライフを削ることに特化した【ラクドス果敢】が中心に存在し、その他にも【5cニヴ=ミゼット】や【セレズニアカンパニー】、【イゼットフェニックス】など、様々なデッキが存在する環境になっています。
また、MTGアリーナにおいて『パイオニアマスターズ』が実装されたことにより、【ロータスコンボ】や【5cニヴ=ミゼット】といったデッキがエクスプローラー上でも再現できるようになり、エクスプローラーはパイオニアとほぼ変わらない環境になりました。
このことから、特に数の多い【ラクドスデーモン】を対策しつつ、対応幅の広いデッキを選択することが重要である環境であると考えています。
デッキ選択
まずは環境に存在するデッキ全てを使用してみて自分に合ったデッキを探すことから始めました。
その結果【ラクドスデーモン】【ラクドス果敢】【セレズニアカンパニー】【5cニヴ=ミゼット】【奇怪な具現】の5デッキから大会に持ち込むデッキを選択することにしました。
【ラクドスデーモン】
このデッキの強みは対応幅がかなり広いことにあると思っています。よく言われる「丸い」デッキというやつです。
環境を定義するデッキということで、このデッキのミラーマッチの勝率を上げるような調整をすることで優位を取ることを考えました。
しかし、そのようなアプローチは【ラクドスデーモン】を使用する皆が考えるはずであり、実際にミラーマッチで強いとされる《絶望招来》をメインに入れた構成などが試されるようになったことで、最終的にはデッキの練度の勝負になってしまうと予想しました。
私の強みは「様々なデッキを使用できること」だと考えているので、【ラクドスデーモン】を使い続けている相手との練度勝負では勝てないと感じていました。
しかし、非常に強力なデッキであることは間違い無いので、他のデッキの調整が上手くいかなった時のために最後まで検討することにしました。
【ラクドス果敢】
調整前は本命デッキでした。
その理由として、普段の「ドリプロVオープン」が非公開制の大会であるため、相手のキープ基準を制限できるこのデッキはプランが上手くハマれば勝ち切ることができると考えたためです。
実際、9月に行われた「ドリプロVオープン」ではこのデッキを使用して4-0という成績で優勝することができました。
しかし、「(ドリ)プロツアー in Vみなとみらい」は公開制の大会である点からその強みを活かしづらい点と、【ラクドスデーモン】が有効なキープをした際に大きく不利である点の2点からこのデッキの使用を断念しました。
【セレズニアカンパニー】
少し前にかなり使い込んだデッキであり、練度に自信があったので選択肢に残りました。
私は出場していませんが、このデッキのリストとプランを共有した友人がまなゆーい(@Artificer_yui)さんの主催する「Pioneer Gold Rush」にて準優勝という好成績を残すことができたというのも良い要素でした。
対応幅も広く、調整によってミラーマッチにも勝てる構成になっていたので選択肢としてはかなり「アリ」でした。
しかし、【ラクドスデーモン】に勝つためにはこちらの引きが上手く噛み合わなければならない点を改善することができなかったので、このデッキの使用を諦めることになりました。
【5cニヴ=ミゼット】
私がパイオニア環境で一番好きなデッキであるこのデッキが『パイオニアマスターズ』実装により再現可能になりました。
【ラクドスデーモン】に対してはサイズで圧倒しつつリソース差で勝つことのできるデッキということで、かなり立ち位置は良さそうに感じました。
一方、《白日の下に》や《ニヴ=ミゼット再誕》のために80枚デッキの中にピン刺しのカードが多く、プランの再現性が低いという点と、5色デッキのために土地事故がつきまとうという点により、【ラクドスデーモン】に対して微有利程度にしかなっていないことが気がかりでした。
また、【ラクドス果敢】やその他アグロデッキ、【セレズニアカンパニー】に対して不利な点から、どうガードを上げるかが重要であると考えました。
マナベースや練度については自信があり、その上好きなデッキタイプであったので、このデッキは検討を続けることにしました。
【奇怪な具現】
こちらも前述の【5cニヴ=ミゼット】同様にスケールの大きいミッドレンジデッキであり、私の好きなアーキタイプでした。
軽量除去が多く採用されていることと《永遠の策謀家、ズアー》の絆魂付与によるアグロ耐性、【ラクドスデーモン】に対してのスケール勝ちを狙える点、4積みのカードが多いことによるプランの再現性の高さなど、十分に高いスペックを持っているデッキであると感じました。
一方、エンチャント主体であるという弱点を突かれると脆いデッキであることは確かであり、《不浄な別室/祭儀室》の流行によってエンチャントへの意識が上がっていることが不安材料でした。
しかし環境内で立ち位置のいいデッキであることは間違いなかったのでこのデッキの調整を進めることにしました。
【5cニヴ=ミゼット】と【奇怪な具現】
前述の経緯から【5cニヴ=ミゼット】と【奇怪な具現】の2デッキで【ラクドスデーモン】に対してスケール勝ちすることをテーマに調整を開始しました。
これら2デッキの調整が上手くいかなかった際は【ラクドスデーモン】を使用するというバックアップもあったので安心でした。
調整時の比較は
という結論でした。
今回は対【ラクドスデーモン】に対しての勝率を上げることが主なテーマだったため、安定感がより高い【奇怪な具現】を選択しました。
【奇怪な具現】を調整する
【奇怪な具現】の調整を開始し始めてまず感じたのは【ラクドス果敢】に対してのサイドボードが多すぎるという点でした。
よくあるリストがサイドボードに《痛烈な一撃》×4、《エルズペスの強打》と、メインの除去と合わせて21枚もの除去を採用している点で、少し過剰な対策なのではないかと感じました。
そこで、この枠を削って他のデッキに対してのガードを上げることのできるカードを探すことにしました。
そこで採用したのが《ドビンの拒否権》です。
有利である【ラクドスデーモン】に負ける例として、ハンデスによりカードを抜かれて《絶望招来》を効果的に打たれてしまう展開と、《鏡割りの寓話》を絡めて序盤に大きくテンポを取られてしまう展開がありました。
どちらの展開に対しても耐性をつけることができるカードとして打ち消しを採用したかったので、【5cニヴ=ミゼット】や【シミック眼魔】にも有効にはたらくことが期待できる《ドビンの拒否権》を選択しました。
メインのリストに不満はなかったので、サイドボードの除去を少し減らして《ドビンの拒否権》を採用したリストを大会に持ち込むことにしました。
(ドリ)プロツアー in Vみなとみらい
大会に持ち込んだリストがこちらです。
当日は【ラクドスデーモン】が非常に多く、デッキ選択と調整は成功だったと思っています。
1回戦:4c砂漠 2-1
1回戦はよく一緒に遊んでいる方との対戦でした。
オリジナルデッキを作るビルダー気質の方で、今回も独創的なデッキで参加していました。
土地を伸ばしつつライフを詰めてくるデッキで、サイドボードにエンチャント対策が多く採用されていることから慎重なプレイを要求されました。
メイン戦はトップ勝負になって《ミストムーアの大主》から出たトークンが殴り切る展開になりました。
サイド後1本目は盤面とライフが詰められ《ミストムーアの大主》+《永遠の策謀家、ズアー》で取り返そうとしたところに《脚当ての陣形》を合わされて負けてしまいました。
常に2マナが立っていたのがとても動きづらかったです。
サイド後2本目はブン回りで《ホーントウッドの大主》兆候から《奇怪な具現》までいけたのでこっちがマウントをとってそのまま押し切ることができました。
2回戦:セレズニアカンパニー 2-1
2回戦はセレズニアカンパニーでした。
練習段階で苦手な印象はなかったので自分のプランを通すことを意識しました。
メイン戦は《ラノワールのエルフ》から展開してきたのですが、両面ランドを緑で出していたので、土地状況が良く無いことを読んで除去を合わせることができ、狙い通りそのまま押し切ることができました。
サイド後1本目は手札に《消失の詩句》が2枚重なったところに相手の《スレイべンの守護者、サリア》と《選定された平和の番人》が刺さってしまった上に、サリアで兆候も重くなるという勘違いにより展開が1ターンズレて負けてしまいました。
サイド後2本目は早期に展開した《永遠の策謀家、ズアー》+《力線の束縛》で殴っていくプランに成功しました。
3回戦:ラクドスデーモン 1-2
3回戦は対策していた【ラクドスデーモン】との対決でした。
練習段階では対【ラクドスデーモン】は相手の動きに上手く対処してスケール勝ちを目指すプランでした。
メイン戦は境界ランドを固めて引いてしまい、基本土地タイプを持つ土地がなかなかきてくれない中、相手の《鏡割りの寓話》連打に対処できずに落としてしまいました。
サイド後1本目は土地が途中で止まってしまい危なかったのですが、《奇怪な具現》対策に相手がサイドインした《墓掘りの檻》に上手く対処しながらこちらの動きを通すことができました。
サイド後2本目は白マナが1マナしか出ないハンドでキープしてしまい、ハンドに白いスペルが多く溜まってしまったのが敗着となってしまいました。
ここまで土地事故無くきていたので、その皺寄せがこの【ラクドスデーモン】戦で来てしまったかと感じました。
多色デッキの宿命ですね。
4回戦:緑単信心 2-1
4回戦は【緑単信心】でした。
個人的には【緑単信心】はコンボデッキだと思っているので、【5cニヴ=ミゼット】や【奇怪な具現】が苦手とするアーキタイプであります。
メイン戦はこっちがタップインでもたついているうちに【緑単信心】側の大量マナからの大量展開を許してしまい、そのまま負けてしまいました。
サイド後1本目はやや長めのゲームになり、相手の場に到達持ちが1体しかいなかった状況を利用して飛行打点を通し続けて取ることができました。
サイド後3本目は覚悟を決めて《思考囲い》2枚のハンドをキープし、相手のキープと噛み合ったおかげで勝つことができました。
少し前に【緑単信心】を使った経験があり、キープ基準が厳しいデッキということが分かっていたのでこの賭けが上手くいってよかったです。
スイスラウンドは3-1、3位で抜けることができました。
準決勝:ラクドスデーモン 2-0
3回戦で戦った方との再戦でした。
3回戦ではこちらの事故で負けてしまったのですが、あまり気にしすぎることなく想定通りのプランを遂行することを目標にしました。
メイン戦は《ホーントウッドの大主》を絡めて序盤で大きくテンポを取ることができ、相手の《不浄な別室/祭儀室》に対して《消失の詩句》を合わせることでリソースでも優位を取ることができました。
サイド後は相手の《鏡割りの寓話》に《ドビンの拒否権》を合わせることができ、そのまま《永遠の策謀家、ズアー》によって攻めきることができました。
決勝:緑単信心 0-2
決勝は4回戦で当たった方との再戦でした。
【緑単信心】との対戦に対してはかなり苦手意識があり、それが如実に出てしまったマッチでした。
メイン戦は相手の《ギルドパクトの力線》に上手く《スカイクレイブの亡霊》を合わせることには成功し、その次のターンの相手の動きにも対処できたのですが、その後2ターンで詰めきりたいという意識で相手のライフを詰めることを優先してしまった結果、返しのターンの大量展開を許してしまい落としてしまいました。
対戦相手の方は同じ鯖で一緒に遊んでいる方だったので、後日このマッチについて教えていただいたのですが、早めにライフを詰め切るよりも盤面にしっかり対処しつつゲームレンジを後ろに倒す意識を持つ方が良かったとのアドバイスをいただきました。
このマッチアップについての私の認識が間違っていたと分かりました。
サイド後はあまり良く無いハンドでのキープになってしまい、なんとか《思考囲い》を打つも相手がかなり濃いハンドでキープしていたためそのまま押し切られて負けてしまいました。
「(ドリ)プロツアー in Vみなとみらい」の結果は2位でした。
デッキ選択と調整が上手くいってよかったです。
おわりに
今回は「(ドリ)プロツアー in Vみなとみらい」に向けた調整録でした。
結果は準優勝と良い成績を残すことができたのでよかったです。
今回開催された大会は益若ニコル(@Nicole_Masuwaka)さんが毎月開催してくださる「ドリプロVオープン」という大会の各月の優勝者を招待する大会なので、興味がある方はぜひ「ドリプロVオープン」にご参加ください。
私も第2回の権利獲得目指して頑張ります!
【奇怪な具現】はかなり感触の良いデッキだったので、今後も調整を重ねていきたいです。
そのうち記事も書けたらいいな〜なんて考えています。
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ではまた!